Day 055 — PM-リスク: リスク登録簿(3回目)— 終わった案件の登録簿を締めて、次の案件のチェックリストに変える

2026-10-13 (Tue) 🟢 Junior PM-リスク(リスク・課題管理) 成果物: 結果の照合表+較正表+見落としの分類(RBS)+次案件用チェックリスト+申し送り

🎬 シナリオ

MOps チームは 9/10 に「ライブ販売」(配信を見ながら紹介商品をその場で買える機能。配信は外部 SaaS の V 社・架空)をリリースし、9/19・9/26・10/3(土曜 20:00)の 3 回の配信を終えた。案件は 10/9 に閉じた。今日は 10/13(火)、明日が振り返り会。

項目値出所
キックオフ/リリース/配信7/27 / 9/10 / 9/19・9/26・10/3設定
体制リード長谷川、PdM 大西、バックエンド あなた・前田、フロント小川、QA 秋山設定
同時視聴のピーク2,100/1,450/1,180 人(想定 5,000 人)実測(V 社管理画面という設定)
登録簿・課題管理表14 行(R01〜R14)・8 件(I-01〜I-08)実測(チームの記録という設定)
次の案件①年末ライブ 12/12(同じチーム、キックオフ 10/26)②アプリ班(平野)「ショート動画に商品タグ」キックオフ 10/19設定
🗣️
リード長谷川「明日の振り返りで登録簿を締めたい。過去の『定期便スキップ』『レビュー写真投稿』の登録簿も、終わったらフォルダにしまって誰も読んでいない。今回は次の案件で実際に使われる形にして。平野さんが『10/16 までに何か使えるものがほしい』と言っている」

📋 締める前の登録簿(最終更新 9/5 時点の点数)

P は 1〜5(10% 未満/10〜30%/30〜50%/50〜70%/70% 超)。I は日程・金額・CS 件数・法令の最大。

ID出どころリスク(原因→事象→影響)PI想定した影響
R01外部V 社 SDK を入れたアプリ版が審査で差し戻され、リリースが遅れる332〜5 日
R02法令・表示配信中の「ライブ限定価格」と商品ページの価格がずれる23問い合わせ 30〜99 件
R03技術同時視聴 5,000 人で V 社の配信が止まる25配信中止
R04技術限定クーポンの在庫引き当てが同時購入で超過する34超過販売・補填
R05外部社外の出演者が当日キャンセルする24配信中止
R06運用コメント欄の荒らし・誹謗中傷に対応できない33炎上
R07法令・契約V 社との契約(視聴データの扱い)の法務審査が遅れる433〜5 日
R08運用録画アーカイブの商品リンクが販売終了後に切れる22問い合わせ
R09社内カメラ・照明機材の手配が間に合わない23画質
R10技術アプリ版と Web 版でカート連携の挙動が違う33一部購入不可
R11技術視聴→購入を紐づける計測が入らず効果を測れない33判断が遅れる
R12社内QA 秋山さんの兼務でテストが足りない332〜5 日
R13技術配信直後の決済集中で決済代行のレート制限にかかる24購入不可
R14技術会議室の回線の上り帯域が足りず画質が落ちる32画質

📰 実際に起きたこと

課題管理表

ID日付起きたこと登録簿の行
I-018/7法務審査が 5 営業日遅れ(視聴データの第三者提供の条項)R07
I-029/8アプリ版が審査で 1 回差し戻し(2 日遅れ、Web 版は予定どおり)R01
I-039/19第 1 回、会議室の上りが 8Mbps で 12 分間 720p に低下R14
I-049/25「ライブ限定価格」にマーケ・商品部の 2 部門承認が要ると前日に判明。第 2 回で 2 商品を通常価格で紹介登録簿外
I-059/20〜CS に「ライブで見た商品はどれ?」3 週で 68 件。CS に手順なし登録簿外
I-069/26出演者が「どこよりも最安値」と発言。法務が「根拠の無い No.1 表示」と指摘、アーカイブの該当部分を削除登録簿外
I-079/28社外出演者のアーカイブ公開期間が出演契約に無いと判明登録簿外
I-0810/3情シスの定期保守(毎月第 1 土曜 20:00〜)と重なり配信開始が 9 分遅れ登録簿外

配信記録

  • 9/19 第 1 回: 限定価格の反映が 4 分遅れ、問い合わせ 38 件(R02)。アーカイブで紹介 12 商品中 5 商品が在庫切れでリンク先が表示されない(R08)
  • 9/26 第 2 回: 不適切コメント 14 件、削除まで平均 6 分(R06)
  • 計測: アプリ内ブラウザで Cookie が引き継がれず、アプリ経由の購入の約 40% が視聴と紐づかない(R11)
  • 9/8 の負荷試験で R04 は 3 倍の同時購入でも超過なし(点数は 9/5 のまま更新されていない)
  • 出演者キャンセル・機材・カート差・QA 不足・決済の制限は起きなかった
  • 同時視聴は最大 2,100 人で、5,000 人に一度も近づかなかった(R03)

🗄️ 過去 2 案件の登録簿(締めたときに数えた、という設定)

P の段定期便スキップ(3 月)レビュー写真投稿(6 月)
1(10% 未満)2 行中 0 件1 行中 1 件
2(10〜30%)4 行中 1 件3 行中 1 件
3(30〜50%)3 行中 2 件4 行中 2 件
4(50〜70%)2 行中 1 件2 行中 2 件
5(70% 超)—1 行中 1 件

📝 課題

あなたのタスク: 10/14 の振り返りに出す次の 5 点を作ってください。

  1. 結果の照合表: R01〜R14 を「起きた/起きなかった/試されなかった」に分け、起きた行は想定と実際の影響を並べる。登録簿外の課題(I-04〜I-08)も並べる
  2. 確率の当たり具合(較正表): P の段ごとに付けた確率と実際に起きた割合を比べる。今回の 13 行と、過去 2 案件を合わせた場合。何が言えて何が言えないか
  3. 見落としの分類: 登録した行と登録簿外の課題を出どころ(技術/外部/社内/法令・契約・表示/運用・CS)で数える
  4. 次の案件用チェックリスト(10/16 に平野さんへ): 15 項目以内。案件固有の細部を写さない。出典といつ確認するか
  5. 申し送り: 年末ライブ(12/12)に持ち越す行と課題

🔍 ヒント(段階的開示)

ヒント1: 条件は来たか
R03 を「起きなかった」と数えてよいか。5,000 人の条件は一度でも来たか。
ヒント2: 下げ忘れた行
R04 は 9/8 に効果を確かめたのに点数が 9/5 のまま。当たり外れを測るとき、この行はどう見えるか。
ヒント3: 13 行で言えること
「P3 は 7 行中 4 件」だけで「うちの P3 は 57%」と言ってよいか。95% の幅を出してみる。
ヒント4: 誰が書いたか
登録簿外の 5 件は、どの部署の人なら思いついたか。キックオフの洗い出しに誰がいたか。
ヒント5: 言い換え
「10/3 の情シス保守」をそのまま載せると 12/12 の案件で役に立つか。何を確かめる問いに言い換えるか。

📚 背景知識・用語解説

🔁
登録簿を締める=3 つの問いに答える: ①何が起き、何が起きなかったか(照合)②付けた確率は当たっていたか(較正)③何を見落とし、それはどこから来たか(見落としの分類)。締めずにしまうと、次の案件でも同じ人が同じ偏りで P を付ける。
🧪
「試されなかった」を分ける: R03 は 5,000 人が来たら止まるかもしれないという行。2,100 人しか来なかったので、起きなかったのではなく試されなかった。「起きなかった」に入れると当たり具合が良く見え、次で「前回大丈夫だった」と誤って下げる。

較正とブライアスコア

「30〜50% と付けた行」のうち 3〜5 割が実際に起きていれば較正が取れている。ブライアスコア(Brier 1950, Monthly Weather Review 78(1):1–3、Crossref で書誌確認・参照日 2026-10-13)は確率予報の良さを 1 つの数にする。

ブライアスコア = 各行の (付けた確率 − 結果[起きた=1/起きない=0])² の平均 0 が完璧。全部「50%」と言うと 0.25 段の代表値: P1=5% P2=20% P3=40% P4=60% P5=85%(帯の中央。演習上の決め方)
📏
行数が少ない: 13 行・35 行では段ごとの割合に大きな幅がつく。言えるのは「どちらにずれているか」までで、「P3 を 57% に直せ」までは言えない。

RBS(Risk Breakdown Structure)

リスクを出どころ別に階層で分ける表。Hillson が 2002 年の PMI 年次大会で提案(PMI Library, 2002-10-03、書誌は検索結果で確認・本文は未照合)、PMBOK 第 3 版(2004)に採用。用途に「洗い出しの抜け確認」「案件どうしの比較」「教訓の蓄積」が挙がる(Hillson 2003, J. Facilities Management 2(1)、要旨のみ)。今回の分類は 5 つ: A 技術 B 外部 C 社内 D 法令・契約・表示 E 運用・CS

チェックリスト(プロンプトリスト)

次の案件の洗い出しで「この方向も考えたか」と問う一覧(PMBOK 第 6 版 Identify Risks のプロンプトリスト、記憶・未照合)。過去の行を写した「過去リスク集」とは違い、問いの形で、案件が変わっても使える粒度に言い換える。

🧩 仕分けクイズ

前半は照合(結果の分類)、後半はチェックリストへの載せ方。

✅ 模範解答

1. 結果の照合表

IDP結果想定 → 実際メモ
R013起きた2〜5 日 → アプリ版のみ 2 日影響は下限
R022起きた30〜99 件 → 38 件・ずれ 4 分影響どおり、確率は低すぎ
R032試されなかった条件(5,000 人)が来ず計算から外し、年末ライブへ持ち越し
R043起きなかった—9/8 に効果確認済み。点数の更新漏れ
R052起きなかった—
R063起きた炎上 → 14 件・削除平均 6 分影響は想定より小
R074起きた3〜5 日 → 5 営業日確率・影響とも当たり
R082起きた問い合わせ → 12 商品中 5 のリンク切れ確率は低すぎ
R092起きなかった—
R103起きなかった—結合テストで差を 3 件つぶした
R113起きた判断が遅れる → アプリ経由の約 40% が紐づかない影響は想定より大
R123起きなかった—
R132起きなかった—ピークが小さく境界例(今回は「起きなかった」に入れた)
R143起きた画質 → 12 分間 720p
登録簿外出どころ起きたこと書いていれば
I-04社内限定価格に 2 部門承認防げた(キックオフで承認経路を聞く)
I-05運用・CS商品はどれ? 68 件防げた(CS 課長に事前説明)
I-06法令・表示「最安値」発言軽減できた(言ってはいけない表現リスト)
I-07法令・契約公開期間が契約に無い防げた(契約ひな形に項目)
I-08社内情シス保守と重なり 9 分遅れ防げた(保守予定を確認)

2. 確率の当たり具合(較正表)

P の段付けた確率今回 行数今回 起きた今回 割合3 案件 行数3 案件 起きた3 案件 割合95% の幅(Wilson)
15%0——3133%6〜79%
220%5240%12433%14〜61%
340%7457%14857%33〜79%
460%11100%5480%38〜96%
585%0——11100%21〜100%
合計期待4.4 件754%期待 12.01851%
ブライアスコア(今回の 13 行) 0.268 全部「50%」と言った場合 0.250 全部「54%(実際の発生率)」 0.249 起きた行の P 平均 37% / 起きなかった行の P 平均 30% 案件ごとの期待→実際: 定期便 3.3→4 / レビュー写真 4.3→7 / ライブ 4.4→7
📉
読み方: 3 案件とも実際が期待を上回った=低めに付ける癖は一貫。今回のスコアは「全部 50%」より悪く、起きた行と起きなかった行の P の差は 7 ポイントだけ。P はどれが起きるかの見分けにほとんど役立っていなかった。
言える言えない
3 案件続けて P を低めに付けている(方向は一貫)「P2 は 33%、P3 は 57% に直せ」(P2 の幅は 14〜61%)
段が上がると起きた割合も上がる(順序はおおむね合う)個々の行の P が当たっていたか
R04 のような下げ忘れも、低めの印象を薄めている案件の性質の違い(ライブは初物、定期便は既存の延長)の影響

直し方: P を一律に上げない。P を付けるとき「同じ出どころの行が過去何件中何件起きたか」を横に書く。数字を見てから付ければ低めの癖は自然に修正され、データが増えるほど精度が上がる。係数で補正するのは行数が 3 倍になってから。

🧮 較正の試算ツール(結果の分類を変えるとどうなるか)

各行の P と結果を変えると、段ごとの割合・ブライアスコア・較正図が変わる。R03 を「起きなかった」にすると当たり具合がどう見えるか、R04 を効果確認後の P1 に直すとどうなるか、を試せる。

IDリスクP結果

3. 見落としの分類(RBS)

出どころ登録した行うち起きた登録簿外で起きた起きた合計
A 技術6(R03・R04・R10・R11・R13・R14)202
B 外部2(R01・R05)101
C 社内2(R09・R12)02(I-04・I-08)2
D 法令・契約・表示2(R02・R07)22(I-06・I-07)4
E 運用・CS2(R06・R08)21(I-05)3
合計147512
🔎
登録の 43%(6/14)が技術なのに、起きた 12 件のうち技術は 2 件。起きたことの 75%(9/12)は C・D・E から来て、そこには 6 行しか書いていない。原因は注意不足ではなく人選: キックオフの洗い出しはエンジニア 4 人と PdM だけで、法務・CS・マーケ・情シスを呼んでいなかった。

4. 次の案件用チェックリスト(ライブ・動画・販促系、v1 2026-10-14)

#出どころ問いいつ確認誰に聞く出典
1社内価格・クーポン・表示の変更に承認が要る部門はどこか。何日前までに出すかキックオフマーケ・商品部I-04
2社内リリース日・本番日に、社内の設備保守・ネットワーク作業・他チームのリリースが重ならないか日程を決めた日情シス・リリース管理I-08
3社内本番を支える社内リソース(会議室・回線・機材・人)を本番と同じ条件で一度試したか本番 2 週間前総務・情シスR14・R09
4表示画面・配信・メールに出る価格や「最安」「No.1」などの表示を、誰が事前に確認するか台本・文言の確定前法務R02・I-06
5契約社外の人・会社との契約に、データの扱い・公開期間・二次利用が書かれているかキックオフ+1 週法務R07・I-07
6契約法務審査に何営業日かかるか。審査待ちの間に進められる作業はどれかキックオフ法務R07
7CS増える問い合わせの種類と件数の見込みを CS に伝え、回答手順を渡したかリリース 2 週間前CS 課長I-05
8運用利用者が書き込める場所の監視は、誰が・何分以内に・どう消すかリリース 2 週間前CS・マーケR06
9運用販売終了・在庫切れのあとに残る導線(録画・メール・SNS)の行き先は設計時PdMR08
10技術効果を測る計測は、アプリ内ブラウザ・別ドメイン・ログアウト状態でも紐づくか設計時に試験項目へエンジニアR11
11技術ピーク負荷の想定はどこから来たか。来なかったら「試されていない」と記録したか負荷試験の計画時エンジニアR03・R13
12外部外部 SDK・ストア審査など、自分たちで日程を決められない工程はどれか。片方だけ先に出せるか計画時エンジニアR01
13全体洗い出しに法務・CS・マーケ・情シスのうち誰を呼んでいないかキックオフの招待時リードRBS の偏り
14全体P を付けるとき、過去の同じ出どころの行が何件中何件起きたかを横に書いたか洗い出しの会リード較正表
載せなかった候補理由
「10/3 の情シス保守に注意」日付つきの一回限り → #2 に言い換え
「V 社 SDK の審査」V 社を使わない案件では無意味 → #12 に言い換え
R04 クーポン在庫の超過負荷試験の手順が既にチームの標準。テスト計画の守備範囲
R05 出演者キャンセル・R09 機材起きておらずライブ固有。年末ライブの登録簿への引き継ぎで足りる
「カメラは 4K 対応に」問いではなく対策の指示

運用ルール: 案件を締めるたびに見直す。3 案件続けて「該当なし」の項目は外す候補。15 を超えたら統合。版と日付を残す。

5. 申し送り(年末ライブ 12/12 へ)

年末ライブへの申し送り(10/14 振り返り)

種類内容持ち越す理由・次の行動オーナー
リスクR03 同時視聴 5,000 人で配信が止まる試されていない。年末は告知を増やしピークが上がる見込み。V 社の上限を書面確認、11 月に V 社と 5,000 人の負荷試験あなた
リスクR11 アプリ経由の 40% が紐づかない対策(アプリ側で視聴 ID を渡す)未実装。続ける/やめる判断に直結前田
課題I-07 アーカイブ公開期間が出演契約に無い12 月の出演契約から条項追加。法務に 10/30 までにひな形改訂を依頼大西
課題I-05 CS 手順配信ごとの「紹介商品一覧ページ」(2 人日)。CS 坂本課長と 11/13 確認小川
前提情シス定期保守は毎月第 1 土曜 20:00〜12/12 は第 2 土曜で重ならない長谷川

🧭 なぜこう作るのか

1
「試されなかった」を別にした。 R03 を「起きなかった」に入れると、5,000 人が来うる年末ライブで「前回大丈夫だった」と下げてしまう。申し送りの 1 行目はこの行。
2
段ごとの割合とブライアスコアの両方を出した。 表は「どちらにずれたか」、スコアは「見分けに役立ったか」。今回「全部 50%」より悪いことは表だけでは見えない。
3
直し方を係数でなく手順にした。 35 行の割合は幅が広すぎる。「過去の件数を横に書く」なら、データが増えるほど勝手に精度が上がる。
4
見落としを出どころで数えた。 C・D・E は呼んでいない人の領分だった。だからチェックリスト #13 は人の問い。
5
問いの形・案件を越える粒度にした。 平野さんのショート動画には配信も出演者もないが、#1・#4・#5・#7・#9・#10 はそのまま使える。

🗂️ 迷った他案と採らなかった理由

案採らなかった理由判断が変わる条件
登録簿 14 行をそのまま平野さんに渡すライブ固有の行が多く、半分以上が該当しない。読まれない過去リスク集になる次が同じチームの年末ライブなら引き継ぎで足りる(申し送りでそうした)
P を一律 1 段上げるP2 の幅は 14〜61% で段ごとのずれ方は分からない。赤が増えて報告が鈍る100 行以上たまり、段ごとの幅が ±10 ポイント程度に縮んだら係数で補正
KPT の振り返りだけで締める「法務を早めに」のような感想で止まり、P の付け方に結びつかない—
全社のリスク DB(Jira 専用プロジェクト)3 案件・35 行で仕組みが先に立つ。検索されないと同じく死蔵3 チーム以上が同じ分類で締めるようになったら
ブライアスコアに目標値を置く13 行では偶然の振れが大きく、P を 50% に寄せる動機が生まれる測るだけ。行数が増えたら推移を見る
起きた行の担当者に原因を書かせる責める会になると次から行を書かなくなる。主因は人選と分類の偏り—

⚠️ よくある失敗パターン

失敗パターンなぜ問題か改善策
案件終了時に登録簿をフォルダにしまう同じ偏りで次も P を付ける締めの会で照合・較正・分類の 3 表を作る
条件が来なかった行を「起きなかった」と数える当たり具合が良く見え、次で誤って下げる「試されなかった」を独立させ申し送りへ
13 行の割合から係数を作る幅が広すぎ、たまたまに引きずられる方向だけ言い、手順で直す
過去の行を日付・ベンダー名つきで写す別の案件では当てはまらない「何を確かめるか」の問いに言い換える
チェックリストを増やし続ける30 項目を超えると読まれない15 項目上限、3 案件該当なしで外す候補、版管理
見落としを「注意不足」で片づける次も同じ人が同じ範囲しか見ない出どころで数え、呼ぶ人を変える

🏢 実務での使いどころ

  • 振り返り会の後半 20 分: KPT の後に 3 表を出す。全行は読まず「試されなかった」「登録簿外」だけ話す
  • エンジニアとして: 負荷試験・結合テストの結果を登録簿の点数に戻す(R04 の更新漏れはエンジニアの持ち場)。R11 のような「作ったが効果が測れない」は製品判断に効くので、PdM に影響の大きさで伝える
  • PdM と: 較正表は PdM の見込み(利用率・CVR)にも同じ形で使える
  • 他チームへ: チェックリストは渡すだけでなく、最初の洗い出しの会に 15 分同席して使い方を見せる

転用できるテンプレート

結果の照合表: ID | 出どころ | P | 結果(起きた/起きなかった/試されなかった) | 想定した影響→実際 | メモ
登録簿外の課題: ID | 出どころ | 起きたこと | 書いていれば防げたか
較正表: P の段 | 付けた確率 | 行数 | 起きた | 起きた割合 | 95% の幅 + ブライアスコアと「全部 50%」の比較
RBS の集計: 出どころ | 登録した行 | うち起きた | 登録簿外で起きた | 起きた合計
チェックリスト: # | 出どころ | 問い | いつ確認 | 誰に聞く | 出典 + 載せなかったもの | 運用ルール(上限・外す条件・版)
申し送り: 種類(リスク/課題/前提) | 内容 | 持ち越す理由 | オーナー

➡️ 次のステップ

  • テーマ 2-3「確率×影響度マトリクス」: 較正の結果を受けて、P の段の境界(10/30/50/70%)自体を見直すか
  • テーマ 2-7「プレモーテム」: #13 の「呼んでいない人」をプレモーテムの参加者にしたら何が出るか
  • 問い: 平野さんのショート動画で該当しない項目はどれか。外すのでなく「該当なし」と記録する理由は
  • 問い: 35 行で「P2 は 14〜61%」。幅を ±10 ポイントにするには P2 の行が何行要るか

🚧 扱わなかった範囲(この演習の限界)

  • 数値(同時視聴、問い合わせ件数、過去 2 案件の行数・発生件数など)はすべて演習の設定値
  • V 社・出演者・ストア審査の経緯は架空。実在の配信 SaaS の仕様は参照していない
  • 景品表示法の No.1 表示・二重価格表示の解釈には踏み込まない(法務に回す)。消費者庁資料は今回照合していない
  • 段の確率を帯の中央で置いた。置き方でブライアスコアは変わる
  • 影響(I)の当たり具合は並べただけで点数化していない
  • 一次資料: Brier (1950)(Crossref で書誌確認、参照日 2026-10-13)、Hillson (2002) PMI Library(書誌のみ・本文未照合)、Hillson (2003)(要旨のみ)、PMBOK 第 6 版のプロンプトリスト(記憶・未照合)
  • 世界の実物との比較: NASA の Lessons Learned Information System のような組織全体の教訓 DB、Tetlock らの較正訓練は扱っていない。1 チーム・3 案件の締め方に絞った

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