セクション1 問題集 — ローコードAIソリューションの設計
各問題は試験本番に近い形式(多肢選択・複数選択)です。「最もコスト効率が良い / 最も運用負荷が低い / 最もスケールする」 ベストアンサーを選んでください。
問題 1
ある EC 企業は BigQuery に過去 2 年分の購買データ(5 TB)を保持しており、解約予測モデルを 最短工数 で構築したい。ML 専門家は限られているが、データエンジニアは SQL が得意。最適なアプローチは?
A. Cloud Storage にエクスポートして Agent Platform Custom Training で PyTorch モデルを構築
B. Dataflow で前処理 → Agent Platform AutoML で訓練
C. BigQuery ML で CREATE MODEL を使い logistic_reg または boosted_tree モデルを直接訓練
D. Cloud SQL に出力して Looker から ML を呼び出す
解答と解説
正解:C
- データが既に BigQuery にあり、データエンジニアは SQL に習熟しているため BigQuery ML が最速
- データ移動不要・SQL で完結・スケジュールクエリで再訓練も容易
- A は ML 専門家が必要で工数大
- B は AutoML でも可能だが Dataflow への前処理移行コストが追加で発生
- D は Looker から ML を直接呼ぶ機能ではない
問題 2
PDF 形式の請求書 1 万通から 品目・金額・日付 を構造化データとして抽出し、BigQuery に格納したい。最適なサービスは?
A. Vision API の OCR B. Cloud Functions で自作の PDF パーサ C. Document AI Invoice Parser D. AutoML Vision
解答と解説
正解:C
- Document AI には Invoice Parser という事前学習済みのプロセッサが存在し、品目・金額・日付などを構造化抽出
- A の Vision API OCR はテキストを返すだけで、構造化抽出は自前実装が必要
- B は工数大・精度不安定
- D は画像分類向け
問題 3
社内 FAQ をベースにしたチャットボットを構築する。社内文書は数万件、頻繁に更新される。鮮度 と 精度 を両立する最適な構成は?
A. Gemini をフルファインチューニング B. Gemini + RAG(Vector Search で関連文書取得) C. BigQuery ML で BERT モデルを訓練 D. AutoML Text 分類
解答と解説
正解:B
- 頻繁に更新されるドキュメントには RAG(検索拡張生成) が最適。学習し直す必要がなく、新規文書を Vector Search に追加するだけで反映
- A は更新毎の再チューニングが高コスト
- C/D は生成ではなく分類タスクで合わない
問題 4
Gemini ベースのアプリで、毎日同じ社内マニュアル(30,000 トークン)を冒頭に付けてプロンプトを送っている。コストを大幅に削減 したい。最適な施策は?
A. プロンプトキャッシング (implicit / explicit) を有効化 B. Gemini Ultra に変更 C. 毎回ストリーミングモードで呼び出す D. リージョンを変える
解答と解説
正解:A
- 大きな固定プレフィックスがある場合は プロンプトキャッシング が最大の効果(キャッシュ部分 75% 割引)
- B はコスト増
- C は UX 改善で、コスト削減ではない
- D は劇的な効果はない
問題 5(複数選択 — 2つ選べ)
LLM ベースのカスタマーサポートで コスト最適化 をしたい。以下のうち効果的なものを 2 つ選べ。
A. Gemini Pro で固定し、温度を 0 にする B. シンプルな問い合わせは Gemini Flash で処理し、複雑時のみ Pro にエスカレート C. 非同期で許容できる夜間処理は Batch API を利用 D. 全リクエストを GKE 上の OSS LLM に切り替える
解答と解説
正解:B, C
- B:Flash と Pro の使い分け はコスト削減の王道(Flash は 1/10 程度)
- C:Batch API はレイテンシ不要なジョブで約 50% 割引
- A:Pro 固定はコスト削減にならない
- D:OSS LLM は運用負荷・GPU コストが嵩む、必ずしも安くない
問題 6
商品画像 50 万枚を 100 カテゴリに分類するモデルを構築する。社内に ML エンジニアはいないが、データサイエンティストはアノテーションを完了している。最適なアプローチは?
A. Vision API B. Agent Platform AutoML Image C. Custom Training + ResNet を PyTorch で実装 D. BigQuery ML
解答と解説
正解:B
- 自社カテゴリでの高精度分類 + コードレス → AutoML Image が最適
- A の Vision API は事前定義カテゴリのみ、自社カテゴリには使えない
- C は ML エンジニアが必要
- D は画像非対応
問題 7
ヘルスケア企業が 医療用語 を含む英↔日翻訳を高精度で行いたい。汎用 Translation API では専門用語の誤訳が多い。最適なアプローチは?
A. AutoML Translation で医療コーパスを使ったカスタムモデルを訓練
B. Gemini Pro でプロンプトに「医療翻訳」と指示
C. BigQuery ML の ML.TRANSLATE をそのまま使う
D. 翻訳結果を人手で全件レビュー
解答と解説
正解:A
- ドメイン特化の翻訳精度向上は AutoML Translation か Translation API Advanced の Glossary 機能が定石
- B は精度の保証が困難
- C は汎用モデル
- D はスケールしない
問題 8
Gemini を使って数万件の社内文書を要約するバッチジョブを毎週走らせる。コスト最適化 の最良策は?
A. 通常 API でリアルタイム呼び出し B. Batch API で非同期一括処理 C. Gemini Ultra を並列実行 D. Cloud Run で逐次処理
解答と解説
正解:B
- 非同期で許容できる大量処理は Batch API(約 50% 割引)
- A は割引なし
- C は単価最高
- D は単に実行環境の話で割引なし
問題 9
社内アンケート(10,000 件)の自由記述の感情分析を、データチーム(SQL のみ)が BigQuery で完結 させたい。最適なアプローチは?
A. BigQuery から CSV エクスポートして Workbench で pandas + Gemini API
B. ML.GENERATE_TEXT で BigQuery 内から Gemini Flash を直接呼び出す
C. Dataflow で前処理して Cloud Functions で Gemini API
D. AutoML Text Sentiment
解答と解説
正解:B
- BigQuery 内から
ML.GENERATE_TEXTで Gemini を SQL ワンライナーで呼び出せる - 結果は BigQuery テーブルに即時格納、追加 ETL 不要
- A/C は外部ツール経由で複雑
- D は AutoML が必要、SQL のみで完結しない
問題 10
機微情報(PII)を含むテキストデータを Gemini に投入する必要がある。最小限のリスク で実装するには?(複数選択 — 2 つ選べ)
A. Sensitive Data Protection (DLP) でリクエスト前に PII をマスキング B. Model Armor を入出力の両側に配置 C. Gemini への送信を VPC 経由ではなく公衆 HTTPS で行う D. Gemini の出力を生のままユーザーに返す
解答と解説
正解:A, B
- A:DLP で 入力前の PII マスキング は基本
- B:Model Armor は LLM 特化の包括防御(プロンプトインジェクション・PII 漏洩・有害コンテンツ)
- C:公衆ネット経由は逆にリスク増(VPC SC + プライベートエンドポイントが望ましい)
- D:出力スキャンも必要
問題 11
Gemini で社内ドメインの問い合わせ対応を実装したが、プロンプトと few-shot では精度が頭打ち。コスト効率良く精度を上げる方法は?
A. LoRA / PEFT による Gemini ファインチューニング B. Gemini Ultra に切替 C. プロンプトを 100 例の few-shot に拡大 D. 毎回外部 API で正解を取得
解答と解説
正解:A
- プロンプト工夫で頭打ち + ドメイン特化が必要 → LoRA / PEFT ファインチューニング が現実解
- B はコスト増、精度向上は保証されない
- C はトークン爆発でコスト・レイテンシ悪化
- D は手段ではなく要件外
問題 12
Model Garden から OSS の Llama 3 モデルを使いたい。最適なアプローチは?
A. 自前で GKE クラスタを構築して Hugging Face から DL B. Model Garden から 1-click でデプロイ(マネージドエンドポイントとして提供) C. BigQuery ML に直接インポート D. AutoML で Llama を訓練し直す
解答と解説
正解:B
- Model Garden は OSS モデルも統合カタログ化 し、1-click で Agent Platform 上にデプロイできる
- A は工数大
- C は LLM 直接インポートには不向き
- D は要件外
問題 13(複数選択 — 2 つ選べ)
Document AI を使う場面として 適切なもの を 2 つ選べ。
A. 請求書から品目・金額を抽出 B. 自社カスタム書式の契約書からフィールド抽出 C. 画像内の一般的な物体検出 D. 動画の感情解析
解答と解説
正解:A, B
- A:Document AI Invoice Parser が標準対応
- B:Custom Extractor で自社書式に対応可能
- C:Vision API が適切
- D:Video Intelligence API
問題 14
時系列の売上予測(30 日先)を BigQuery で完結させたい。最適なモデルは?
A. ML.FORECAST with ARIMA_PLUS
B. ML.PREDICT with linear_reg
C. BigQuery ML の k-means
D. ロジスティック回帰
解答と解説
正解:A
- BigQuery ML の時系列予測は ARIMA_PLUS +
ML.FORECAST - B は時系列の季節性・トレンドを扱えない
- C はクラスタリング
- D は分類
問題 15
クラウド未経験のチームに「コードを一切書かず、UI 上で構造化データの分類モデルを訓練・デプロイする方法」を提示したい。最適は?
A. BigQuery ML の SQL B. Agent Platform AutoML Tables (Tabular Workflows 簡易版) C. Custom Training + Workbench D. Cloud Functions
解答と解説
正解:B
- AutoML(Tabular Workflows)はコンソール UI のみで完結
- A は SQL を書く
- C は Python
- D は ML プラットフォームでない
問題 16
Gemini ファインチューニングを BigQuery 上から 実行したい。正しい構文の概要は?
A. CREATE MODEL ... OPTIONS(model_type='gemini') のみで完結
B. CREATE MODEL ... REMOTE WITH CONNECTION ... で Vertex AI Connection 経由
C. ML.TUNE_MODEL(MODEL, ...)
D. Gemini を BigQuery ML から直接ファインチューニングは不可能、Workbench 経由が必要
解答と解説
正解:B
- BigQuery から Gemini をファインチューニングする際は REMOTE MODEL + Vertex AI Connection を使う
- A は形式が不正
- C は存在しない
- D は誤り(BigQuery 経由のチューニングは新ガイドで明示)
問題 17(複数選択 — 2 つ選べ)
Gemini の レイテンシを下げる のに有効な施策を 2 つ選べ。
A. プロンプトキャッシングを使う
B. ストリーミングレスポンス (stream_generate_content) を使う
C. 入出力を巨大化して 1 リクエストでまとめる
D. Gemini Ultra に切替
解答と解説
正解:A, B
- A:キャッシュ部分の処理がスキップされる
- B:ユーザー体感レイテンシが大幅改善
- C:レイテンシ悪化
- D:精度は上がるがレイテンシは速くならない
問題 18
短尺の動画コンテンツを AI で生成 したい。Google の基盤モデルは?
A. Veo B. Imagen C. Chirp D. Gemini
解答と解説
正解:A
- 動画生成 = Veo
- B は画像生成
- C は音声認識基盤
- D はマルチモーダル(生成は画像/動画特化ではない)
問題 19
CSV 形式の取引データから 個人特定情報 (PII) を自動検出してマスキング する Google Cloud サービスは?
A. Sensitive Data Protection (旧 Cloud DLP) B. Cloud KMS C. Cloud Armor D. Model Armor
解答と解説
正解:A
- 構造化/非構造化データの PII 検出・マスキング・トークン化 は Sensitive Data Protection
- B は鍵管理
- C は L7 WAF(Web Application Firewall)
- D は LLM 入出力の防御
問題 20
新ガイドで明記されている Gemini ベースのアプリの最適化対象 3 つは?
A. コスト・レイテンシ・可用性 B. 精度・再現率・F1 C. プロンプト・コンテキスト・出力 D. PII・有害性・バイアス
解答と解説
正解:A
- 公式ガイド 1.2 に「Optimizing Gemini-based applications for cost, latency, and availability」と明記
- B はモデル評価メトリクス
- C はプロンプトエンジニアリング要素
- D はモニタリング論点
全 20 問。正答率 80% 以上で次セクションへ。誤答した問題は
02_学習資料/01_ローコードAIソリューション設計/の該当箇所に戻って復習を。