Section 1 問題集: クラウドソリューションアーキテクチャの設計と計画
試験出題比率: 約 25%(試験全体で最大ウェイト) 試験ガイド対応: 2025 年 10 月改訂版 収録問題数: 20 問
学習方針
このセクションは PCA 試験で最大の比重を占める「設計と計画」を扱います。 ビジネス要件、技術要件、ネットワーク・ストレージ・コンピュート設計、移行計画、将来改善の 5 領域から幅広く出題されます。
学習の進め方
- まず通しで解く — 制限時間 30 分 / 20 問(1 問 90 秒)
- 採点して弱点把握 — 末尾の「正答率早見表」に記入
- 間違えた問題は学習資料
../02_学習資料/01_アーキ設計と計画/に戻る - 2 週間後に再挑戦 — 同じ問題で 90% 以上を目指す
正答率の目安
| 正答率 | 評価 | 次のアクション |
|---|---|---|
| 90% 以上 | 合格圏 | Section 2/3 に進む |
| 80-89% | 合格ライン | 間違えた領域だけ復習 |
| 70-79% | 要復習 | 02_応用.md を再読 |
| 70% 未満 | 基礎不足 | 01_基礎.md から学び直す |
難易度配分
- ★(基礎): 3 問
- ★★(応用): 12 問
- ★★★(発展): 5 問
出題範囲対応表
| 試験ガイド項目 | 該当問題 |
|---|---|
| 1.1 ビジネス要件 | 問題 1, 2, 17 |
| 1.2 技術要件(Well-Architected / HA / Gemini Cloud Assist) | 問題 3, 4, 5, 18 |
| 1.3 ネットワーク・ストレージ・コンピュート設計 | 問題 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12 |
| 1.4 移行計画(Migration Center / 6R) | 問題 13, 14, 15, 19 |
| 1.5 将来のソリューション改善 | 問題 16, 20 |
問題
問題 1 (難易度: ★★)
シナリオ: Altostrat Media は北米のオンデマンド動画配信を運営する企業です。新規事業として欧州・アジア向けの低遅延ライブ配信を 6 か月以内に立ち上げる計画です。CEO は「世界規模の即時拡張、設備投資ゼロ、年間運用コスト 20% 削減」をビジネス要件として掲げています。CIO は既存のオンプレミス CDN を残しつつ Google Cloud へ拡張したいと考えています。
質問: このビジネス要件を最も的確に満たすクラウド導入アプローチはどれですか。
選択肢:
- A. オンプレミスを廃止し、すべてのワークロードを Google Cloud にリホスト (Rehost) する
- B. オンプレミス CDN を維持し、追加容量と新規地域だけを Google Cloud で構築するハイブリッド戦略を取る
- C. マルチクラウド戦略として AWS と Google Cloud に同等のシステムを展開する
- D. オンプレミスのまま新地域にサーバーを増設し、Google Cloud は将来検討する
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: ビジネス要件 (1) 世界拡張、(2) 設備投資ゼロ、(3) 運用コスト削減 のすべてを満たし、かつ CIO の「既存資産を残したい」という制約とも整合します。Google Cloud の Cloud CDN + Media CDN + Cross-Cloud Interconnect でハイブリッド構成を組むのが定石です。
- A: 既存資産の廃棄はビジネス要件に書かれておらず、CIO の意向にも反します。試験ではビジネス要件と CIO/CTO の制約は必ず併読すること。
- C: マルチクラウドは管理コストと複雑性が増し、運用コスト 20% 削減と矛盾します。
- D: 設備投資ゼロという要件に反します。
試験のひっかけポイント: 「すべてクラウド化が常に正解」ではない。ビジネス要件 × 既存制約 × コスト の三者で判断する。CIO の意向もビジネス要件の一部です。
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問題 2 (難易度: ★)
シナリオ: EHR Healthcare は HIPAA 規制下の病院向け電子カルテ SaaS です。CFO は「3 年で TCO 30% 削減」、CMO は「新機能リリースを月 1 回から週 1 回へ加速」、CISO は「データ主権を維持」というビジネス要件を出しています。
質問: これら 3 つのビジネス要件すべてを最もバランスよく満たすアーキテクチャ要素の組み合わせはどれですか。
選択肢:
- A. GKE + Cloud Build + Confidential Computing + データレジデンシー制御
- B. Compute Engine VM + 手動デプロイ + デフォルト暗号化
- C. App Engine Standard + Cloud Functions + マルチリージョン Bucket
- D. Bare Metal Solution + オンプレミス CI/CD + 専用線
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解: GKE はインフラ単価削減と移植性を実現(CFO 要件)、Cloud Build は CI/CD 自動化でリリース速度を向上(CMO 要件)、Confidential Computing + データレジデンシー制御で機密性と主権を確保(CISO 要件)。3 つの要件をワンストップで満たします。
- B: 手動デプロイは週次リリースに不向きで、TCO 削減効果も限定的。
- C: App Engine Standard は機能制約があり、医療業界の複雑なアプリケーション要件に合わないことが多い。
- D: Bare Metal Solution はオンプレ移行先として有用だが、TCO 削減とリリース加速にはむしろ逆効果。
試験のひっかけポイント: ステークホルダー別の要件を 1 つのアーキで網羅する複合要件問題は頻出です。役職ごとの関心軸(CFO=コスト、CMO=スピード、CISO=セキュリティ)を覚えておく。
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問題 3 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたは Google Cloud Well-Architected Framework の 6 つの柱に基づいて、新規 SaaS アプリケーションの設計レビューを依頼されました。チームリーダーから「特に運用上の卓越性 (Operational Excellence) を強化したい」と要望されています。
質問: 運用上の卓越性を最も強化するアプローチはどれですか。
選択肢:
- A. すべての構成を Terraform で IaC 化し、Cloud Deploy で段階的リリースを自動化する
- B. CMEK ですべてのリソースを暗号化し、VPC Service Controls を導入する
- C. Spot VM と Committed Use Discount を最大限活用する
- D. マルチリージョン構成で RPO 0 / RTO 0 を実現する
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解: Well-Architected Framework の「運用上の卓越性」は、自動化・IaC・観測性・継続的改善が中心。Terraform + Cloud Deploy は典型的なベストプラクティスです。
- B: セキュリティの柱に該当します。
- C: コスト最適化の柱に該当します。
- D: 信頼性 (Reliability) の柱に該当します。
試験のひっかけポイント: Well-Architected の 6 柱(運用上の卓越性 / セキュリティ / 信頼性 / コスト最適化 / パフォーマンス / 持続可能性)と、それぞれの代表的施策を対応付けて覚えておく。問題文の「特に」というキーワードに注目し、柱を取り違えないこと。
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問題 4 (難易度: ★★★)
シナリオ: Cymbal Retail は EC サイトを運営しており、ブラックフライデーのトラフィックは平常時の 50 倍に達します。同社は SLA 99.99% を顧客に約束しており、データセンター単位の障害でも 5 分以内に復旧する必要があります。RPO は 1 分以内、RTO は 5 分以内と定義されています。
質問: この HA 要件を満たすために最も適切な設計は次のどれですか。
選択肢:
- A. 単一リージョン内のマルチゾーン Compute Engine MIG + Cloud SQL HA 構成
- B. デュアルリージョンの Spanner + マルチリージョン HTTPS LB + Cloud Storage デュアルリージョンバケット
- C. シングルゾーン App Engine Standard + Cloud SQL リードレプリカ
- D. マルチリージョン Bigtable + リージョン MIG + Cloud CDN
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: SLA 99.99% かつ「データセンター単位(=リージョン単位)の障害で 5 分以内復旧」を要求しているため、リージョン障害に耐えられる設計が必須。Spanner のマルチリージョン構成は 5 nines (99.999%)、Cloud Storage デュアルリージョンも RPO ~0 を提供します。HTTPS LB は Anycast でグローバルにルーティングします。
- A: ゾーン障害は許容できるが、リージョン障害には対応できません。
- C: シングルゾーンでは SLA 99.99% を満たせません。
- D: Bigtable はマルチリージョン構成可能だが、リージョン MIG だとアプリ層がリージョン障害に弱い。
試験のひっかけポイント: SLA 99.99% = 年間ダウンタイム約 52 分。ゾーン HA で十分か、リージョン HA が必要かを要件 (RPO/RTO) から正しく判定すること。「データセンター単位の障害」=「リージョン障害」と読み替える。
関連リソース:
問題 5 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたは Google Cloud 上に新規環境を構築する責任者です。設計フェーズで、命名規則、リソースサイジング、コスト見積もり、ベストプラクティスチェックを効率化したいと考えています。Google が 2025 年に GA したサービスで、これらを自然言語で支援するものを利用予定です。
質問: この目的に最も適合する Google Cloud のサービスはどれですか。
選択肢:
- A. Cloud Asset Inventory
- B. Gemini Cloud Assist
- C. Recommender API
- D. Cloud Trace
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: Gemini Cloud Assist は 2025 年に Google Cloud 全体に統合された AI アシスタント。設計支援、トラブルシューティング、最適化提案、自然言語でのリソース操作を提供します。命名規則・サイジング・コスト見積もり・ベストプラクティスチェックはすべて Cloud Assist の対象範囲です。
- A: 既存リソースの棚卸しが主機能で、設計支援は不可。
- C: 既存リソースに対する最適化提案を出すサービスで、設計フェーズの自然言語対話は不可。
- D: 分散トレーシング機能で、設計支援とは無関係。
試験のひっかけポイント: 2025 年 10 月改訂の新出題項目。「設計フェーズで自然言語アシスト」=「Gemini Cloud Assist」と即答できるようにする。Recommender API との違い(運用 vs 設計)も押さえる。
関連リソース:
問題 6 (難易度: ★★)
シナリオ: ある金融機関は、オンプレミスの基幹システムと Google Cloud の分析基盤を専用線で接続したいと考えています。要件は、(1) インターネットを経由しない、(2) 1 リージョンで 100 Gbps 以上の帯域、(3) 99.99% の SLA を満たす、(4) Google が提供するパブリック IP には接続しない、です。
質問: この要件を満たす最も適切な接続方式はどれですか。
選択肢:
- A. HA VPN(2 トンネル構成)
- B. Direct Peering
- C. Dedicated Interconnect(複数 EAD 構成)
- D. Carrier Peering
解答と解説
正解: C
解説:
- C が正解: Dedicated Interconnect は 10 Gbps または 100 Gbps の物理回線を Google のコロケーション施設で接続し、専用線で内部 IP のみでアクセス可能。EAD (Edge Availability Domain) を 2 つ以上用意することで 99.99% SLA を達成できます。
- A: HA VPN は最大 3 Gbps 程度で、100 Gbps 要件を満たせない。インターネット経由なのも要件に反します。
- B: Direct Peering は Google のパブリック IP(G Suite など)への接続で、内部 IP 接続は不可。
- D: Carrier Peering も同様にパブリック IP 向けです。
試験のひっかけポイント: Dedicated Interconnect (内部 IP) vs Direct Peering (パブリック IP) の違いを必ず覚える。SLA 99.99% を得るには Interconnect でも特定のトポロジが必要(複数 EAD + 複数メトロ)。
関連リソース:
問題 7 (難易度: ★★★)
シナリオ: KnightMotives Automotive は、自社の Google Cloud 環境から、AWS 上で運用している製造ライン管理 API へ低遅延(10 ms 以下)でアクセスする必要があります。インターネットを経由せず、AWS と Google Cloud のデータセンターを物理的に近接させた専用線で接続したいです。
質問: この要件を最も適切に満たす Google Cloud の接続オプションはどれですか。
選択肢:
- A. Cloud VPN with AWS Site-to-Site VPN
- B. Cross-Cloud Interconnect
- C. Partner Interconnect
- D. Cloud NAT + Cloud Router
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: Cross-Cloud Interconnect は 2023 年に GA した Google Cloud と他クラウド(AWS / Azure / OCI / Alibaba 等)を 直接物理接続するサービス。10/100 Gbps の帯域で、インターネットを経由せず低遅延を実現します。マルチクラウドアーキテクチャの新しい標準です。
- A: VPN はインターネット経由で、遅延が大きい。
- C: Partner Interconnect はオンプレミスとの接続が主目的で、クラウド間接続には Cross-Cloud Interconnect が推奨。
- D: Cloud NAT はアウトバウンドのインターネット接続用で要件と無関係。
試験のひっかけポイント: 2025 年改訂で出題範囲に追加された新サービス。「他クラウドとの専用線」=「Cross-Cloud Interconnect」。Partner Interconnect と混同しないこと。
関連リソース:
問題 8 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたは社内 API を顧客の VPC からプライベート IP 経由で公開したいと考えています。VPC ピアリングは複雑性が増すため避けたいです。また、顧客側は自分の VPC の内部 IP でこの API にアクセスし、Google Cloud Load Balancer や Cloud SQL に対しても同様にプライベート接続したいと考えています。
質問: この要件に最も適合する Google Cloud のサービスはどれですか。
選択肢:
- A. Shared VPC
- B. Cloud NAT
- C. Private Service Connect (PSC)
- D. VPC Network Peering
解答と解説
正解: C
解説:
- C が正解: Private Service Connect (PSC) は、サービスプロデューサー(提供側)が公開するエンドポイントに、コンシューマー(利用側)が自分の VPC の内部 IP からアクセスできる仕組み。Google マネージドサービス(LB、Cloud SQL、Vertex AI 等)にも、独自サービスにも適用できます。VPC ピアリングと違い、ルートの伝播や IP 範囲の重複問題がなく、シンプルです。
- A: Shared VPC は組織内でのリソース共有用で、外部顧客には適用不可。
- B: Cloud NAT はアウトバウンド NAT で要件と無関係。
- D: VPC ピアリングは IP 重複や推移性の問題があり、複雑性を避けたい本要件に不向き。
試験のひっかけポイント: PSC vs VPC Peering はほぼ毎回出ます。「サービス単位の公開・利用」「内部 IP のまま接続」「IP 重複を回避」というキーワードが出たら PSC。
関連リソース:
問題 9 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたは AI/ML ワークロード向けに Google Cloud の専用インフラを設計しています。要件は、(1) 1 万 GPU を高速ネットワークで相互接続、(2) ストレージは並列ファイルシステムが必要、(3) スケジューラは Slurm を利用、(4) 大規模言語モデルの事前学習にも対応。
質問: この要件に最も適合する Google Cloud のソリューションはどれですか。
選択肢:
- A. Compute Engine + Persistent Disk + Cloud Composer
- B. GKE + Filestore + Cloud Run
- C. AI Hypercomputer + Parallelstore + Cluster Toolkit
- D. Vertex AI Workbench + Cloud Storage + Dataflow
解答と解説
正解: C
解説:
- C が正解: AI Hypercomputer は Google Cloud の AI 向け統合インフラ。TPU/GPU、高速ネットワーク (Jupiter Fabric)、Parallelstore (DAOS ベースの並列ファイルシステム)、Cluster Toolkit / Cluster Director (Slurm 統合) を含み、大規模 LLM 学習に最適化されています。
- A: 汎用 Compute Engine では並列ファイルシステムや 1 万 GPU クラスタには不適切。
- B: GKE + Filestore は中規模なら可能だが、LLM 事前学習レベルでは不足。
- D: Vertex AI Workbench は開発用ノートブック環境で、本番大規模学習用ではない。
試験のひっかけポイント: 2025 年改訂の新出題項目「AI Hypercomputer」。Parallelstore + Cluster Toolkit + TPU/GPU という構成キーワードで答えを選べるようにする。
関連リソース:
問題 10 (難易度: ★★)
シナリオ: ある企業は、年間 200 TB のログをアーカイブし、平均アクセス頻度は 5 年に 1 度未満です。法令で 10 年間の保持が必須で、データの改ざんを防ぐためにバケットロックも必要です。コスト最小化を最優先します。
質問: このユースケースに最適な Cloud Storage のストレージクラスはどれですか。
選択肢:
- A. Standard Storage
- B. Nearline Storage
- C. Coldline Storage
- D. Archive Storage
解答と解説
正解: D
解説:
- D が正解: Archive Storage は 1 年に 1 度未満のアクセスを想定した最安クラス。10 年保持・低頻度アクセスに最適。バケットロック (Bucket Lock) で WORM (Write Once Read Many) を実現できます。
- A: Standard は頻繁アクセス向けで高単価。
- B: Nearline は月 1 回程度のアクセス向け。
- C: Coldline は四半期 1 回程度。本問の「5 年に 1 度」では Archive のほうがコスト効率が良い。
試験のひっかけポイント: ストレージクラスとアクセス頻度の対応:Standard (日次) / Nearline (月次) / Coldline (四半期) / Archive (年次以下)。最低保管期間 (Archive=365 日) と早期削除料金にも注意。
関連リソース:
問題 11 (難易度: ★★★)
シナリオ: あなたはバッチジョブのコンピュート選定を行っています。要件は、(1) ジョブが中断されても再開可能、(2) 1 ジョブあたりの実行時間は 1〜4 時間、(3) コストを最小化したい、(4) ピーク時に 1,000 vCPU を即座にスケールしたい、(5) Kubernetes は使いたくない。
質問: この要件に最適な Google Cloud のコンピュートサービスはどれですか。2 つ選びなさい。
選択肢:
- A. Cloud Run jobs with always-on CPU
- B. Compute Engine MIG with Spot VMs
- C. GKE Autopilot
- D. Batch (Google Cloud Batch) with Spot VMs
解答と解説
正解: B, D
解説:
- B が正解: Spot VM は通常価格の 60-91% 割引で、中断可能なバッチに最適。MIG で自動スケールできます。
- D が正解: Google Cloud Batch はバッチジョブ専用のフルマネージドサービスで、Spot VM を利用可能。MIG より運用負荷が低く、ジョブのスケジューリング・キューイング・再試行が組み込まれています。
- A: Cloud Run jobs はステートレスで、中断時の再開機能は明示的に実装が必要。また CPU 割り当てに上限あり。
- C: Kubernetes 利用不可という制約に反します。
試験のひっかけポイント: **「複数選択」**問題は単一の最適解ではなく、要件を満たす選択肢を漏れなく選ぶ。Batch サービスは 2023 年以降に PCA で重要度が増しています。Spot との組み合わせは典型解。
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問題 12 (難易度: ★★)
シナリオ: 小規模なスタートアップが、新規 Web アプリ(Web/API/DB の 3 層)をできるだけ少ない運用負荷でデプロイしたいと考えています。トラフィックは予測不能で、アイドル時間が長い時間帯もあります。コスト効率と運用負荷の最小化を優先します。
質問: このユースケースに最も適切な構成はどれですか。
選択肢:
- A. Compute Engine MIG + Cloud SQL + Cloud Load Balancing
- B. GKE Standard + Cloud SQL + Cloud Load Balancing
- C. Cloud Run + Cloud SQL + Cloud Run の組み込み HTTPS LB
- D. Bare Metal Solution + 自前 PostgreSQL + nginx
解答と解説
正解: C
解説:
- C が正解: Cloud Run はリクエスト数 0 までスケールダウン可能で、アイドル時はコスト 0。トラフィック予測不能なケースで最もコスト効率が良い。組み込み LB により設定も最小化されます。
- A: MIG は常に最小インスタンス数 (例: 1) を維持する必要があり、アイドル時もコストが発生。
- B: GKE Standard はクラスタ管理オーバーヘッドが大きく、スタートアップには重い。
- D: Bare Metal Solution は大規模オンプレ移行向け。スタートアップには不適切。
試験のひっかけポイント: **「アイドル時間が長い」「予測不能なトラフィック」**というキーワードが出たら Cloud Run / Cloud Functions の選択肢を疑う。スケール to ゼロができるサーバーレスが正解。
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問題 13 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたは 200 台規模のオンプレミス VM を Google Cloud に移行する計画を立てています。事前にワークロードを発見し、依存関係を分析し、TCO 試算を行い、移行戦略 (6R) を選定したいと考えています。
質問: この計画フェーズで利用すべき Google Cloud のサービスはどれですか。
選択肢:
- A. Migrate to Virtual Machines (M4VMs)
- B. Migration Center
- C. Database Migration Service
- D. Storage Transfer Service
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: Migration Center は移行計画のハブサービスで、(1) Discovery (ワークロード発見)、(2) Assessment (依存関係分析)、(3) TCO 試算、(4) 移行戦略選定 を一元的に支援します。CSV インポート、エージェントベース探索、スタンドアロン評価をサポート。
- A: M4VMs は実際の VM 移行を実行するサービスで、計画フェーズではない。
- C: DMS は DB 移行の実行サービス。
- D: STS はオブジェクトストレージ移行の実行サービス。
試験のひっかけポイント: 計画 (Migration Center) と実行 (M4VMs/DMS/STS) を明確に区別する。2025 年改訂で Migration Center は出題重要度が増しました。
関連リソース:
問題 14 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたの企業はオンプレミスの古い Java モノリスアプリを Google Cloud に移行する戦略を検討中です。アプリの保守性が低く、新機能の追加コストが高いため、クラウドネイティブ化したいですが、6 か月以内に移行を完了させる必要があります。コスト感度は中程度です。
質問: このシナリオで最も適切な 6R 戦略はどれですか。
選択肢:
- A. Rehost (Lift & Shift)
- B. Replatform (Lift & Optimize)
- C. Refactor / Re-architect
- D. Retire
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: Replatform は最小限の変更でクラウドの利点を活用する戦略。例:Java モノリスをそのまま GKE にコンテナ化して載せ替える、DB を Cloud SQL のマネージドに置き換える等。6 か月以内かつ部分的なクラウドネイティブ化に最適です。
- A: Rehost はそのまま VM に乗せ換えるだけで、クラウドネイティブ化要件を満たさない。
- C: Refactor は理想だが、6 か月では完了できない可能性が高い。
- D: Retire は廃止戦略で、本問の要件にそぐわない。
試験のひっかけポイント: 6R = Rehost / Replatform / Repurchase / Refactor / Retire / Retain。期間・コスト・クラウドネイティブ化の度合いで判断する。「最小限のクラウドネイティブ化」=「Replatform」。
関連リソース:
問題 15 (難易度: ★★★)
シナリオ: あなたの企業は 50 TB のオンプレミス Oracle DB を Google Cloud に移行する必要があります。要件は、(1) ダウンタイム最小化(数分以内)、(2) 移行中も書き込み継続、(3) 移行後の DB は Cloud SQL ではなく Bare Metal Solution for Oracle を利用、(4) 移行後の検証期間中はオンプレと並行運用したい。
質問: このシナリオで適切な移行アプローチはどれですか。2 つ選びなさい。
選択肢:
- A. Oracle GoldenGate でレプリケーションを設定し、Bare Metal Solution へ継続的に同期する
- B. Database Migration Service (DMS) で Oracle to Cloud SQL 移行を実施する
- C. Storage Transfer Service で DB ダンプを Cloud Storage にコピーし、Bare Metal Solution にリストアする
- D. Migration Center で事前の TCO 評価と依存関係分析を実施する
解答と解説
正解: A, D
解説:
- A が正解: Oracle GoldenGate は Oracle 公式のレプリケーションツール。オンプレと Bare Metal Solution for Oracle を継続的に同期し、最終切替時のダウンタイムを数分に抑えられます。
- D が正解: Migration Center で事前評価を行うことは PCA 試験で常に推奨されます。TCO・依存関係・パフォーマンスベースラインを取得します。
- B: DMS は Oracle → Cloud SQL (PostgreSQL/MySQL) 異種 DB 移行サービスで、要件 (3) に反します。
- C: ダンプ&リストアはダウンタイムが大きく、要件 (1)(2) を満たさない。
試験のひっかけポイント: Oracle on GCP = Bare Metal Solution for Oracle。Oracle ライセンスは Cloud SQL では使えない。GoldenGate は Oracle 公式の標準的レプリケーションツール。
関連リソース:
問題 16 (難易度: ★)
シナリオ: あなたは Google Cloud の運用開始後 6 か月を経過したアーキテクチャを将来改善するためのレビューを行います。「リソースの過剰プロビジョニング」「使用していないリソース」「コスト最適化機会」を体系的に洗い出すために、Google Cloud のサービスを利用したいです。
質問: この目的に最も適合する Google Cloud のサービスはどれですか。
選択肢:
- A. Cloud Monitoring
- B. Active Assist (Recommender + Insights)
- C. Cloud Trace
- D. Cloud Profiler
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: Active Assist は Recommender API と Insights を統合し、IAM 最適化、VM サイズ適正化、アイドルリソース検出、Committed Use Discount 推奨など、運用後の最適化機会を体系的に提示します。
- A: Cloud Monitoring はメトリクス監視で、最適化提案そのものは出さない。
- C: Cloud Trace は分散トレーシング。
- D: Cloud Profiler はアプリ性能プロファイリング。
試験のひっかけポイント: 運用後の改善 = Active Assist / Recommender。設計時の最適化アシスタント (Gemini Cloud Assist) と運用後の最適化推奨 (Active Assist) を混同しないこと。
関連リソース:
問題 17 (難易度: ★★)
シナリオ: Cymbal Retail のステークホルダーから新規プロジェクトのビジネス要件として、「(1) GDPR 準拠で EU データを EU 内に保持、(2) PCI DSS Level 1 のクレジットカード処理、(3) 顧客への 99.95% SLA、(4) Cloud Cost Anomaly Detection を導入し、月次コストの異常を 24 時間以内に検知」と提示されました。
質問: これらのビジネス要件を満たすために最初に実施すべきアーキテクト活動はどれですか。
選択肢:
- A. 各 Google Cloud サービスの料金見積もりを Cloud Pricing Calculator で算出する
- B. 機能要件・非機能要件・コンプライアンス制約・SLA を要件定義書にまとめ、ステークホルダーと合意する
- C. Terraform でインフラを定義し、すぐに dev 環境をデプロイする
- D. すべてのリソースに CMEK を適用するスクリプトを書く
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: クラウド設計のベストプラクティスは要件の文書化と合意が最初。GDPR・PCI DSS・SLA・コスト監視はすべて「非機能要件」「コンプライアンス制約」として要件定義書に明記する必要があります。これがないと後工程の設計が手戻りします。
- A: 見積もりは要件確定後に実施します。
- C: 要件が固まらない段階での実装は手戻りの典型。
- D: CMEK は手段であって、要件定義の前に実装するものではない。
試験のひっかけポイント: PCA 試験では「まず要件、次に設計、最後に実装」という順序が問われます。「最初に何をすべきか」型の問題は、ステップを飛ばさず順序を守ること。
関連リソース:
問題 18 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたの企業は、Cloud SQL for PostgreSQL を本番運用しています。バックアップ要件は、(1) RPO 5 分、(2) PITR (Point-In-Time Recovery) 7 日、(3) 災害対策としてセカンダリリージョンへの復旧、(4) バックアップは改ざん防止のため隔離保管、です。
質問: この要件を満たす Cloud SQL の構成はどれですか。
選択肢:
- A. 自動バックアップのみ有効化し、Cloud Storage Standard Bucket に手動エクスポートする
- B. PITR (binlog/wal 保存) を有効化、リージョン HA、Backup and DR Service でセカンダリリージョンにコピー、不変ロック
- C. リードレプリカを別リージョンに 2 台立てる
- D. Database Migration Service で別リージョンに同期する
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: PITR を有効化することで RPO 数秒〜数分(wal 保存単位)。Backup and DR Service (2023 年 GA) は Cloud SQL のバックアップを別リージョン・別プロジェクトに安全に複製し、不変ロック (Immutable Lock) でランサムウェア対策にもなります。リージョン HA で本体の HA も担保。
- A: 自動バックアップだけでは PITR や DR、改ざん防止が不足。
- C: リードレプリカはバックアップではなく可用性向上施策。誤操作による論理破壊からは復旧不可。
- D: DMS は移行用で継続バックアップではない。
試験のひっかけポイント: Backup ≠ Replica を区別する。バックアップは「過去の任意時点へ復元できる」が、レプリカは「現時点の論理破壊を伝播してしまう」。Backup and DR Service は 2025 年改訂で重要度増。
関連リソース:
問題 19 (難易度: ★★★)
シナリオ: EHR Healthcare はオンプレミスの医療画像 PACS システム (500 TB) を Google Cloud に移行します。要件は、(1) 帯域は 1 Gbps の VPN しか使えない、(2) 移行期間は 3 か月以内、(3) 移行中もオンプレでの読み取りは継続、(4) HIPAA 準拠、(5) 移行後は Cloud Storage に保管。
質問: この要件を満たすために最も適切なデータ移行方法はどれですか。
選択肢:
- A. Storage Transfer Service Online でネットワーク経由転送
- B. Transfer Appliance (オフラインデバイス) を Google から取り寄せて物理輸送
- C. gsutil rsync を毎日実行
- D. Cloud Storage FUSE でマウントして手動コピー
解答と解説
正解: B
解説:
- B が正解: 1 Gbps で 500 TB を転送するには理論値で約 46 日かかり、実効帯域を考えると 3 か月でも厳しい。Transfer Appliance は最大 480 TB / 1 PB のディスクをオフライン輸送するサービスで、HIPAA BAA 対応。3 か月以内の移行に最適です。
- A: 1 Gbps では転送時間が足りない可能性が高く、業務影響も大。
- C: 毎日 rsync するスクリプトでは時間も信頼性も不足。
- D: FUSE 経由は性能ボトルネックが大きい。
試験のひっかけポイント: 帯域 × データ量 × 期間 の試算ができることが重要。目安: 100 TB 以上 + 帯域制約 = Transfer Appliance。
関連リソース:
問題 20 (難易度: ★★)
シナリオ: あなたは Google Cloud 上に運用中のアプリケーションについて、将来 3 年間の改善ロードマップを策定します。アーキテクトとして「現在のアーキテクチャの技術的負債」「業界のベストプラクティスとのギャップ」「コスト最適化機会」「将来の機能拡張への準備」を体系的に把握したいです。
質問: この目的のために Google Cloud が提供する評価フレームワークまたはサービスとして適切なものはどれですか。2 つ選びなさい。
選択肢:
- A. Well-Architected Framework アセスメント
- B. Active Assist Recommender + Insights
- C. Cloud Identity Premium
- D. Cloud Audit Logs
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A が正解: Well-Architected Framework は 6 柱(運用上の卓越性 / セキュリティ / 信頼性 / コスト最適化 / パフォーマンス / 持続可能性)でアーキテクチャを評価する公式フレームワーク。技術的負債・ベストプラクティスとのギャップを体系的に把握できます。
- B が正解: Active Assist は具体的なコスト最適化・性能改善の推奨を出します。ロードマップ策定の入力として有用。
- C: Cloud Identity Premium は ID 管理サービスで、アーキテクチャ評価とは無関係。
- D: Audit Logs は操作監査で、改善ロードマップ策定には直接寄与しない。
試験のひっかけポイント: 「将来改善」=「Well-Architected (定性評価) + Active Assist (定量推奨)」 の組み合わせ。両者は補完関係。Audit Logs はコンプライアンス・運用領域。
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正答率早見表
| 問題 | 領域 | 難易度 | 正答 | 自己採点 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1.1 ビジネス要件 | ★★ | B | □ |
| 2 | 1.1 ビジネス要件 | ★ | A | □ |
| 3 | 1.2 Well-Architected | ★★ | A | □ |
| 4 | 1.2 HA / SLA | ★★★ | B | □ |
| 5 | 1.2 Gemini Cloud Assist | ★★ | B | □ |
| 6 | 1.3 ネットワーク | ★★ | C | □ |
| 7 | 1.3 Cross-Cloud Interconnect | ★★★ | B | □ |
| 8 | 1.3 PSC | ★★ | C | □ |
| 9 | 1.3 AI Hypercomputer | ★★ | C | □ |
| 10 | 1.3 ストレージクラス | ★★ | D | □ |
| 11 | 1.3 コンピュート | ★★★ | B, D | □ |
| 12 | 1.3 サーバーレス | ★★ | C | □ |
| 13 | 1.4 Migration Center | ★★ | B | □ |
| 14 | 1.4 6R | ★★ | B | □ |
| 15 | 1.4 Oracle 移行 | ★★★ | A, D | □ |
| 16 | 1.5 Active Assist | ★ | B | □ |
| 17 | 1.1 要件定義 | ★★ | B | □ |
| 18 | 1.2 Backup and DR | ★★ | B | □ |
| 19 | 1.4 Transfer Appliance | ★★★ | B | □ |
| 20 | 1.5 Well-Architected | ★★ | A, B | □ |
合計正解数: ___ / 20
弱点別の復習ガイド
1.1 ビジネス要件で間違えた場合
- 復習資料:
../02_学習資料/01_アーキ設計と計画/01_基礎.mdの「ビジネス要件」セクション - 重点項目:
- 役職ごとの関心軸 (CEO/CFO/CMO/CIO/CTO/CISO)
- 機能要件 vs 非機能要件
- 「要件 → 設計 → 実装」の順序原則
1.2 技術要件 / Well-Architected で間違えた場合
- 復習資料:
../02_学習資料/01_アーキ設計と計画/02_応用.mdの「Well-Architected」セクション - 重点項目:
- 6 つの柱と代表施策
- SLA / RTO / RPO の数値感覚
- Gemini Cloud Assist と Active Assist の役割分担
- Backup and DR Service の使い分け
1.3 ネットワーク・ストレージ・コンピュート設計で間違えた場合
- 復習資料:
../02_学習資料/01_アーキ設計と計画/02_応用.mdの「設計パターン」セクション - 重点項目:
- VPN / Interconnect / Cross-Cloud Interconnect の使い分け
- PSC と VPC ピアリングの違い
- AI Hypercomputer 構成要素 (Parallelstore / Cluster Toolkit)
- ストレージクラスとアクセス頻度
- Cloud Run / GKE / GCE / Batch の使い分け
1.4 移行計画で間違えた場合
- 復習資料:
../02_学習資料/01_アーキ設計と計画/02_応用.mdの「移行戦略」セクション - 重点項目:
- 6R の各戦略の判定基準
- Migration Center と M4VMs/DMS/STS の使い分け
- Transfer Appliance の判断基準(帯域 × データ量)
1.5 将来のソリューション改善で間違えた場合
- 復習資料:
../02_学習資料/01_アーキ設計と計画/02_応用.mdの「継続改善」セクション - 重点項目:
- Well-Architented アセスメント
- Active Assist の活用
次のステップ
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