Day 053 — 統合: 1チームの見積もりで通った案が、複数チームと外部1社にまたがると分かったときの計画の組み直し

2026-10-11 (Sun) 🟡 Senior(複合適用・トレードオフ判断) 統合(PM×PdM実践シナリオ) 成果物: 依存ボード+合流点の確率+依存を外す案の比較+共有リスク登録簿(ROAM)+約束カード+撤退ライン+計画変更メモ

📋 シナリオ

今日は 10/11(日)。昨日(Day052)の JTBD 調査で、法人会員「オフィスまとめ便」の施策は B「月締めの一括請求+部署別の内訳 CSV」を最初にやる と決まった(MOps の見積もり18人日)。金曜の部長会では法人営業の大野部長が「上位40社には、1月注文分から月締めにできると先に伝えてある」と言い、EC事業本部長(Approver)も了承した。

ところが 10/9 に MOps リードが関係チームに声をかけると、18人日は MOps の中の作業だけ の数字で、実際には次のチームと会社にまたがると分かった。

チーム/会社やること空き始める日O / M / P(営業日)出所
MOps(あなた+2名)C1 請求方法の選択・確認画面・注文データ10/133 / 5 / 8導出
MOpsC2 部署別の内訳 CSVC1 の後2 / 3 / 6導出
会員基盤(リード 西村)A1 法人アカウントの部署マスタ11/2(11/1 の会員ランク切り替え後)4 / 6 / 11西村さんの見積もり
MOpsA2 注文画面で部署を選ぶA1 の後2 / 3 / 5導出
請求書払い代行 Q社(架空)B0 月締めモードの検証環境約束 10/30遅れ 0 / 2 / 10過去3回の遅れ 0・4・9 から仮定
決済(リード 山口)B1 月締めモードとの連携環境が来てから4 / 6 / 10山口さんの見積もり
MOps+決済+経理(主任 森)E 結合テスト(試し照合を含む)A2・B1・C2 が全部終わってから3 / 4 / 7導出
📅
動かせない日付: 11/19(木)が年末商戦の変更凍結(11/20〜1/6)前の最後のリリース日。1月注文分から月締めにするには、それまでに本番に入れて機能フラグで止めておく。11/3(火)は祝日。凍結明けの最短は 1/14 リリース・2/1 注文分から。
💬
MOps リード(10/9 Slack): 「最頻値で並べてみた。会員基盤が 11/2 から6日、こっちが3日、結合テスト4日で ちょうど 11/19。Q社は 10/30 に来れば1日余る。ぎりぎりだけど間に合う計画です」
誰言い分
大野部長(法人営業)「40社には案内済み。今さら2月と言ったら信用を失う」
西村さん(会員基盤)「部署マスタは他でも使うのでちゃんと作りたい。ただ 11/1 より前は1人も出せない」
山口さん(決済)「Q社は過去3回のうち2回、環境の提供が遅れた。環境が来ないと何も始められない」
森さん(経理)「部署名がばらばらの CSV なら、今の手作業と変わらない」

PdM 鈴木さん: 「10/14 の4チーム合同の計画会で、この計画で本当に 11/19 に間に合うのか、間に合わないなら何を外すか日付を動かすか を決めたい。誰かの見積もりを責めるのではなく、チームをまたいだ計画として組み直してほしい」

✏️ 課題

10/14 の合同計画会に出す、チーム横断の計画の組み直し資料一式を作ってください。

1
依存ボード: チーム×週に作業を置き、依存を矢印で結ぶ。合流点に印
2
合流点の確率: 流れごとと全部の、11/19 に間に合う確率
3
依存を外す案の比較表(4案以上): 確率・失うもの(望む成果)・追加工数
4
共有リスク登録簿: 持ち主は1人の名前、ROAM で状態。課題は分ける
5
依存の約束カード: 何を・誰から誰へ・いつまで・どの状態・遅れたら誰が知らせる・代わり
6
撤退ラインの日付: いつ何が来ていなければ2月に切り替えるか
7
1ページの計画変更メモ: 推奨・確率・撤退ライン・反対意見・採らなかった案

💡 取り組む前のヒント

ヒント1: 「M で並べると間に合う」は何を仮定しているか
すべての作業が最頻値で終わる、という仮定。右に長い分布では、M は中央値より左にある。
ヒント2: 合流点の掛け算
結合テストは3つの流れがそろうまで始まらない。それぞれ 60% なら、全部そろうのは? 一番危ない流れだけ直すと、次はどの流れが上限になるか。
ヒント3: 依存の外し方は2種類
作業ごと外す(部署マスタを使わない=SPIDR の R)と、待ちを細くする(確定した仕様書でモックを作り、本物では結合だけ)。
ヒント4: 外すと何を失うか
昨日の望む成果 O2(照合時間)・O5(拠点別の使用額)。そして「Q社を外す」なら、請求書払い代行が持っていた与信と未回収の保証を誰が持つか。
ヒント5: 1か月遅れの損を桁で出す
損が分からないと「何でもする」か「無理せず2月」のどちらにも転ぶ。損の大きさが、払ってよい追加工数と、買ってはいけない危険(凍結の例外)の線を決める。
ヒント6: 撤退ライン
「遅れたら考える」ではなく、日付・見るもの・切り替え先・知らせる相手。知らせ直す側の段取りの日数も逆算する。

📚 背景知識・用語解説

合流点の偏り(merge bias)

複数の流れが1つの作業に合流するとき、合流後の作業が予定どおり始まる確率は、各流れが間に合う確率の掛け算(独立なら)。2本が 50% なら 25%、3本なら 12.5%。最頻値や平均を足す線表は、この掛け算を無視する。

一次資料: GAO Schedule Assessment Guide(GAO-16-89G)"Merge Bias and Schedule Underestimation"(本文は 403、検索結果の抜粋で「60%×60%=36%」の例を確認)。Tensix "Schedule Risk and Path Convergence" を WebFetch で確認("…the probability of an on time merge event is multiplicative or 25%.")。いずれも参照日 2026-10-11。Hulett Practical Schedule Risk Analysis(2009)は書籍・未照合。

依存を外す・細くする

  • 外す: 依存先の成果物を使わない形に要求を割る(Day049 SPIDR の R)。例: 部署マスタから選ぶ → 部署名を入力し、その会社で過去に入った名前を候補に出す
  • 細くする: 依存の中身を減らす。例: 確定版の API 仕様書でモックを作って先に進め、本物の環境では結合と確認だけにする

ROAM

SAFe の計画会で、チームをまたぐリスクを Resolved(解消済み)/Owned(持ち主が決まった)/Accepted(受け入れる)/Mitigated(軽減策あり)に仕分ける方法。Owned は「名前のある1人」が持つ。

SAFe PI Planning ページ(WebFetch、公開部分は "ART planning board that reflects feature delivery dates and dependencies" まで。ROAM の定義は会員向け本文で未取得)。定義は解説記事の要約で、一次の原文は未照合。参照日 2026-10-11。

請求書払い代行(BtoB 後払い)

買い手企業の与信審査・請求書発行・入金管理を代行し、未入金を保証するサービス。NP掛け払いの公式ページで「未入金は100%保証」「与信調査から請求、代金回収までをすべて代行」の記載を確認(WebFetch、参照日 2026-10-11)。演習の Q社は架空で、この性質だけを借りている。「Q社を外す」は、未回収リスクの転嫁を手放すこと。

この週の道具とのつながり

回今日どこで使うか
PM-計画 Day047(三点見積もり)各チームの O/M/P から合流点の確率。Day047 は1チーム内、今日はチーム間
PM-リスク Day048(登録簿の週次更新)共有リスク登録簿。起きていること(40社への案内)は課題へ
PdM-要求 Day049(SPIDR)部署マスタへの依存を R(規則を緩める)で外す
PdM-優先順位 Day050(ずれの仕分け)「間に合う」と「何も始められない」のずれは、ものさし(M か確率か)のずれ
PM-推進 Day051(CFD・経過日数)約束の状態と合流点の確率を毎週出し直す
PdM-リサーチ Day052(JTBD)依存を外すと弱くなる望む成果(O2・O5)を書く

✅ 模範解答 — 1. 依存ボード(10/13〜11/19、営業日27日)

棒は最頻値(M)の長さ。◆ が合流点(結合テスト E)。赤い線が凍結前の最後の日の終わり。

10/1310/2010/2611/211/911/16 MOps会員基盤Q社(外部)決済経理 C1 請求方法 5 C2 CSV 3 会員ランク切り替え(11/1 まで) A1 部署マスタ 6 A2 部署 3 環境 10/30 遅れ2 B1 月締め連携 6 列の合意 ◆ E 結合 4 試し照合 11/19 凍結前

依存: B0 → B1 → E、A1 → A2 → E、C1 → C2 → E。合流点は E(3本)。A1 の開始は会員ランク制度の切り替え(11/1)にも依存している。部署マスタの流れは M で並べて余裕0日、Q社の流れは1日。

🎲 2. 合流点の確率(β-PERT・乱数4万回・種 20261011)

流れM で並べた終わり(E 込み)余裕11/19 に間に合う確率
A 部署マスタ(11/2 → A1 6 → A2 3 → E 4)11/19 ちょうど0日27.9%
B Q社(10/30 → 遅れ2 → B1 6 → E 4)11/181日41.3%
C MOps 内(C1 5 → C2 3 → E 4)10/28 ごろ15日以上100%
全部(合流点 E が 11/19 に終わる)——13.5%
単純な掛け算 27.9% × 41.3% ≒ 11.5% (乱数の 13.5% と違うのは、E を両方の流れで共有しているため) 合流点の終わり 中央値 28.7 営業日目 / 85パーセンタイル 30.6 日目 (期限 = 27 日目の終わり) 期待値は M より右 A1: M 6 → 期待値 6.5 / Q社の遅れ: M 2 → 期待値 3.0
🧭
読み方: リードの線表は間違っていない。M どうしを足すと期限ちょうどなのは事実。違うのは「全部が M で終わる」確率がとても低いこと。リードの「間に合う」と山口さんの「始められない」のずれは、見解ではなくものさし(最頻値か確率か)のずれ(Day050)。

⚖️ 3. 依存を外す案の比較表

案中身間に合う確率追加工数失うもの(JTBD)判断
0 何もしない今の線表のまま13.5%0—不採用
1 部署マスタを外す部署名を入力し、その会社で過去に入った名前を候補に出す(MOps 内で完結)。部署マスタは2月に会員基盤が作り、変換表で移す41.3%MOps +3日、2月の移行 2人日O5・O2 が表記ゆれ分だけ弱くなる単独では足りない
2 Q社待ちを細くする10/16 までに確定版 API 仕様書をもらい、決済が 10/26 からモックで先行(B1a 4日)。本物では結合と確認だけ(B1b 2日)27.0%決済 +2日なし単独では足りない
3 = 1+2両方94.9%約5人日(≒25万円)案1の表記ゆれのみ推奨
4 日付を動かす1/14 リリース・2/1 注文分からほぼ確実(試算せず)01か月遅れの損 約62万円(仮定)+40社への案内のやり直し撤退ラインを越えたら
5 Q社を外す自社で月合算し、月末に1社1件で既存 API に登録試算せず自社の与信・入金管理(見積もり無し)注文ごとの与信と未回収の保証を手放す(売上 月約5,180万円、貸し倒れ0.5%仮定で月約26万円)不採用
🔑
一番大事な観察: 案1だけ・案2だけでは 27〜41% にしか上がらない。合流点では、危ない流れを1本残すとその流れが上限になる。2本とも細くして初めて 95%。

1か月遅れの損(全部仮定。桁を見るため)

請求の問い合わせ 月310件 × 半減 × 600円 ≒ 9.3万円/月 828社 × 月の退会1.5% × 「経理が面倒」23% × 半分防ぐ ≒ 1.4社/月 × 粗利 1.56万円/月(3.4回 × 18,400円 × 25%) × 24か月 ≒ 52.5万円 合計 ≒ 62万円(+40社への案内のやり直し。金額にしない)

案3の費用(約25万円)よりは大きいが、凍結の例外申請や休日出勤の危険を買うほどではない。だから「案3で間に合わせにいき、撤退ラインで2月に切り替える」が釣り合う。

🧮 試算してみる(ブラウザ内で乱数2万回)

案の組み合わせと前提を変えて、合流点の確率がどう動くか確かめる。種を固定しているので、同じ設定なら同じ結果になる(本文の4万回とは小数点以下で少しずれる)。


🛡️ 4. 共有リスク登録簿(チームをまたぐ行だけ・尺度は Day048 の5×5)

IDリスク(もし〜なら〜)持ち主(1人)P×IROAM手と期限
X1Q社の確定版 API 仕様書が 10/16 に出なければ、モック先行(案2)が成り立たない山口(決済)3×4=12Owned10/13 に依頼。10/16 17:00 に無ければ合同 Slack で報告し確率を出し直す
X2Q社の検証環境が遅れれば、B1b と結合テストが押される山口(決済)3×4=12Mitigatedモックで先行。11/10(火)10:00 に使えなければ2月へ
X3モックと本物の振る舞いが違えば、B1b が延びる山口(決済)3×3=9Owned環境が来たら半日で主要3パターン(登録・取消・月締め確定)を確認
X4部署名の表記ゆれで CSV が割れれば、経理の照合が楽にならない(O2・O5)あなた(MOps)3×3=9Mitigated候補表示。試し照合で割れが10%超なら部署マスタ移行を前倒し依頼
X5会員ランクの切り替えが遅れれば、2月の部署マスタ枠も押される西村(会員基盤)2×2=4Accepted自由入力のままでも月締めは動く。2月以降に再見積もり
X6凍結明けまで本物の月締めが走らず、2/1 の初回請求で初めて不具合が出るあなた(MOps)3×4=12Mitigated1/5 に12月分で試し集計(読み取りだけ、請求書は出さない)
X7Q社が月締めに追加手数料を求めれば費用が上がる山口(決済)—Resolved10/9 に契約確認、追加手数料なし(設定)

課題(もう起きていること)

ID課題持ち主対応
I1大野部長が40社に「1月注文分から」と案内済み大野(法人営業)2月になった場合の案内文を 11/6 までに用意(約束⑤)

ROAM 仕分けクイズ

表を見る前に自分で仕分ける。ボタンを押すと答えと理由が出る。

🤝 5. 依存の約束カード

🚪 6. 撤退ラインと、毎週の見せ方

案3で Q社の検証環境が使えるようになる日だけを変えた試算:

📍
撤退ライン: 11/10(火)10:00 に Q社の検証環境が使えなければ、2/1 注文分からに切り替える。11/10 を越えると確率が急に落ちる。大野部長が40社に知らせ直すのは 11/13 送付とし、そこから逆算した。結果は 11/10 17:00 に大野部長へ。

毎週の合同 Slack に貼る1枚

約束期限状態ひとこと
① 仕様書10/16守られた/危ない/破れた
② 検証環境10/30(撤退 11/10)
③ 受け口10/27
④ 列の合意10/20
⑥ 2月の枠11/6
合流点 E が 11/19 に終わる確率毎週月曜94.9% → ?終わった作業は実績に置き換える

確率を毎週出し直すのは、作業が終わるたびに分布が実績に変わり、確率がはっきり動くから。「順調です」の代わりに数字の動きで報告できる(Day051 の「時間のバーンダウンは順調に見えた」を避ける)。

📝 7. 計画変更メモ(10/14 合同計画会用・1ページ)

法人の月締め一括請求 — 1月注文分からに間に合わせるための計画の組み直し

決めること
① 部署マスタへの依存を外すか ② Q社の仕様書でモック先行するか ③ 撤退ラインの日付
Approver
EC事業本部長(Contributors: 西村・山口・森・大野・鈴木・あなた)
今のままだと
11/19 に間に合う確率 約14%(7回に1回)。M を足すと期限ちょうどだが、3つの流れが結合テストで合流するため掛け算で小さくなる
推奨
案3(部署マスタを外す+モック先行)で1月注文分からを目指す。11/10(火)10:00 に Q社の検証環境が使えなければ2月注文分からに切り替える
理由
① 確率 約95%(環境が 11/10 朝までに使えれば94%以上) ② 追加 約5人日(≒25万円)< 1か月遅れの損 約62万円(仮定) ③ 失うのは表記ゆれ分だけ。候補表示で抑え、2月に部署マスタへ移す
やらないこと
凍結の例外申請・休日出勤・結合テストの短縮
誰反対意見受け止め方
西村「部署マスタはちゃんと作りたい」作る。時期が2月になるだけ。入力済みの部署名を移す変換表を MOps が用意
森「部署名がばらばらなら手作業と同じ」正しい懸念。試し照合で割れを数え、10%超なら部署マスタを前倒し(X4)
大野「2月と言えば信用を失う」1月を目指す計画にした。それでも5%は外れるので、2月の案内文を先に用意(約束⑤)

🗂️ 採らなかった案

案判断理由判断が変わる条件
案1だけ不採用Q社の流れが残り 41% が上限Q社の環境が既に来ている
案2だけ不採用部署マスタの流れが残り 27% が上限会員基盤が 10/26 から着手できる
案5 自社で月合算不採用未回収の保証と与信を手放す(月約26万円・仮定+与信業務)Q社との契約終了・手数料の大幅上昇
会員ランクの切り替えを遅らせてもらう不採用11/1 は会員へ告知済み(Day042)。別の約束を破って作る—
凍結の例外申請(11/26)不採用年末商戦中の本番変更。約62万円の遅れの損では割に合わない上位40社の契約更新が1月で、取引停止が見えているとき
最初から2月(案4)次点確実だが、95%で取れる1か月を捨てる仕様書(約束①)が 10/16 に来なかったとき

🧠 なぜこう作るのか

  1. 確率を出してから案を比べた。「ぎりぎり間に合う」と「無理」の言い合いは違うものさしの話。同じものさしにそろえると「何を外すか」の話に移る
  2. 流れを1本ずつ外したときの確率も書いた。見せないと会議は「一番危ない Q社だけ対策」で終わる
  3. 失うものを昨日の望む成果の言葉で書いた。依存を外すのは要求を削ること。経理の「部署で集計」が弱くなると明記し、測る基準(割れ10%)を置いた
  4. 外すと消える価値(案5)を金額で示した。請求書払い代行の価値は与信と未回収の保証。「相手が持っていたものを誰が持つか」を問う
  5. 1か月遅れの損を桁で出した。25万円の追加は払うが、本番の危険は買わない、と線が引ける
  6. 撤退ラインを、確率が急に落ちる日と知らせ直す段取りから決めた。
  7. 持ち主を1人の名前にし、リスクと課題を分けた。
🔀
別の判断もありうる: 40社の信用が金額以上に重い会社なら、95%をさらに上げる手を足す判断もある。逆に経理の懸念が強く、表記ゆれが大きく出そうなら、最初から案4(2月・部署マスタあり)の方が JTBD 上は正しい。どちらでも「確率・失うもの・撤退の日付」が書かれた状態で Approver が決められることが、この資料の役目。

⚠️ よくある失敗パターン

失敗パターンなぜ問題か改善策
M を足した線表で「間に合う」と言う全部が山で終わる確率は低い流れごと・合流点ごとに確率で言う
一番危ない流れだけ対策する2番目に危ない流れが新しい上限になる1本ずつ外したときの確率を並べる
1チームの見積もり(18人日)を案の工数として出す他チームと外部の待ちが抜け、合流点が見えない案を出す時点で依存の地図を1枚つける
依存先に「急いで」と頼むだけ相手にも別の約束がある。分布は変わらない外す・細くするでこちらの形を変える
依存を外して失うものを書かない経理の「部署で集計」が黙って消える弱くなる望む成果と測る基準を書く
リスクの持ち主が「各チーム」会議の後、誰も動かない1行1人、ROAM で状態
撤退ラインを決めず「様子を見る」決める日には知らせ直す時間が無い日付・見るもの・切り替え先・知らせる相手
凍結の例外・休日出勤を当然とする遅れの損より大きな危険を買う遅れの損を桁で出し、見合う手だけ使う

🏢 実務での使いどころ

チームが増えると、計画が崩れる原因は誰かの見積もりの甘さより合流点の方が多い。複数チームの機能を1つのリリースにまとめるとき、外部ベンダーの環境や API を待つとき、部長会で通った「○人日」の案が着手時に他チームを巻き込むと分かったときに使える。

  • 他チームのリード: 「急いで」ではなく、約束の形・期限・遅れたときの代わりで頼む
  • 営業・事業側: 「間に合います」ではなく「95%、だめなら 11/10 に分かる」。撤退時の案内文を先に用意してもらう
  • 経理など利用部門: 依存を外して何が弱くなるかを先に伝え、試しで測る場を約束する
  • エンジニア: モック先行は確定した仕様書が前提。仕様書の約束を最初に取る
依存ボード: チーム(行)× 週(列)に作業。依存の矢印。合流点に ◆
合流点の確率: 流れ | M で並べた終わり | 余裕 | 期限に間に合う確率 / 全部(合流点)の確率
依存を外す案: 案 | 中身 | 間に合う確率 | 追加工数 | 失うもの(望む成果) | 判断
共有リスク登録簿: ID | もし〜なら〜 | 持ち主(1人) | P×I | ROAM | 手と期限  + 課題は別表
依存の約束カード: 何を | 誰から→誰へ | いつまでに | どんな状態で | 遅れたら誰がいつ知らせる | 代わり
撤退ライン: 日時 | そのとき見るもの | 切り替え先 | 知らせる相手と期限(逆算の根拠)

➡️ 次のステップ

  • 10/30 に環境が来ず、11/4 に「11/10 には出せる」と連絡が来たと仮定して確率を出し直し、合同 Slack の1枚を書く(上の試算ツールの「遅れを固定」で)
  • 会員基盤が 10/26 から着手できるなら、案2だけで何%になるか(試算ツールで)
  • 自分への問い: 大野部長に「95%って大丈夫ってことですね?」と聞かれたら、20回に1回外れることと、そのときの段取りを30秒で言えるか
  • 次の統合(10/18)への接続: 2/1 の初回の月締め請求の後、「請求の問い合わせ半減」と「月締め切替率」をどう見るか

🚧 扱わなかった範囲(この演習の限界)

  • O/M/P と Q社の遅れの分布は仮定(過去3回では右の裾は分からない)。確率は案の順番と撤退ラインがどこで急に変わるかを見るためのもので、95%を約束に使わない
  • 流れは独立として引いた(E だけ共有)。同じ人・同じ原因で全部が遅れる相関があると、確率はもっと下がる
  • モックと本物の仕様差は B1b の幅(1〜4日)でしか見ていない
  • MOps の C の流れは邪魔なく進むとした。年末商戦の他案件との人の取り合い(Day022)は扱っていない
  • 1か月遅れの損の退会率・防げる割合・粗利率・期間はすべて仮定。40社の信用は金額にしていない
  • インボイス制度での月締め請求書の様式、Q社との契約変更の法務確認は扱っていない
  • 一次資料: WebFetch で確認したのは Tensix(merge bias)、SAFe PI Planning の公開部分、NP掛け払い公式(参照日 2026-10-11)。GAO は 403 で検索結果の抜粋のみ、ROAM は解説記事の要約、Hulett(2009)は未照合
  • 数値は演習シナリオ上の設定値。確率は Python 標準ライブラリの乱数(種 20261011、4万回)で出した

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