今日のフォーカス
今日の難易度(主人公の立場):state.md の current_level は Lv4 経営(期間 2026-09-25〜、次の進級日は 2026-10-25。今日 2026-10-14 は進級日ではないので据え置き)。Q1 は1段下の Lv3 管理職(食品メーカーの事業部長)、Q2 は Lv4 経営(EC 企業の CTO)、Q3 は1段上の Lv5 創業者・取締役会(AI スタートアップの創業CEO)。
数値の出所ラベル:本ファイルの数値には仮定導出文献を付ける。シナリオの会社・人物・社内データ・契約単価はすべて架空(仮定)。導出は Python 標準ライブラリ(itertools・statistics・random・math)で本ファイル作成時に実行した。Q1 は損益の手計算を Python で検算。Q2 は9案件の組み合わせ(2⁹=512通り、条件を満たすもの130通り)の全数探索と、seed=11 で 4,000 回のシミュレーション。Q3 は臨界比率の厳密式(対数正規分布の分位点)と、seed=3 で 200,000 回のシミュレーション。
前日・前回からのつながり:前日(10/13 IQ-A)は「書かれた文を文字どおりに読む」で、規程の矛盾を最小の修正で直した。前回の Thinking-A(10/7)は、問題の置き方(稼働率か待ち時間か)と決め方の手続き(採決の順番)が答えを決める場面を扱った。今日はその続きで、部分ごとの数字(製品別の損益、案件別の ROI、需要の中央値)をそのまま全体の判断に使うと、なぜ外れるかを扱う。
年商12億円の食品メーカー(長野県)で、加工食品事業部を率いる事業部長・堀内さん(Lv3)。事業部には3つの製品群がある仮定。
| 製品群(年間、百万円) | A ドレッシング | B 冷凍餃子 | C ギフトセット | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 売上 | 600 | 400 | 200 | 1,200 |
| 変動費(原材料・包材・配送) | 360 | 260 | 120 | 740 |
| 製品群の専任費用(専任人員・販促) | 60 | 50 | 50 | 160 |
| 共通固定費の配賦(工場・本社、売上比で配賦) | 135 | 90 | 45 | 270 |
| 配賦後の利益 | 45 | 0 | −15 | 30 |
経営企画部長が月次会議でこう言った。
堀内さんが追加で調べた事実仮定:
- C の専任費用 50 の内訳は、催事出店費 20・契約社員1名 10・正社員1名 20。C をやめると催事費と契約社員は止められるが、正社員は B へ異動になり費用は残る
- 共通固定費 270 の大半は工場の建物リース(残り3年)と本社の管理部門で、C をやめても減らない
- 11〜12月の包装ラインは満杯(1,200時間)。C はそのうち 300時間を使い、この時期の C の貢献利益(売上−変動費)は 60。B は冬に欠品があり、300時間あれば売上を 60 増やせる(変動費率は B と同じ 65%)
- C をやめると事業部の利益は実際にいくらになるか。経営企画部長の「30 → 45」がどこで間違っているかを示せ。
- C をやめたあとの翌年、共通固定費 270 を A と B だけで売上比配賦すると、どうなるか。その先に起きることを書け。
- 堀内さんは何を提案するか。「C を続ける」以外の選択肢と、C をやめるのが正しくなる条件も書け。
「赤字の製品・店舗・部署をやめる」は分かりやすい改善策で、どの会社の会議にも出てくる。しかし、その「赤字」は共通費を何らかの基準で割り振った(配賦した)あとの数字であることが多い。意思決定で見るべきは「その選択で変わる収入と費用」だけ(関連原価、Horngren ほか『Cost Accounting』の relevant costing)で、やめても減らない費用を含めた損益で判断すると、利益を減らす決定をしてしまう。さらに、やめた製品の配賦分が残った製品に付け替わると、次の製品が赤字に見えて、また切る——という死のスパイラル(death spiral)に入る。この問題で鍛えるのは3つ。(a) 問いを「どの製品が赤字か」から「この決定で会社全体の利益がいくら変わるか」に置き直す。(b) 費用を「やめたら消えるか」で分ける。(c) 制約のある資源(冬の包装ライン)では、資源1時間あたりの貢献利益で比べる。
- まず何を確認すべきか: その赤字は配賦の前か後か。決定で消える費用(回避可能原価)と、消えない費用はどれか
- 核心にある概念: 関連原価(差額原価)、貢献利益と製品群の直接利益(セグメントマージン)、配賦の死のスパイラル、制約資源1時間あたりの貢献利益(TOC のスループット会計)
- よくある誤り/罠: ①配賦後の赤字=やめれば消える損、と読む ②異動する人の人件費を「削減」に数える ③空いた資源の使い道(B の増産)を、資源あたりの効率で比べずに「埋まるから良い」とする
- 判断の軸: 「やめる場合」と「続ける場合」の会社全体の利益の差だけを比べる。共通費の配賦は、決定の材料から外す
1. C をやめると利益はいくらになるか導出
| 項目 | 金額(百万円) |
|---|---|
| 現状の事業部利益 | 30 |
| C の貢献利益を失う(売上 200 − 変動費 120) | −80 |
| 止められる専任費用(催事 20 + 契約社員 10) | +30 |
| B の冬の増産(売上 60 × 貢献利益率 35%) | +21 |
| C をやめた後の事業部利益 | 1 |
- 経営企画部長の「30 → 45」は、C の配賦後利益 −15 を「やめれば消える損」として足し戻した計算。実際には、C の行にあった共通固定費 45 と正社員の 20 は会社に残る。消えるのは 30 だけで、失う貢献利益は 80
- 増産を入れても、冬のラインは C のほうが効率がよい。C は 300時間で 60、B は 300時間で 21。1時間あたり 0.20 対 0.07導出。制約のある資源は、売上でも利益率でもなく「その資源1単位あたりの貢献利益」で配分する(Goldratt の throughput accounting と同じ考え方)
2. 翌年に起きること——死のスパイラル導出
C をやめ、正社員が B に移り、B が増産した翌年、共通固定費 270 を A と B の売上比(600:460)で配賦し直す。
| 製品群(百万円) | A | B |
|---|---|---|
| 売上 | 600 | 460 |
| 貢献利益 | 240 | 161 |
| 専任費用 | 60 | 70(正社員の異動分 +20) |
| 共通固定費の配賦 | 152.8 | 117.2 |
| 配賦後の利益 | 27.2 | −26.2 |
- 今度は B が赤字に見える。同じ論理で B をやめると、事業部の利益は A の 240 − 60 − 270 − 異動した正社員 20 = −110(専任費用のうち 50 を止められると仮定)
- 配賦の基準を変えても(生産時間比・人数比)同じことが起きる。配賦は「費用を誰が負担するか」の約束事で、「その費用がどの決定で消えるか」を表していない
3. 堀内さんの提案
まず問いを置き直す。「どの製品が赤字か」ではなく「今ある工場・人・ラインで、来期の事業部の利益を最大にするには何を変えるか」。
| 選択肢 | 事業部利益の変化(百万円) | 確度・副作用 |
|---|---|---|
| (a) C を続け、催事チャネルだけ止める(催事の売上 50・変動費 35・催事費 20 → 貢献利益 15 に対し費用 20) | +5 | 確度高い。催事でしか買わない固定客を失う |
| (b) C のうち保存のきく品目を9月に前倒し生産(倉庫・品質管理費 6)し、冬のラインを 100時間空けて B を増産(+7) | +1 | 効果は小さい。品質(賞味期限)の確認が要る |
| (c) C の価格を 5% 上げる(数量が 5% 減っても貢献利益は約 +5) | +5 前後 | 価格弾力性は未測定。贈答需要は価格に鈍いことが多いが、試すまで分からない |
| C をやめる(経営企画案) | −29 | — |
- 推す順番: (a) は確度が高く今期から。(c) は一部の販路で試験的に。(b) は品質の確認が取れたら
- 同時に、月次会議の表を変える。製品群ごとに「貢献利益 → 専任費用 → 製品群の直接利益(A 180・B 90・C 30)」まで出し、共通固定費は事業部の合計の下で1行だけ引く(貢献利益方式の損益計算書)。こうすれば、配賦後の赤字で議論が始まらない
- 経営企画部長への言い方: 「C をやめると、表の上では赤字が消えますが、会社に残るお金は 29百万円減ります。理由は、C の行にある 65百万円(共通費 45 と異動する正社員 20)が、やめても B と A に付け替わるだけだからです。冬のラインも、C のほうが1時間あたり3倍稼いでいます」
C をやめるのが正しくなる条件
- 工場リースの更新(3年後)で、C の分だけ工場を小さくでき、共通固定費のうち 29 を超える額が実際に減るとき(C をやめた損 29 = 失う貢献利益 80 − 止められる費用 30 − 増産 21 を上回る費用が消える)
- 贈答市場の縮小で C の貢献利益が 51 を下回る見通しのとき(止められる費用 30 と B の増産 21 の合計より、C が稼ぐ額が小さくなる)
- B の冬の需要が大きく増え、B の1時間あたり貢献利益が C を超えたとき(例えば B の値上げや高単価品の投入)
採らなかった案(トレードオフ)
| 案 | 採らない理由 |
|---|---|
| 配賦基準を「売上比」から「生産時間比」に変えて、C の赤字を消す | 基準を変えると別の製品が赤字に見えるだけ。どの基準でも、決定の材料にしない限り問題は同じ |
| 共通固定費を配賦するのをやめる | 価格設定や長期の撤退判断では、共通費をどこかで回収する必要がある。月次の短期判断の表からは外し、長期の表では残すと使い分ける |
| C を残すだけで何も変えない | 催事チャネルは本当に赤字(−5)。部分的に止める判断はできる |
前提が変わったら: 共通固定費のうち、C をやめると減る部分がある場合(例えば C 専用の倉庫を借りている)、その分を回避可能原価に足して計算し直す。逆に、正社員が異動ではなく退職して補充しない場合は、止められる費用が 50 になり、C をやめた後の利益は 21 になる——それでも 30 を下回る。
実践への応用
- SaaS・エンジニアリング組織: 共通基盤のクラウド費や SRE の人件費を各プロダクトに配賦すると、小さいプロダクトが赤字に見える。廃止判断では「そのプロダクトをやめて実際に止まる費用(専用のインスタンス・専任者・外部 API 料金)」だけを比べる
- 小売・飲食: 不採算店舗の閉店で、本部費の配賦分は残りの店舗に乗る。閉店の判断は店舗の直接利益(店舗の貢献利益 − 家賃・人件費)で行う
- 起業: 少人数の会社で「この顧客は手間がかかるから赤字」と言うとき、その手間(人件費)は顧客を切っても減らないことが多い。空いた時間を何に使えるかまで書いて初めて判断になる
- グローバル: 多国籍企業の本社費の配賦(management fee)は、移転価格税制の文脈でも議論になる。税務上の配賦と、撤退判断のための損益は別の表で持つ
- C をやめた後の利益が 30→1 になることを、失う貢献利益と止められる費用で示せたか
- 配賦の付け替えで B が赤字に見え、B もやめると −110 になる流れを書けたか
- 冬のラインを1時間あたりの貢献利益(0.20 対 0.07)で比べ、やめる条件まで書けたか
CTO の真壁さん(Lv4)は、来期の IT 投資枠 10億円(1,000百万円) の配分案を、来週の経営会議に出す。候補は9件で、各部門が正味現在価値(NPV:5年分の効果を今の価値に直したもの − 投資額。ここでは「効果の現在価値」として扱う)を見積もってきた仮定。
| ID | 案件 | 投資額(百万円) | 見積りの効果 NPV(百万円) | ROI(効果÷投資) | 条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| P1 | 決済基盤の刷新 | 450 | 585 | 1.30 | — |
| P2 | レコメンド改善 | 150 | 240 | 1.60 | — |
| P3 | データ基盤の構築 | 250 | 60 | 0.24 | — |
| P4 | 倉庫システム連携 | 250 | 300 | 1.20 | — |
| P5 | 需要予測 | 200 | 460 | 2.30 | P3 が必要 |
| P6 | 不正検知 | 150 | 320 | 2.13 | P3 が必要 |
| P7 | アプリの全面刷新 | 350 | 455 | 1.30 | P7b とどちらか一方 |
| P7b | アプリの部分改修 | 150 | 195 | 1.30 | P7 とどちらか一方 |
| P8 | 監視基盤の更改 | 100 | 110 | 1.10 | — |
経営企画部はこう提案している。
見積りの確からしさについて、真壁さんが知っていること仮定:
- P1・P3・P8 は、ベンダーの固定価格見積りと過去の同種案件があり、効果の見積りも比較的確か
- P5(需要予測)は社内で類似の実績がなく、効果の見積りは「在庫を 20% 減らせる」という外部事例1件に頼っている
- 過去5年の IT 案件12件で、実績の ROI は平均 1.2 前後だった
- 経営企画部の方式で選ぶと、どの組み合わせになり、効果はいくらか。最適な組み合わせと比べて、どこで間違えるか。
- 予算が 1億円増えたら(減ったら)、効果はいくら変わるか。この数字を経営会議でどう使うか。
- 効果の見積りには誤差がある。「見積りが最大の組み合わせ」を選ぶこと自体に、どんな偏りがあるか。それを踏まえて、真壁さんは何を提案するか。
限られた予算で複数の案件を選ぶ問題は、数学ではナップサック問題と呼ばれる(Dantzig 1957、Martello & Toth 1990)。ROI(効果÷費用)の高い順に取る方法は、案件を細かく分けられるときは最適だが、分けられない・前提条件がある・どちらか一方しか選べないときには外れる。さらに、見積りが一番大きい組み合わせを選ぶと、たまたま過大に見積もられた案件ほど選ばれやすいので、選んだ組み合わせの実績は見積りを系統的に下回る(Smith & Winkler 2006 の「オプティマイザーの呪い」)。この問題で鍛えるのは3つ。(a) 「1件ずつの良さ」ではなく「組み合わせの良さ」で考える。(b) 予算1単位を増減したときの効果(予算の限界価値)を出し、予算額そのものを議論の対象にする。(c) 見積りの確からしさを判断に入れ、選び方を変えることと約束する数字を変えることを分けて考える。
- まず何を確認すべきか: 案件は分けられるか。前提条件・排他の関係はあるか。予算の端数は残るか
- 核心にある概念: 0-1 ナップサック問題、貪欲法(比率順)の限界、予算の限界価値(シャドープライス)、オプティマイザーの呪い、見積りの縮小推定(ベイズの事後平均)
- よくある誤り/罠: ①前提となる基盤案件(P3)を「ROI が低い」で落とす ②予算の余りを無視する ③見積り誤差の大きい案件ほど上位に来る偏りを見落とす
- 判断の軸: 条件を満たす全組み合わせの中で最大を探し、そのうえで見積りの確からしさで割り引いた場合にも結論が変わらないかを確かめる
1. ROI 順に取ると何が起きるか導出
| 選び方 | 組み合わせ | 投資額 | 効果 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ROI 順(前提条件を無視) | P5・P6・P2・P1 | 950 | 1,605 | 実行できない(P3 なしで P5・P6 は動かない) |
| ROI 順(前提条件を守る) | P2・P1・P7 | 950 | 1,280 | P5・P6 は P3 が選ばれないので入れない。50 余る |
| 全数探索の最適 | P2・P3・P5・P6・P7b・P8 | 1,000 | 1,385 | P3(ROI 0.24)が入る |
- P3 の単独の ROI は 0.24 だが、P3+P5+P6 の束で見ると、投資 600 に対して効果 840、ROI 1.40。案件を「束」として評価しないと、基盤への投資は永遠に選ばれない
- ROI 順の方式は、1件ずつ並べるので組み合わせの効果(前提条件・排他・予算の端数)を表せない。WSJF も同じ比率の並べ方なので、チームの作業を細かく分けられるときは有効だが、分けられない大型の投資の配分には向かない
- 最適の確認は、9件の組み合わせ 512通りのうち、条件(予算・前提・排他)を満たす 130通りを全部計算した。件数が数十を超えると全数は無理なので、整数計画法のソルバー(例えば OSS の CBC や HiGHS)を使う
2. 予算の限界価値導出
| 予算(百万円) | 最適な組み合わせ | 効果 | 1,000 からの差 |
|---|---|---|---|
| 900 | P2・P3・P5・P6・P7b | 1,275 | −110 |
| 1,000 | P2・P3・P5・P6・P7b・P8 | 1,385 | — |
| 1,100 | P2・P3・P5・P6・P7 | 1,535 | +150 |
| 1,200 | P1・P2・P3・P5・P6 | 1,665 | +280 |
- 予算を 1億円増やすと効果は 1.5億円増える。つまり、この会社の IT 予算の最後の1億円は、1.5倍で回る。他部門(例えば広告費)の最後の1億円がそれ以上で回るなら、IT 予算は今のままでよい。下回るなら、IT 予算を増やす提案ができる
- 予算が変わると組み合わせが飛び飛びに入れ替わる(1,100 では P8 が外れて P7 が P7b に代わる)。ROI 順の方式では、この入れ替わりが出てこない
- 経営会議では「10億円での最適」だけでなく、9億・11億・12億での最適と効果を1枚で見せる。予算額の議論と配分の議論を同じ表で行える
3. 見積りの誤差と「オプティマイザーの呪い」導出
見積りがいちばん大きい組み合わせを選ぶと、過大に見積もられた案件ほど選ばれやすい。その結果、選んだ組み合わせの実績は、平均すると見積りを下回る。
縮小推定の手順仮定導出:過去12件の実績 ROI の平均 1.2 を「事前の見込み」、そのばらつきを 0.4 とし、各案件の見積りの誤差(ROI の標準偏差)を P1 0.2・P2 0.3・P3 0.2・P4 0.25・P5 0.8・P6 0.6・P7 0.4・P7b 0.3・P8 0.15 と置く。割引後の ROI = 1.2 + k ×(見積り ROI − 1.2)、k = 0.4² ÷(0.4² + 誤差²)。
| ID | 見積り ROI | k(見積りをどれだけ信じるか) | 割引後の ROI | 割引後の効果 |
|---|---|---|---|---|
| P1 | 1.30 | 0.80 | 1.28 | 576 |
| P2 | 1.60 | 0.64 | 1.46 | 218 |
| P3 | 0.24 | 0.80 | 0.43 | 108 |
| P4 | 1.20 | 0.72 | 1.20 | 300 |
| P5 | 2.30 | 0.20 | 1.42 | 284 |
| P6 | 2.13 | 0.31 | 1.49 | 223 |
| P7 | 1.30 | 0.50 | 1.25 | 438 |
| P7b | 1.30 | 0.64 | 1.26 | 190 |
| P8 | 1.10 | 0.88 | 1.11 | 111 |
- 割引後で最適を探し直すと P1・P2・P4・P7b(効果 1,284)。見積り上の最適(P3・P5・P6 を含む組み合わせ)は、割引後では 1,134 で、150 下がる
- データ基盤の束が最適に入っていた理由は、主に P5 の ROI 2.30。その P5 は誤差が最も大きい(外部事例1件)。結論が、いちばん不確かな1つの数字にかかっていた
- シミュレーション(各案件の本当の ROI を平均 1.2・ばらつき 0.4 から引き、見積りに上の誤差を足す、4,000 回)では、見積り最大の組み合わせは実績を平均 146百万円上回って見えた(実績平均 1,364 に対して約 11%)。縮小推定で選ぶと、見積りと実績の差はほぼ 0(−2)になった。一方、実績そのものの改善は小さく(1,364 → 1,375、+0.8%)、縮小推定の主な効き目は「選び方を大きく変えること」より「経営会議に約束する数字を正直にすること」にある
4. 真壁さんの提案
- どちらの計算でも入る P2・P7b を確定(300)。割引後の最適に入り、見積りも比較的確かな P1 も確定(450)
- データ基盤の3件(P3・P5・P6、600)は今期は確定しない。代わりに P5 の効果を確かめる小さな検証(既存の売上データで在庫削減の効果を2か月で試算、費用は数千万円規模)を行う。結果で P5 の誤差が小さくなり、割引後の ROI が十分高ければ、来期の予算で束として出す
- 残り 250 は、検証の結果が出る2か月後に決める。既定は P4(割引後も ROI 1.20 で確か)。ただし、検証で P5 が強く確認され、来期にデータ基盤を始めるなら、P3 の設計の前倒しに使う
- 経営会議には、見積りの効果と割引後の効果を並べて出す。「最適な組み合わせの見積り効果は 1,385 ですが、過去の実績から見ると 1,134〜1,284 と考えるのが妥当です」と、約束する数字を下げておく
採らなかった案(トレードオフ)
| 案 | 採らない理由 |
|---|---|
| 経営企画部の ROI 順方式 | 前提条件と予算の端数を扱えず、最適より 105 低い。基盤案件が構造的に選ばれない |
| 見積り上の最適(データ基盤の束を含む)をそのまま確定 | 結論が最も不確かな P5 の見積りにかかっている。外れたとき、600 の束全体が効果を失う |
| データ基盤を「戦略投資」として ROI の計算から外す | 計算の外に置くと、どこまで投資してよいかの歯止めがなくなる。束として計算に入れ、検証で誤差を減らすほうがよい |
| すべての見積りを一律 20% 割り引く | 一律では順位が変わらず、誤差の大きい案件ほど過大という偏りを直せない。誤差に応じて割り引く必要がある |
前提が変わったら: 過去の実績 ROI の平均が 1.2 より高い(見積りが保守的に出る文化の会社)なら、割引は小さくなり、データ基盤の束が最適に残りやすい。また、P5 の検証で誤差が 0.8 → 0.3 に下がり、見積り ROI 2.0 が確認できれば、割引後の ROI は約 1.71(k=0.64)になり、データ基盤の束が割引後でも有力になる導出。
実践への応用
- エンジニアリング組織: 技術的負債の返済や共通基盤は、単独の ROI では必ず低く出る。「この基盤で可能になる案件」と束にして評価する
- ベンチャー投資・新規事業: 事業計画の売上見込みが最も大きい案件に投資すると、平均して見込みに届かない(オプティマイザーの呪い)。見込みの確からしさで割り引いてから比べる
- 起業: 少ない資金を「どの機能を作るか」に配るときも、1件ずつの効果ではなく、組み合わせと前提関係で考える
- グローバル: 多国籍企業の地域別の予算配分で、地域ごとの ROI 順に配ると、地域をまたぐ共通基盤(グローバル決済・データ統合)が落ちる。地域の上に「共通基盤の束」を置いて評価する
- ROI 順(1,280)と全数探索の最適(1,385)の差と、P3 が最適に入る理由を言えたか
- 予算±1億円での効果の変化(限界価値 1.5倍)を経営会議の議論に使えたか
- 見積り誤差による過大評価(約11%)と、誤差に応じた割引で最適が入れ替わることを示せたか
創業CEO の新井さん(Lv5)は、来期(12か月)の GPU 調達方針を来週の取締役会に出す。顧客企業の契約書レビューを自社の微調整モデルで行っており、推論に GPU を使う。来期の GPU 需要(H100 相当を常時稼働に換算した台数)について、データ分析チームの予測は次のとおり仮定。
- 中央値 120台、対数正規分布(ばらつき σ=0.5)。80% の確率で 63〜228台に入る導出
- 営業計画の目標は 200台分の需要(大型顧客3社の獲得を前提)
調達の手段仮定:
| 手段 | 費用(1台・1年あたり) | 条件 |
|---|---|---|
| 1年予約 | 1,200万円 | 使わなくても払う。使わない分は市場で転売でき、費用の 30% を回収できる |
| オンデマンド | 2,400万円 | 使った分だけ。ただし GPU の逼迫で、必要なときに確保できるのは 70% の確率 |
| 容量オプション(クラウド事業者と交渉中) | 権利料 200万円 + 使った分 1,500万円 | 権利を買った台数まで、確実に使える |
事業の数字仮定:GPU 1台・1年分の需要が生む売上は 4,200万円。手元現金は 35億円、GPU 以外の固定費は年 30億円。取締役会は「年度末の現金が固定費6か月分(15億円)を下回る確率を 5% 以下に保つ」というリスク方針を決めている。
取締役会の意見:
CFO:「90台にしたい。手元資金が薄いのに、使うか分からない GPU に10億円以上を固定するのは怖い」
- リスク方針を考えずに「期待される利益が最大」になる予約台数を求めよ。中央値の 120台でも、営業計画の 200台でもない理由を説明せよ。
- 取締役会のリスク方針を入れると、予約だけで何台までにすべきか。VC と CFO の案は、期待利益とリスクでどこに位置するか。
- 「予約か、オンデマンドか」の二択をやめて、契約の組み合わせを設計せよ。取締役会でどう提案し、何が起きたら見直すか。
需要が分からないまま、先に量を決めて約束しなければならない問題は、ニュースベンダー問題(Arrow, Harris & Marschak 1951)と呼ばれる。新聞の仕入れ・季節商品の発注・ホテルの人員・クラウドの予約容量はすべてこの形をしている。答えは「需要の予測値」ではなく、足りなかったときの損(Cu)と余ったときの損(Co)の比で決まる:最適な量は、需要が Q 以下になる確率が Cu ÷(Cu+Co)(臨界比率)になる Q。この問題で鍛えるのは4つ。(a) 「予測値を発注する」「目標値を発注する」という置き方を、損の非対称性から置き直す。(b) 期待値の最大化と、会社が倒れないこと(リスク制約)を分けて扱う。(c) 二択を、価格と柔軟性の違う契約の組み合わせ(固定・オプション・スポット)に置き換える(HP の調達リスク管理、Nagali et al. 2008 と同じ発想)。(d) 立場の違う取締役(VC は多くの会社に分散投資、CFO は資金繰りの責任)の主張を、同じ数字の上に並べる。
- まず何を確認すべきか: 1台足りないときの損と、1台余ったときの損はそれぞれいくらか。需要の予測はどんな分布か(中央値だけでなく幅)
- 核心にある概念: ニュースベンダー問題と臨界比率、需要分布の分位点、期待値とリスク制約(下位5%の結果)、調達のポートフォリオ(固定契約・オプション・スポット)
- よくある誤り/罠: ①中央値(最も起こりやすい値)を発注する ②営業目標を需要予測として使う ③オンデマンドが「いつでも買える」と仮定する ④期待値だけで決め、手元資金の制約を後から考える
- 判断の軸: まず臨界比率で期待値の最適を出し、次にリスク方針を満たす範囲に絞り、最後に契約の組み合わせで「期待値もリスクも両方よくなる」案を探す
1. 期待利益が最大の予約台数導出
- 足りないときの損(Cu):オンデマンドで確保できれば割高分 2,400 − 1,200 = 1,200万円。確保できなければ売上を失い、予約していれば得られた粗利 4,200 − 1,200 = 3,000万円を失う。確保できる確率 70% で、Cu = 0.7 × 1,200 + 0.3 × 3,000 = 1,740万円
- 余ったときの損(Co):予約費用 1,200万円のうち 30% を転売で回収、Co = 1,200 × 0.7 = 840万円
- 臨界比率 = 1,740 ÷(1,740 + 840)= 0.674。需要が Q 以下になる確率が 67.4% になる Q は、120 × exp(0.5 × 0.451) = 150台
- 中央値 120台を予約すると、50% の確率で足りない。足りない損のほうが大きいので、中央値より多めに持つのが得
- 営業計画 200台は分布の約 85% 点。営業目標は「達成したい値」で、「起こりそうな値」ではない。目標を需要予測として使うと、余る損を取りすぎる
| 予約台数 | GPU 起因の期待粗利 | 下位5%の粗利 | 年度末現金が15億円を下回る確率 |
|---|---|---|---|
| 90(CFO 案) | 31.13億円 | 12.62億円 | 2.7% |
| 100 | 32.04億円 | 11.78億円 | 3.3% |
| 120(中央値) | 33.29億円 | 10.10億円 | 4.9% |
| 150(臨界比率) | 33.94億円 | 7.58億円 | 7.8% |
| 200(VC 案) | 32.72億円 | 3.38億円 | 14.2% |
(シミュレーション 200,000 回、seed=3。年度末現金 = 35 − 30 + GPU 起因の粗利)
2. リスク方針を入れると導出
- 予約だけで方針(5% 以下)を満たす上限は 120台。150台との期待粗利の差は 0.65億円で、これが「会社が倒れにくくするために払う保険料」にあたる
- VC 案の 200台は、期待値でも 150台に負け、リスクは方針の約3倍。VC は多くの会社に分散投資しているので、1社の下振れはファンド全体で薄まるが、この会社の従業員と創業者にとっては下振れがそのまま存続の危機になる。VC の主張の背景にある「上振れを取り逃したくない」は正当だが、それは予約の台数ではなく、別の契約で取りにいくべき
- CFO 案の 90台は、リスクは十分低いが、期待粗利は 150台より 2.8億円低い。慎重さに払う費用が大きすぎる
3. 契約の組み合わせの設計導出
予約(安いが柔軟性がない)・オプション(権利料を払えば確実に使える)・オンデマンド(高く、確保できないこともある)の3つを組み合わせる。1台ごとに「どれで持つのが安いか」を比べる。
- 予約とオプションの境目: その台数まで需要が来る確率を P とすると、予約の期待費用は 1,200P + 840(1−P)、オプションは 1,700P + 200(1−P)。予約のほうが安いのは P ≥ 0.561、つまり 約111台目まで
- オプションとオンデマンドの境目: 権利料 200万円が、使ったときの節約(0.7 × (2,400 − 1,500) + 0.3 × (4,200 − 1,500) = 1,440万円)の期待値を下回るのは P ≥ 0.139、つまり 約206台目まで
- リスク方針なしなら「予約 111台+オプション 95台」(期待粗利 35.17億円、リスク 6.1%)。方針を満たすように予約を少し減らす
| 組み合わせ | 期待粗利 | 下位5%の粗利 | 15億円を下回る確率 |
|---|---|---|---|
| 予約 120台のみ | 33.29億円 | 10.10億円 | 4.9% |
| 予約 150台のみ | 33.94億円 | 7.58億円 | 7.8% |
| 予約 111台+オプション 95台 | 35.17億円 | 8.96億円 | 6.1% |
| 予約 100台+オプション 80台 | 34.99億円 | 10.18億円 | 4.8% |
| 予約 90台+オプション 100台 | 34.94億円 | 10.62億円 | 4.4% |
- 予約 100台+オプション 80台は、予約だけで方針を満たす最大(120台)より期待粗利が 1.70億円高く、リスクは同程度。VC の「上振れを取りたい」は 180台まで確実に使えるオプションで、CFO の「固定を減らしたい」は予約 100台(12億円、転売で一部回収可)で、両方に答えている
取締役会での提案の仕方
- 最初に、予測と目標を分ける: 「需要の中央値は120台、営業計画は200台です。200台は目標で、起こる確率は約15%です」
- 損の非対称性を1行で: 「足りない損は1台1,740万円、余る損は840万円。足りないほうが2倍痛いので、中央値より多めに持つべきです。ただし予約だけで多めに持つと、年度末に現金が15億円を割る確率が方針の5%を超えます」
- 組み合わせ案を出す: 「予約100台・オプション80台・残りはオンデマンド。期待値は予約150台より高く、リスクは方針内です」
- 見直しの条件を先に決める(四半期ごと):
- 大型顧客3社のうち2社と契約したら、需要の分布を上方に引き直し、オプションの追加購入を交渉する
- オンデマンドの確保率が 40% まで下がったら(逼迫が強まったら)、臨界比率は 0.731 に上がり、最適な台数は 163台になる導出。オプションの枠を広げる
- オンデマンドがいつでも確保できる(確保率 100%)なら、臨界比率は 0.588、最適は 134台に下がる導出
- 予測のばらつきが σ 0.5 → 0.7 に広がったら(例えば大型案件の受注・失注が読めない)、最適は 165台に上がるが、リスクも大きくなるので予約ではなくオプションで持つ
- 法・手続き: 予約契約(12億円規模)は、会社の取締役会規程によっては「重要な業務執行」として取締役会の決議が必要になる(会社法362条4項の考え方)。今回は決議事項として出し、決議の前提(需要分布・確保率・転売の回収率)を議事録に残す
未確認の前提(ここが崩れたら計算をやり直す)
- 容量オプションという契約が、交渉中のクラウド事業者から実際にこの価格で出るか。主要クラウドの公開メニューには、1〜3年の予約(AWS Savings Plans など)や、期間を区切った GPU 容量の予約(Amazon EC2 Capacity Blocks for ML)はあるが、「低い権利料で上限まで確保できる」形は標準メニューではなく、個別交渉や GPU 専業の事業者との契約になる可能性が高い。出ない場合、同じ考え方で「予約120台+オンデマンド」に戻る
- 転売で 30% 回収できるという前提。GPU の需給が緩むと回収率は下がり、Co が大きくなって最適な予約台数は減る
- 需要が対数正規分布に従うという前提。大型顧客3社の獲得・失注で需要が飛び飛びに変わるなら、分布を「大型顧客の契約数(0〜3社)ごとのシナリオ」に置き直して計算する
採らなかった案(トレードオフ)
| 案 | 採らない理由 |
|---|---|
| VC 案:200台予約 | 期待値でも 150台に負け、リスクは方針の約3倍。目標値を予測値として使っている |
| CFO 案:90台予約 | リスクは低いが、足りない損の大きさを無視しており、期待粗利が最も低い |
| 臨界比率どおり 150台予約 | 期待値は予約だけの中で最大だが、取締役会が決めたリスク方針を破る |
| すべてオンデマンド | 確保できない 30% の場面で売上を失い、顧客の信頼(SLA)も失う。法務レビューは締切のある仕事なので、遅延の損は計算より大きい可能性がある |
| 3年予約でさらに安くする | 3年先の需要の幅は1年先よりずっと広く、余る損が大きくなる。モデルの効率化(推論コストの低下)で必要台数が減る可能性もある。1年で需要の実績を見てから判断する |
前提が変わったら: 手元現金が 35億円ではなく 60億円(次の資金調達が済んだ後)なら、リスク方針の制約がほぼ外れ、予約 111台+オプション 95台が選べる。逆に、資金調達が遅れて現金が減っていく状況では、オプションの権利料(80台で1.6億円)も固定費として重くなるので、予約・オプションの両方を減らし、売上を失う損を受け入れる判断になる。
実践への応用
- エンジニアリング組織: クラウドの予約インスタンス・Savings Plans の購入量は、平均使用量ではなく「余る損と足りない損の比」で決める。オンデマンドの価格と、予約の割引率から臨界比率を出せる
- 小売・製造: 季節商品の発注、部品の長期契約とスポット調達の組み合わせ(HP の PRM、Nagali et al. 2008)は同じ考え方
- 人員計画: 正社員(予約)・業務委託の枠契約(オプション)・スポットの外注(オンデマンド)で人員を組み合わせる。正社員の人数を需要の中央値で決めない
- グローバル: 米国のデータは米国リージョンの GPU でしか処理できない(顧客のデータ所在要件)場合、日米で別々のニュースベンダー問題になる。地域をまとめて持てないぶん、予約の効率は下がる(前回 Q1 のプーリングと同じ理屈)
- Cu 1,740 と Co 840 から臨界比率 0.674・150台を出し、中央値や営業目標でない理由を言えたか
- リスク方針(5%)で予約だけなら 120台、VC 案 14.2%・CFO 案 2.7% を位置づけられたか
- 予約100+オプション80(34.99億円・4.8%)の組み合わせと、見直し条件を設計できたか
扱わなかった範囲と理由・参考文献
- Q1: 活動基準原価計算(ABC)による配賦の精緻化は扱っていない。ABC は「どの製品がどれだけ共通費を使っているか」の把握には役立つが、今回の論点(やめても消えない費用を判断に入れない)は、配賦の精度を上げても解決しないため。税務・移転価格上の配賦も扱っていない
- Q2: 案件の効果どうしの相互作用(P2 と P5 を同時にやると効果が重なって減る等)、複数年度にまたがる予算配分、整数計画法のソルバーの実装は扱っていない。また、縮小推定の「事前の見込み」(過去12件の平均 1.2・ばらつき 0.4)は仮定で、実際には過去案件の見積りと実績の記録が要る
- Q3: 需要分布の推定方法そのもの(パイプラインの受注確率からの組み立て)、GPU の世代交代による価格下落、モデルの効率化による必要台数の減少、複数年の契約は扱っていない。シミュレーションは需要と確保率を独立に置いたが、実際には「需要が多いときほど市場も逼迫して確保しにくい」という相関がありうる。その場合、足りない損はさらに大きく、オプションの価値は上がる
参考文献
- Horngren, C. T., Datar, S. M., Rajan, M. V. *Cost Accounting: A Managerial Emphasis*(Pearson、関連原価・回避可能原価・貢献利益方式の損益計算書)
- Goldratt, E. M. *The Haystack Syndrome*(1990、スループット会計・制約資源あたりの貢献利益)
- Dantzig, G. B. (1957). Discrete-variable extremum problems. *Operations Research*, 5(2), 266–288(ナップサック問題と比率順の解法)
- Martello, S., Toth, P. (1990). *Knapsack Problems: Algorithms and Computer Implementations*. Wiley
- Smith, J. E., Winkler, R. L. (2006). The Optimizer's Curse: Skepticism and Postdecision Surprise in Decision Analysis. *Management Science*, 52(3), 311–322
- Arrow, K. J., Harris, T., Marschak, J. (1951). Optimal Inventory Policy. *Econometrica*, 19(3), 250–272(ニュースベンダー問題の原型)
- Nagali, V. et al. (2008). Procurement Risk Management (PRM) at Hewlett-Packard Company. *Interfaces*, 38(1), 51–60(固定契約・オプション・スポットの組み合わせによる調達)
- 会社法362条4項(取締役会の決議事項。e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 )
- AWS Savings Plans(https://aws.amazon.com/savingsplans/ )、Amazon EC2 Capacity Blocks for ML(https://aws.amazon.com/ec2/capacityblocks/ )——本ファイル作成時には URL の内容を再取得していない。契約形態の存在の参考としてのみ挙げ、価格は使っていない
今日のまとめ・次回へ
明日(10/15 木曜)は EQ-B(対人スキル・関係管理)。今日の3問はどれも、相手の提案(経営企画部の「やめれば利益が増える」、ROI 順の「公平な方式」、VC と CFO の台数)の狙いは認めたうえで、数字で別の案を出す場面だった。明日は、数字では正しくても相手の面子や立場が絡んで通らない場面——提案した本人が会議の場で引っ込みがつかなくなる状況——を、関係を壊さずに動かす方法を扱う。