Professional Cloud Architect 模擬試験 2
試験について
- 試験時間: 2 時間(120 分)
- 問題数: 50 問
- 合格目標: 70 % 以上(35 問以上正解)
- ケーススタディ: Cymbal Retail、KnightMotives Automotive
- 改訂対応: 2025 年 10 月改訂内容(Gen AI、Agent、Vertex AI、AI/ML 統合の責任ある運用)を反映
受験の心得
時間配分の目安
| フェーズ | 配分 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 周目 | 80 分 | 全問にざっと回答(1 問あたり約 1 分 30 秒) |
| 2 周目 | 30 分 | フラグを立てた難問を再検討 |
| 最終確認 | 10 分 | マークシートのズレ・記入漏れチェック |
解答のコツ
- ビジネス要件 → 技術要件 → 制約 の順に読む: 何が最重要かを把握
- 「マネージド優先」「YAGNI(過剰設計回避)」「最小権限」の 3 原則
- キーワードに反応:
- 「グローバル / 強整合」→ Spanner
- 「IoT / 高スループット」→ Pub/Sub + Dataflow + Bigtable
- 「リフト & シフト」→ MIG / Compute Engine
- 「迅速」→ Cloud Run / Cloud Run functions
- 2 つ以上の選択肢が正しそうな場合: コスト・運用負荷の低い方
- 「複数選択肢」は引っ掛けに注意: 必要数を必ず確認
- ケーススタディ問題は冒頭の概要を必ず再確認
Gen AI 時代の新ポイント(2025 改訂)
- Vertex AI Search: RAG の中核、Drive / Confluence などのコネクタ内蔵
- Vertex AI Agent Builder: Function Calling / Tools の Agentic Workflow
- Vertex AI Model Garden: Gemini 以外の OSS / 3rd party モデルもマネージド
- Vertex AI Pipelines: MLOps 自動化(Kubeflow Pipelines マネージド)
- 責任ある AI: Model Card、Data Card、Continuous Evaluation
ケーススタディ 1: Cymbal Retail
会社概要
Cymbal Retail は急成長中の E コマース企業。年商 5 億ドル、過去 3 年で 200% 成長。在庫・販売・物流・カスタマーサポートの IT 基盤を、オンプレ + 既存 GCP のハイブリッドから完全 GCP ネイティブへ移行。Gen AI を活用したカタログ拡張、対話型コマース、技術刷新が必須。
既存環境
- コンピュート: K8s クラスタ(複数バージョン混在)、レガシー Windows サーバー
- データ:
- MySQL(在庫・販売)
- SQL Server(基幹会計)
- Redis(セッション / 在庫キャッシュ)
- MongoDB(製品カタログ、レビュー)
- 連携: SFTP / ETL バッチ、IVR(電話応答)
- モニタリング: Grafana + Nagios + Elastic(古いスタック)
- コスト: クラウドコストが Black Friday に予期せぬスパイク
ビジネス要件
- B1: Black Friday などのピーク時に 10 倍トラフィックに耐える
- B2: Gen AI でカタログ拡張(製品説明文自動生成)、対話型コマース(チャットで購入)
- B3: 物流コストの最適化(在庫予測)
- B4: SLA: ユーザー向け 99.9%
技術要件
- T1: K8s クラスタを GKE Autopilot に統合
- T2: データベースをマネージド化(Cloud SQL、Memorystore、Firestore など)
- T3: 観測スタックを Cloud Monitoring + Managed Service for Prometheus に統合
- T4: Gen AI ワークロード(推論、RAG)の運用化
問題 1
【ケーススタディ: Cymbal Retail】
シナリオ: Cymbal Retail は Gen AI を使って「ユーザーが自然言語で製品を検索 → 推薦 → 質問対応 → 購入完了まで」を一連の会話で完結させる「対話型コマース」を実現したい。製品カタログは MongoDB に 200 万件、在庫情報は MySQL、注文 API はバックエンドにある。
質問: 最適なアーキテクチャはどれか。
選択肢:
- A. Vertex AI Agent Builder(Conversational Agents)で Gemini モデルに Function Calling を設定し、Vertex AI Search で製品カタログを検索、注文 / 在庫 API は Tool 定義として呼び出す
- B. Gemini を製品カタログでファインチューニングし、すべての応答を生成
- C. Cloud Run で独自に LLM サーバーを構築
- D. Dialogflow CX のみで対応
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Vertex AI Agent Builder(旧 Conversational Agents / Dialogflow CX + Agent Engine)は対話型コマースの標準。Vertex AI Search で製品検索(RAG)、Tool / Function Calling で在庫・注文 API を呼び出すエージェントワークフローを構築できる。2025 改訂のキー項目。
- B はカタログが頻繁に変わるためファインチューニングは非現実的。
- C は再発明。
- D は単独で生成系の応答や RAG ができない。Agent Builder の方が包括的。
問題 2
【ケーススタディ: Cymbal Retail】
シナリオ: Cymbal Retail は Black Friday に通常の 10 倍のトラフィックを処理する必要がある。アプリケーション層は GKE Autopilot、データ層は Cloud SQL for MySQL + Memorystore for Redis を採用予定。突発的なトラフィックスパイクへの対策が必要。
質問: ピーク時のスケーラビリティを確保する構成として、適切なものを 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. GKE Autopilot の Horizontal Pod Autoscaler(HPA)+ Cluster Autoscaler を構成
- B. Cloud SQL for MySQL の Read Replica(読み取りトラフィックを分散)と connection pooling(Cloud SQL Proxy / pgbouncer-like 中継)
- C. Compute Engine の固定インスタンスを大量に常時起動
- D. すべてのトラフィックを単一 Pod で受ける
- E. Memorystore を Basic Tier(単一ノード)にする
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A: GKE Autopilot は自動で Pod とノードを管理。HPA + Cluster Autoscaler で負荷に応じた水平スケール。
- B: MySQL Read Replica で読み取りスケール、接続プールでコネクション過多を防止。
- C は常時固定で非効率。
- D は単一障害点。
- E は HA なし。
問題 3
【ケーススタディ: Cymbal Retail】
シナリオ: Cymbal Retail はオンプレの古い MongoDB(製品カタログ、レビュー)を GCP のマネージドサービスに移行したい。スキーマ柔軟性、グローバル展開、低レイテンシ読み取りが必要。
質問: 最も適切なマネージドサービスはどれか。
選択肢:
- A. Firestore(マルチリージョン)
- B. Cloud SQL for PostgreSQL
- C. Cloud Bigtable
- D. Compute Engine 上で MongoDB を運用
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Firestore は NoSQL ドキュメント DB で MongoDB に近いデータモデル、マルチリージョン・低レイテンシ読み取り対応。Cymbal の製品カタログ・レビューに最適。
- B は RDBMS で柔軟性が違う。
- C は KV ストアでクエリパターンが異なる。
- D はマネージド化の方針に反する。
問題 4
【ケーススタディ: Cymbal Retail】
シナリオ: Cymbal Retail のモニタリングスタックを Grafana + Nagios + Elastic から GCP に統合したい。既存の Grafana ダッシュボードと PromQL クエリは多数存在し、運用チームが慣れている。
質問: 最も推奨される構成はどれか。
選択肢:
- A. Managed Service for Prometheus(GMP)+ Cloud Monitoring + Managed Service for Grafana(または既存 Grafana の継続)
- B. Cloud Monitoring のみに移行し Grafana を廃止
- C. Elastic を GCP Marketplace から購入して継続
- D. Cloud Logging のみで代替
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Managed Service for Prometheus(GMP)は PromQL 互換でクエリ・ダッシュボードを保持可能。Cloud Monitoring の SLO / アラートと統合。Grafana も継続使用可能。運用チームの学習コストを最小化。
- B は既存資産(PromQL クエリ)を捨てる。
- C はマネージドの方向性に反する。
- D はメトリクス用途に不向き。
問題 5
【ケーススタディ: Cymbal Retail】
シナリオ: Cymbal Retail は Gen AI で「製品説明文自動生成(カタログ拡張)」をやりたい。現在 50 万製品が登録されており、説明文の品質が一貫しない。新規製品の登録時に Gemini で説明文を生成し、人間がレビュー後に公開する運用にしたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Workflows + Vertex AI Gemini API + Firestore に Draft 保存 + 人間レビュー用 Web UI を Cloud Run でホスト
- B. すべての説明文を自動公開(人間レビューなし)
- C. Cloud Functions で Gemini を呼び出し、すべてバッチ処理
- D. Vertex AI AutoML で文章生成モデルを訓練
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Workflows でステップ管理(生成 → Draft 保存 → レビュー通知)、Firestore で Draft 状態管理、Cloud Run で UI ホスト。人間レビューを組み込んだ「Human-in-the-loop」が責任ある AI の基本。
- B は責任ある AI に反する。
- C はワークフロー管理が弱い。
- D は LLM の方が品質高い。
ケーススタディ 2: KnightMotives Automotive
会社概要
KnightMotives Automotive は自動車メーカー。コネクテッドカー事業を拡大しており、車載センサー(位置、速度、温度、ブレーキ、エンジン状態)から毎秒大量のテレメトリを取得。現在はオンプレでバッチアップロード処理しているが、リアルタイム分析と Gen AI を活用した運転改善提案、故障予測へとシフトしたい。
既存環境
- コンピュート: オンプレデータセンター(東京、フランクフルト、デトロイト)
- データ:
- バッチアップロードされたテレメトリ(CSV → オンプレ HDFS)
- 顧客情報(PostgreSQL)
- 車両マスター(MySQL)
- 連携: 自動車修理パートナー API、保険会社 API
- 規制:
- GDPR(EU データはリージョン外不可)
- データ主権法(中国、ロシア等)
- 米国の自動車サイバーセキュリティ規制
ビジネス要件
- B1: バッチアップロードからリアルタイムテレメトリ取り込みへ移行
- B2: データローカリティ(リージョナル規制遵守)
- B3: 超高速取り込み(毎秒数百万イベント)
- B4: パートナー API へのデータ提供(許可された範囲のみ)
- B5: AI を使った運転改善 / 故障予測
技術要件
- T1: オンプレからの段階的移行(Hybrid 期)
- T2: マルチリージョン展開(EU、APAC、AMER)
- T3: ストリーム処理(CEP、ML 推論)
- T4: パートナー API ゲートウェイ
問題 6
【ケーススタディ: KnightMotives Automotive】
シナリオ: KnightMotives は毎秒 500 万件のテレメトリを取り込む必要がある。データはリージョナル規制に従い保管。リアルタイム異常検知(急ブレーキ、急加速)と長期蓄積(ML 訓練用)が必要。
質問: 最適なアーキテクチャはどれか。
選択肢:
- A. Pub/Sub(リージョナル)→ Dataflow(リージョナル Streaming Engine)→ Bigtable(リアルタイム集計)+ Cloud Storage(長期)
- B. Cloud SQL に直接書き込み
- C. Cloud Run functions が直接受信して BigQuery に insert
- D. Compute Engine + Kafka を自前構築
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Pub/Sub はリージョナル設定で 500 万件 / 秒のスループットに対応。Dataflow(Streaming Engine)で異常検知ロジックを実装。Bigtable は IoT / 時系列の超高スループット書き込みに最適。Cloud Storage は ML 訓練用の長期蓄積。
- B は書き込みスループットが不足。
- C は同時実行制限と insert 制限。
- D は運用負荷大。
問題 7
【ケーススタディ: KnightMotives Automotive】
シナリオ: KnightMotives は EU、APAC、AMER でテレメトリを取り込む必要があるが、各リージョンのデータは原則そのリージョン内に留めなければならない。グローバルダッシュボードでは集計結果のみ閲覧可能(個別レコードは不可)。
質問: 最も適切なアーキテクチャはどれか。
選択肢:
- A. リージョナル Pub/Sub + リージョナル Dataflow + リージョナル BigQuery(個別データ)+ BigQuery Authorized View で集計結果のみ別リージョンから参照可能化
- B. 単一のグローバル BigQuery にすべてのデータを集約
- C. 各リージョンの Cloud Storage バケットで個別管理、集計は手動
- D. Cloud Spanner マルチリージョンで全データ統合
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。リージョナル BigQuery でデータを保持し、Authorized View で集計のみ別リージョンに公開する設計でデータローカリティを守れる。VPC Service Controls の境界と組み合わせるとさらに厳格化可能。
- B はデータ越境違反。
- C は集計が手動で非効率。
- D は Spanner マルチリージョンでデータが越境する。
問題 8
【ケーススタディ: KnightMotives Automotive】
シナリオ: KnightMotives はパートナー(修理工場、保険会社)に API を提供したい。パートナーごとに権限を分離し、API のレート制限、認証、課金(オプション)、APIキー / OAuth を統合管理したい。
質問: 最適なサービスはどれか。
選択肢:
- A. Apigee + API Gateway
- B. Cloud Run + 自前認証
- C. Cloud Endpoints + ESPv2 のみ
- D. Cloud Load Balancing のみ
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Apigee は GCP のフルマネージド API 管理プラットフォーム。レート制限、認証(API キー、OAuth)、開発者ポータル、課金、分析を統合提供。複雑な B2B API 提供のデファクト。
- B は再発明。
- C は軽量だが Apigee より機能少。
- D は API 管理機能なし。
問題 9
【ケーススタディ: KnightMotives Automotive】
シナリオ: KnightMotives は AI で「運転改善提案(急ブレーキ多発ドライバーへのアドバイス)」「故障予測(特定パーツの異常パターン)」を実装する。ML モデルの訓練・デプロイ・継続評価が必要。
質問: 最適な MLOps 構成として、必要な要素を 3 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Vertex AI Pipelines(Kubeflow Pipelines マネージド)で訓練 / 評価 / デプロイを自動化
- B. Vertex AI Model Registry でモデルのバージョン管理
- C. Vertex AI Model Monitoring で本番モデルのドリフト / Skew を監視
- D. すべてのモデルを手動で再訓練
- E. Cloud Functions で訓練ロジックを書く
解答と解説
正解: A, B, C
解説:
- A: Vertex AI Pipelines は MLOps の中核。ステージ間の依存性管理、再現性、スケジュール実行。
- B: Model Registry でモデルバージョン管理 / A/B テスト。
- C: Model Monitoring で本番モデルの品質劣化を検出。
- D は自動化の方針に反する。
- E は MLOps として不足。
問題 10
【ケーススタディ: KnightMotives Automotive】
シナリオ: KnightMotives は段階的にオンプレから GCP へ移行する。移行期間中はオンプレと GCP 間で大量のデータを同期する必要がある。Hadoop(HDFS)も GCP に移行する必要がある。
質問: 最適な移行戦略として、適切なものを 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Dataproc(マネージド Hadoop / Spark)+ Cloud Storage(HDFS の代替)で Hadoop ワークロードを移行
- B. Storage Transfer Service + Transfer Appliance で大量データを移行
- C. すべてのオンプレデータをコピー & ペーストで手動移行
- D. Cloud SQL に Hadoop データを直接ロード
- E. Compute Engine 上で HDFS を自前運用
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A: Dataproc は Hadoop / Spark のマネージドサービスで HDFS を Cloud Storage に置換するのが標準。
- B: Storage Transfer Service(ネットワーク経由)+ Transfer Appliance(物理輸送)で大規模移行が可能。
- C は実用的でない。
- D は不適切(KV / 列指向 vs RDBMS)。
- E はマネージド化の方針に反する。
独立問題
問題 11
シナリオ: ある企業が GCP 上で複数のリージョンに分散したマイクロサービスを運用する。各サービスは互いに gRPC で通信し、サービスメッシュで認証 / 認可 / トラフィック管理を行いたい。
質問: 最適なサービスはどれか。
選択肢:
- A. Cloud Service Mesh(旧 Anthos Service Mesh、Istio ベース)
- B. Cloud Load Balancing のみ
- C. Cloud Endpoints のみ
- D. Compute Engine 上で Linkerd を自己管理
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Service Mesh は GCP マネージドの Istio ベースサービスメッシュ。mTLS、トラフィック分割、サーキットブレーカー、可観測性を提供。
- B、C は単純な負荷分散 / API 公開で、サービスメッシュ機能なし。
- D は運用負荷大。
問題 12
シナリオ: あるアプリケーションが Cloud Run でホストされ、外部からの HTTPS リクエストを受ける。バックエンドの Cloud SQL に SQL Injection 攻撃が試みられた。多層防御を実装したい。
質問: 必要な要素として、適切なものを 3 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Cloud Armor で WAF(OWASP Top 10 プリセット)を有効化
- B. アプリケーションコードで Parameterized Query / ORM を使う
- C. Cloud SQL の DB ユーザーに最小権限を付与
- D. すべての DB に root 権限で接続
- E. Cloud DNS で DDoS 防御
解答と解説
正解: A, B, C
解説:
- A: WAF レイヤで SQLi をブロック。
- B: アプリレイヤで Parameterized Query 必須。これが根本対策。
- C: DB レイヤで最小権限。万が一の攻撃でも影響範囲を限定。
- D は逆方向。
- E は DDoS 対策で SQLi に直接関係なし。
問題 13
シナリオ: ある企業が GCP で複数の VPC を持ち、各 VPC 間で通信したい。さらに、オンプレへ Cloud Interconnect で接続している。すべての VPC からオンプレに到達可能にし、トラフィックを中央 Hub VPC でフィルタリングしたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Network Connectivity Center(NCC)で Hub & Spoke ネットワークを構築
- B. VPC Peering をメッシュ状に構成
- C. Cloud VPN ですべての VPC をフルメッシュ接続
- D. すべてを 1 つの VPC に統合
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Network Connectivity Center は Hub & Spoke モデルでマルチ VPC + オンプレ + 他クラウドを統合管理。中央 Hub でトラフィック制御。
- B はメッシュが複雑、推移ルーティング不可。
- C は VPC 内通信に VPN は非効率。
- D は組織構造に合わない。
問題 14
シナリオ: あるグローバル企業が、GCP の Cloud Identity を使い、新入社員のオンボーディングを自動化したい。AD グループに基づき、適切な Google Workspace と GCP プロジェクトへのアクセスを自動付与する。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Google Cloud Directory Sync(GCDS)+ Google Groups + IAM ロールバインディング
- B. すべて手動で個別に付与
- C. Cloud Functions で動的に作成
- D. Compute Engine で自前 SSO サーバーを構築
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。GCDS で AD のグループメンバーシップを Google Groups に同期し、Google Groups に IAM ロールをバインドすればグループに入った瞬間に権限が付与される。
- B は人為ミス・遅延あり。
- C は再発明。
- D は再発明。
問題 15
シナリオ: ある企業がデータレイクとして Cloud Storage を採用し、BigQuery で分析する。多数のチームがクエリを実行するが、機密データ(PII を含むカラム)のアクセスはチームごとに制限したい。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. BigQuery のカラムレベル / 行レベルアクセス制御(Policy Tags + Data Catalog)
- B. Authorized View で対象カラムを除外
- C. すべてのチームに同じテーブルを公開
- D. 機密データを別 GCP Organization に保管
- E. すべてのデータを匿名化してから格納
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A: Policy Tags + Data Catalog でカラムレベル / 行レベルでチームごとにアクセス制御。
- B: Authorized View でカラム除外 / 集計のみ公開も実用的。
- C はアクセス制御不可。
- D はオーバーキル。
- E は使い物にならない(分析価値低下)。
問題 16
シナリオ: あるサーバーレスアプリケーションが Cloud Run functions(第 2 世代)と Cloud Run の両方を使う。コールドスタートを最小化し、レイテンシを安定させたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Run の Minimum Instances を 1 以上に設定(CPU Always Allocated を有効化)
- B. すべてのリクエストを Compute Engine 上の固定 VM で処理
- C. Cloud Build で毎時再ビルド
- D. Cloud Functions(第 1 世代)に書き換え
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Run の Minimum Instances を 1 以上に設定すれば常時インスタンスが起動しており、コールドスタートを完全に回避可能。CPU Always Allocated(CPU 常時割り当て)で起動後の処理性能も安定。
- B は本来のサーバーレスメリット消滅。
- C は再ビルドでコールドスタート増加。
- D は新世代より機能制約。
問題 17
シナリオ: ある銀行が機密データを処理するシステムを GCP に構築する。Cloud KMS の鍵を顧客側で完全に管理したい。Google にも鍵そのものを渡したくない(鍵そのものは外部 HSM で管理)。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud External Key Manager(EKM)で外部 HSM の鍵を Cloud KMS にラップ
- B. Customer-Managed Encryption Keys(CMEK)を Cloud KMS で発行
- C. Google-Managed Encryption Keys のみ
- D. アプリケーション側で AES 暗号化
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud EKM(External Key Manager)は外部 HSM(Thales、Equinix SmartKey 等)の鍵を Cloud KMS から参照する仕組み。鍵そのものは GCP 外に留まり、Google にもアクセス不可。最高水準の鍵管理。
- B は CMEK でも鍵は Cloud KMS 内(Google インフラ)に保管される。
- C は Google 管理。
- D は実装可能だが鍵管理は別途必要。
問題 18
シナリオ: あるアプリケーションが Compute Engine MIG(Managed Instance Group)で動作する。新しいバージョンをローリングアップデートでデプロイしたい。ダウンタイムなしで実施したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. MIG の Rolling Update を Surge と Max Unavailable を適切に設定して実施
- B. 全 VM を一斉にシャットダウンして再起動
- C. 新しい MIG を別途作成し、Load Balancer で 100% 切替
- D. Cloud Build で再ビルド
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。MIG の Rolling Update は Surge(新規追加可能数)と Max Unavailable(一時停止可能数)を設定することで、ダウンタイムなしの段階デプロイが可能。
- B はダウンタイム発生。
- C もブルー / グリーン手法として有効だが、よりシンプルな A が標準。
- D は再ビルドのみ。
問題 19
シナリオ: ある SaaS 企業が、各顧客のデータを完全に分離したい。同じ GCP インフラ上で、顧客 A のデータを顧客 B が見ることは絶対にできないようにする。
質問: 最適な構成(マルチテナンシー設計)として、必要な要素を 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. 顧客ごとに GCP プロジェクトを分離
- B. 共有のデータベースで顧客 ID カラムでフィルタ
- C. 顧客ごとに VPC を分離し、IAM 境界を厳格化
- D. 各顧客のデータを同じテーブルに混在させる
- E. すべての顧客に Owner ロールを与える
解答と解説
正解: A, C
解説:
- A: プロジェクト分離が最も強固な分離。リソース・IAM・ログがプロジェクト単位で完全に独立。
- C: VPC 分離 + IAM 厳格化で、ネットワーク・アクセス制御も顧客ごとに独立。
- B、D は論理分離で同一テーブル混在のため、SQLi 等で漏洩リスク。
- E はセキュリティ違反。
問題 20
シナリオ: ある ML チームが Vertex AI で訓練したモデルを REST API でホストし、社内アプリから低レイテンシで呼び出したい。さらに、A/B テスト(古いモデルと新しいモデルを 80% / 20% で分散)したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Vertex AI Endpoint に複数モデルをデプロイし、Traffic Split を 80 / 20 に設定
- B. Cloud Run に手動で 2 つのモデルをデプロイ
- C. BigQuery ML で並列クエリ
- D. すべてのモデルを Compute Engine で運用
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Vertex AI Endpoint は同一エンドポイントに複数モデルバージョンをデプロイし、Traffic Split で A/B テスト・カナリアリリースが可能。
- B は手動で煩雑。
- C はオンライン推論には不向き(バッチ寄り)。
- D は再発明。
問題 21
シナリオ: ある企業が GKE クラスタで動作するアプリのログを Cloud Logging に集約しているが、特定のエラーログを検出して即座に Slack に通知したい。さらに、頻度が高い場合は PagerDuty に通知する 2 段階アラート。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Logging のメトリクスフィルタで Log-based Metric を作成 → Cloud Monitoring Alert Policy で Slack(中優先度)と PagerDuty(高優先度)に通知
- B. Cloud Logging から Cloud Functions に直接通知
- C. メールでのみ通知
- D. ログを全件 BigQuery にエクスポートし、定期クエリで通知
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Log-based Metric + Alert Policy が標準。Notification Channel を複数(Slack、PagerDuty、メール)配分し、閾値ごとに異なる経路へ通知可能。
- B は実装可能だが、Monitoring のアラート機能のリッチさには劣る。
- C はリアクティブで弱い。
- D は遅延あり。
問題 22
シナリオ: ある分析チームが BigQuery で複数のデータソース(オンプレ MySQL、SaaS API、Cloud Storage)を統合分析したい。データロード、変換、品質チェックを自動化したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Data Fusion(マネージド ETL)+ Dataform(SQL ベース変換とバージョン管理)
- B. Cloud Functions で個別にスクリプトを書く
- C. Cloud Composer のみで Bash スクリプトを実行
- D. 手動で BigQuery に CSV をアップロード
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Data Fusion はビジュアル ETL ツール、Dataform は SQL ベースの ELT パイプライン管理。両者を組み合わせて品質チェック・変換・系譜を自動化。BigQuery と一体化したデータパイプラインの標準。
- B はスクリプト保守が大変。
- C はワークフロー実行のみで変換ロジックは不足。
- D はスケールしない。
問題 23
シナリオ: ある企業が GCP で複数のチームに開発環境を提供する。各チームの環境は完全に独立し、IAM、ネットワーク、リソースを分離したい。ベストプラクティスのフォルダ構造を設計したい。
質問: 最適な階層構造はどれか。
選択肢:
- A. Organization → Folder(環境別: dev/staging/prod)→ Folder(チーム別)→ Project
- B. すべてのチーム / 環境を 1 つのプロジェクトに統合
- C. Organization → Project(複数)のみフラットに作成
- D. Organization → Folder(チーム別)→ Project(各 1 つ)
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。環境(dev/staging/prod)→ チーム → プロジェクトの階層が標準。Organization Policy を環境別 / チーム別に継承可能。
- B は IAM 分離不可。
- C は階層管理ができない。
- D も妥当だが、環境別の Organization Policy 継承が弱くなる。
問題 24
シナリオ: ある E コマースサイトが、ユーザーごとに動的に変化する商品推薦を表示している。レコメンデーションは Vertex AI から取得するが、トラフィックの 80% は同じユーザーからの繰り返しアクセス。レイテンシとコストを下げたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Memorystore for Redis にユーザーごとの推薦結果を TTL 付きでキャッシュ
- B. すべてのリクエストで Vertex AI を呼び出す
- C. BigQuery に毎回クエリ
- D. Cloud Storage に保存し続ける
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Memorystore for Redis に推薦結果をキャッシュすることで、レイテンシ大幅短縮 + Vertex AI API コール削減(コスト削減)。TTL でユーザー嗜好変化に追随。
- B はコスト・レイテンシ悪化。
- C はクエリレイテンシが大きい。
- D は読み取りレイテンシが弱い。
問題 25
シナリオ: ある企業が GCP の Compute Engine と GKE 上のワークロードを Spot VM / Spot Pod で運用してコスト削減したい。バッチ処理が中心で、中断耐性がある。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Compute Engine の Spot VM を MIG で運用し、中断時に自動再スケジュール
- B. GKE Spot ノードプール + Pod の
preemptible: true設定で中断耐性ワークロードを実行 - C. すべてのワークロードを Spot VM で運用(本番含む)
- D. オンデマンド VM のみで運用
- E. すべての Pod を On-demand ノードプールで運用
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A: Compute Engine の Spot VM はオンデマンドの最大 91% 割引、MIG で中断時に自動再スケジュール。
- B: GKE Spot ノードプールはバッチ / ML 訓練向け。tolerations 設定で中断耐性ワークロードのみ配置。
- C は本番含めて Spot は危険。
- D、E はコスト最適化されない。
問題 26
シナリオ: ある SaaS 会社が、顧客ごとに別の Google Cloud Storage バケットを作成する設計を採用している。顧客が増えるたびにバケット作成、IAM 設定、暗号化キー作成、ログ Sink 設定を自動化したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Terraform Module を Cloud Build で実行(顧客 ID をパラメータ化)
- B. 手動で gcloud コマンドを実行
- C. Cloud Functions で動的にリソースを作成
- D. 1 つの巨大バケットを全顧客で共有
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Terraform Module をパラメータ化し、Cloud Build から CI / CD として実行することで Infrastructure as Code のベストプラクティスを実現。再現性、レビュー、ロールバック可能。
- B はスケールしない。
- C は実装可能だが、IaC 管理が弱い。
- D はマルチテナンシー設計に反する。
問題 27
シナリオ: あるグローバル企業が、機密性の高いワークロード(金融取引)と通常のワークロードを GCP 上で混在運用する。機密ワークロードは特定のリージョンと CMEK のみで運用、外部 IP 禁止、ログは別プロジェクトに集約したい。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 3 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Organization Policy で機密ワークロード Folder にリージョン制限・外部 IP 禁止を強制
- B. VPC Service Controls で機密ワークロードを境界に追加し、データ越境を防止
- C. ログ集約 Sink を機密ワークロード Folder から専用ログプロジェクトへ配置
- D. すべてのワークロードを同じプロジェクトで運用
- E. CMEK を使わず Google-managed Keys のみ
解答と解説
正解: A, B, C
解説:
- A: Organization Policy で機密 Folder にポリシー強制(リージョン、外部 IP)。
- B: VPC SC で API レベルのアクセス制御。
- C: ログ Sink で監査ログを別プロジェクトに集約(職務分離)。
- D は分離なし。
- E は機密用途には不十分。
問題 28
シナリオ: ある企業が GCP で動かす Java アプリケーションのデプロイで、本番デプロイ前にステージング環境で自動テスト(E2E、Smoke Test)を実施し、合格時のみ本番に進めたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Deploy のリリースパイプラインで dev → staging → prod のステージを定義し、ステージ間に Approval Gate と Automated Verification を設定
- B. Cloud Build で 1 つの巨大なステップで全 deploy を実行
- C. 各環境に手動でデプロイ
- D. すべて Cloud Functions に書き換える
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Deploy はマネージド Continuous Delivery で、宣言型のリリースパイプライン、Approval、Verification(カスタム検証ジョブ)、ロールバックを統合提供。GCP の標準。
- B はステージ管理が弱い。
- C は人為ミスが多い。
- D は別目的。
問題 29
シナリオ: ある組織が GCP リソースの構成変更を継続的に監視し、ポリシー違反(例: 暗号化なしのストレージ、外部 IP 持ち VM)を検出した場合に自動でアラートを発火させたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Security Command Center(SCC)+ Cloud Asset Inventory + Cloud Functions(自動修復)
- B. Cloud Logging で IAM ログだけ監視
- C. Cloud Monitoring のメトリクスのみ
- D. 月次手動レビュー
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Security Command Center(SCC)は GCP のセキュリティ姿勢管理(CSPM)で、構成違反、脆弱性、脅威を統合検出。Cloud Asset Inventory と組み合わせて変更を追跡、Cloud Functions / Workflows で自動修復も可能。
- B はカバー範囲が狭い。
- C はメトリクスで構成違反検出は弱い。
- D はリアクティブで遅い。
問題 30
シナリオ: あるアプリケーションが Pub/Sub → Dataflow → BigQuery を使うパイプラインを運用中。Dataflow ジョブのコスト最適化のため、ワーカー数や処理時間を最適化したい。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Streaming Engine + Horizontal Autoscaling で負荷追従
- B. FlexRS(Flexible Resource Scheduling)を使い、Spot 相当の安価ワーカーで実行(バッチ)
- C. すべてのジョブを最大のマシンタイプで実行
- D. 単一ワーカーで実行
- E. Compute Engine で自前 Dataflow ワーカーを管理
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A: Streaming Engine + Autoscaling で必要なワーカーのみ確保。
- B: FlexRS はバッチワークロードで Spot 相当の割引価格。SLA に応じて柔軟スケジュール。
- C はオーバープロビジョン。
- D はスループット不足。
- E は再発明。
問題 31
シナリオ: あるアプリケーションが Cloud Run でホストされている。本番デプロイ後、特定の地域のユーザーで遅延が発生していることが判明。問題のあるリクエストを特定し、ボトルネックを分析したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. OpenTelemetry で計装 + Cloud Trace で分散トレース取得 + Cloud Profiler で CPU プロファイル
- B. Cloud Logging で全リクエストをログ出力
- C. Cloud Monitoring のレイテンシダッシュボードのみ
- D. アプリケーションの再起動
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Trace + Cloud Profiler の組み合わせがレイテンシ分析の標準。OpenTelemetry で計装してマルチクラウド互換性も担保。
- B はメッセージ多すぎ、構造化困難。
- C はマクロのみ、リクエスト単位の追跡不可。
- D は問題未解決。
問題 32
シナリオ: ある企業が GCP で MLOps を実装する。データサイエンティストが Vertex AI Workbench で実験 → モデルが本番品質に達したら Vertex AI Pipelines で訓練 → Vertex AI Endpoint にデプロイの流れを自動化したい。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 3 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Vertex AI Workbench(マネージド Jupyter)で実験
- B. Vertex AI Pipelines で訓練 / 評価 / デプロイを宣言的に定義
- C. Vertex AI Experiments でメトリクス比較
- D. すべてを手動で実行
- E. Cloud Functions のみで MLOps
解答と解説
正解: A, B, C
解説:
- A: Vertex AI Workbench はマネージド Jupyter / Colab Enterprise で実験用途。
- B: Vertex AI Pipelines(Kubeflow Pipelines マネージド)で本番訓練 / デプロイの自動化。
- C: Vertex AI Experiments でモデル比較、再現性確保。
- D は MLOps の方針に反する。
- E は不十分。
問題 33
シナリオ: あるアプリケーションが Cloud SQL for PostgreSQL を使う。誤って大量データを削除してしまった。10 分前の状態に復旧したい。
質問: 最適な方法はどれか。
選択肢:
- A. Cloud SQL の Point-in-Time Recovery(PITR)で 10 分前にリカバリ
- B. 最後の自動バックアップから完全リストア
- C. Cloud Storage のバックアップから手動復旧
- D. すべて諦める
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud SQL の PITR は WAL ログを利用し、秒精度で過去の任意時点にリカバリ可能。最大保持期間(通常 7 日)以内なら 10 分前を指定可能。
- B はバックアップ取得時刻まで戻り、それ以降の更新は失われる。
- C は手動で時間がかかる。
問題 34
シナリオ: あるグローバル企業が、欧州のデータを EU 内に閉じ込めながら、グローバル全体の集計分析もしたい。データ越境制御とコスト・複雑性のバランスが必要。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. リージョナル BigQuery + BigQuery Authorized View で集計のみ別リージョンに公開(生データは越境不可)
- B. VPC Service Controls で EU プロジェクトを境界に追加
- C. 全データを単一の Global BigQuery に集約
- D. すべて手動で集計
- E. データを暗号化して越境可能とする
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A: BigQuery のリージョナルデータセット + Authorized View で生データを越境させずに集計のみ別リージョンに公開。
- B: VPC Service Controls の境界で API レベルの越境制御を強制。
- C は越境違反。
- D はスケールしない。
- E は GDPR の越境制限は暗号化では緩和されない。
問題 35
シナリオ: ある企業が AI Agent を構築し、ユーザーの自然言語指示を解析して複数の社内 API を逐次呼び出すワークフローを構築したい。
質問: 最適なアーキテクチャはどれか。
選択肢:
- A. Vertex AI Agent Builder(Agent Engine)で Gemini に Tools / Function Calling を定義
- B. Cloud Run で独自 LLM を運用
- C. Cloud Functions で if-else 分岐
- D. Dialogflow ES のみ
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Vertex AI Agent Builder(Agent Engine)は Gemini ベースの Tool Use(Function Calling)を宣言的に定義し、自然言語から複数 API を順次呼び出す Agentic Workflow を構築できる。
- B は再発明、運用負荷大。
- C は柔軟性が低い。
- D は意図分類のみで Tool Use 不足。
問題 36
シナリオ: ある企業が GCP のリソース変更履歴と現在のリソースインベントリを集中管理したい。コンプライアンス監査時に過去 1 年間の構成を再現可能にしたい。
質問: 最適なサービスはどれか。
選択肢:
- A. Cloud Asset Inventory + Cloud Asset Export to BigQuery
- B. Cloud Logging のみ
- C. Compute Engine 上で自前構成管理ツール
- D. Cloud Build で監査スクリプト
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Asset Inventory は GCP リソースの統一的なインベントリ。BigQuery Sink で長期保管、SQL で過去構成のクエリが可能。
- B はリソース構成スナップショットは取れない。
- C は再発明。
問題 37
シナリオ: あるアプリケーションが Cloud Run でホストされ、Cloud Storage にユーザーアップロードファイルを保管する。すべてのアップロードに対して自動でウイルススキャンを実行したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Storage Object Finalize イベント → Cloud Run functions(VirusTotal API / ClamAV コンテナ)→ 結果ラベリングと隔離
- B. ユーザーに手動スキャンを要求
- C. すべてのファイルを削除
- D. Cloud DNS で検査
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Storage のイベントトリガで Cloud Run functions を呼び出し、ClamAV やサードパーティ API でスキャン、感染検出時に隔離 / メタデータで除外を実装するのが標準。
- B、C、D は不適切。
問題 38
シナリオ: ある SaaS 企業が、各テナント(顧客)ごとに別々の Firestore データベースを使いたい。テナント数が増えても運用負荷を最小化したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. 単一プロジェクト内に Firestore Multi-Database(複数 DB インスタンス)を作成しテナントごとに分離
- B. テナントごとに GCP プロジェクトを作成
- C. 共有 Firestore データベースに テナント ID プレフィックスを付けて格納
- D. テナントごとに Compute Engine VM で Firestore を運用
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Firestore Multi-Database 機能(GA)は同一プロジェクト内で複数の Firestore DB を独立運用可能。データ完全分離 + 単一プロジェクト管理。SaaS マルチテナンシーの新標準。
- B はオーバーキル、運用コスト増。
- C は分離弱い。
- D は再発明。
問題 39
シナリオ: あるアプリケーションが、Cloud Storage バケットのオブジェクトに対するアクセスログを残し、誰がいつ何を読んだかを監査したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Audit Logs の Data Access ログ(読み取り)を有効化し、Log Sink で長期保存
- B. Cloud Storage のオブジェクトメタデータを毎回確認
- C. Cloud Build で監査
- D. Cloud Logging の Admin Activity のみ
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Data Access ログ(DATA_READ、DATA_WRITE)はオブジェクトアクセスを記録する。デフォルトで無効なので明示的に有効化。Log Sink で BigQuery / Cloud Storage に長期保管。
- B はリアルタイムログにならない。
- C は別目的。
- D は管理操作のみで読み取りは含まない。
問題 40
シナリオ: あるアプリケーションが GKE 上で動作し、複数のマイクロサービスが内部で通信する。マイクロサービス間の認証をシークレットなしで実装したい(mTLS)。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Service Mesh(旧 Anthos Service Mesh)で自動 mTLS を有効化
- B. 各 Pod に証明書を手動配布
- C. 認証を一切しない
- D. すべて API Gateway 経由で通信
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Service Mesh は自動 mTLS でサービス間通信を暗号化・認証。Workload Identity と連携し、証明書管理ゼロ。
- B は運用負荷大。
- C はセキュリティ違反。
- D はオーバーキル、L7 オーバーヘッド大。
問題 41
シナリオ: ある企業が、開発者がローカル PC から GCP リソースを操作するときに、長期 Service Account JSON Key を使わないようにしたい。短期トークンで認証したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Workload Identity Federation(OIDC)+ gcloud auth login(ユーザー認証)
- B. すべての開発者に Service Account Key JSON を配布
- C. Compute Engine VM 経由でのみ操作
- D. 認証なし
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Workforce Identity Federation または gcloud auth application-default login で短期トークンを取得。Service Account Key は不要。Key 漏洩リスクを排除。
- B はキー漏洩リスク(GCP のセキュリティベストプラクティス違反)。
- C は煩雑。
- D は論外。
問題 42
シナリオ: ある企業が、Cloud Storage 上の動画ファイルを Cloud CDN で配信したい。動画ファイルへの直接アクセスは制限し、有効期限付きの署名付き URL のみで配信したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Storage の Uniform Bucket Access + Signed URL(V4)+ Cloud CDN で配信
- B. Cloud Storage Bucket を Public に設定
- C. Cloud Functions で動画をストリーミング再配信
- D. Compute Engine 上にメディアサーバーを構築
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Signed URL(V4)で有効期限付きアクセス制限。Cloud CDN を組み合わせてエッジキャッシュでパフォーマンス向上。
- B はセキュリティ違反。
- C はコスト・スケーラビリティ悪化。
- D は再発明。
問題 43
シナリオ: ある企業が GKE 上でアプリケーションを運用。Pod がコンテナのまま脆弱性スキャンを実施し、本番デプロイ前にブロックしたい。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. Artifact Registry の脆弱性スキャン(Container Analysis API)を有効化
- B. Binary Authorization で署名済み / 脆弱性なしのイメージのみ Deploy 許可
- C. 脆弱性チェックを実施しない
- D. Cloud Run のみで運用
- E. すべて手動レビュー
解答と解説
正解: A, B
解説:
- A: Artifact Registry の脆弱性スキャンで CVE を継続検査。
- B: Binary Authorization で署名チェック + スキャン結果の Attestation を要求し、未署名 / 脆弱性ありの Pod を Deploy 拒否。
- C はセキュリティ違反。
- D は別目的。
- E はスケールしない。
問題 44
シナリオ: ある企業が複数の GCP リソースを Terraform で管理する。本番への適用前にプルリクエストでレビューし、適用前後の差分を確認したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Build + Terraform:
terraform planを PR 時に実行し差分を PR コメント、terraform applyをマージ後に実行 - B. ローカル PC から
terraform applyを実行 - C. 手動で gcloud コマンドを実行
- D. Cloud Functions で動的に作成
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Terraform + Cloud Build の標準パターン。GitOps による Infrastructure as Code のベストプラクティス。
- B は再現性弱い。
- C は IaC でない。
- D は別目的。
問題 45
シナリオ: ある E コマースサイトが、ユーザーの問い合わせ対応を AI Agent で自動化したい。Agent は商品仕様、配送状況、返品ポリシーなど社内ドキュメントを参照しながら回答する。データソースは Google Drive、Confluence、ServiceNow。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Vertex AI Search + Vertex AI Agent Builder で社内ドキュメントを取り込み、Gemini で回答生成
- B. Cloud Run で独自 RAG パイプラインを構築
- C. Gemini を社内ドキュメントでファインチューニング
- D. Cloud Functions で 1 リクエストあたりすべて検索
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Vertex AI Search は Drive、Confluence、ServiceNow 等のコネクタを内蔵したマネージド RAG。Agent Builder と組み合わせて Gemini に統合。
- B は再発明で運用負荷大。
- C はドキュメント更新が頻繁な場合非現実的。
- D は実装可能だが Vertex AI Search の方がマネージド。
問題 46
シナリオ: あるアプリケーションが BigQuery にクエリを実行するが、クエリコストを予測したい。事前にコストを計算してから実行する仕組みが必要。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. BigQuery の
--dry-runオプションでクエリのスキャンバイト数を事前計算 - B. クエリを実行してから請求書を見る
- C. Cloud Functions で見積もり
- D. 推測する
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。BigQuery の dry-run は実際にクエリ実行せず、スキャンバイト数を返す。アプリケーションで事前計算して上限超過時はブロック可能。
- B はリアクティブ。
- C は再発明。
問題 47
シナリオ: あるアプリケーションが Cloud Run 上で動作し、本番リリースを段階的にロールアウトしたい。最初の 1 時間はトラフィックの 10%、次の 1 時間で 50%、最終的に 100% に切り替える。エラー率が閾値を超えたら自動ロールバックしたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Deploy のリリースパイプラインで段階的トラフィック切替 + Cloud Monitoring でエラー率を監視、Cloud Functions で自動ロールバック
- B. すべてのトラフィックを一度に切替
- C. 手動で 30 分ごとに監視
- D. Cloud Build で再ビルド
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Cloud Deploy + Cloud Monitoring(SLO / Alert Policy)で自動ロールバック付きの段階リリースが GCP の標準。
- B はリスク大。
- C は属人的。
- D は別目的。
問題 48
シナリオ: ある企業が ML モデルを本番運用中。モデルが特定の属性(性別、年齢)に対してバイアスを持っていないか継続的に評価したい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Vertex AI Model Evaluation でバイアスメトリクス(Demographic Parity、Equal Opportunity 等)を継続評価し、Vertex AI Model Monitoring と組み合わせる
- B. 手動で目視確認
- C. すべてのモデルを再訓練
- D. バイアスは無視
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Vertex AI Model Evaluation はバイアスメトリクスを評価する責任ある AI 機能。Vertex AI Model Monitoring と組み合わせて継続評価可能。2025 改訂の Responsible AI の核心。
- B はスケールしない。
- C はオーバーキル。
- D は責任ある AI に反する。
問題 49
シナリオ: ある企業が GCP のコストを最適化したい。Compute Engine の長期稼働ワークロードに対して、3 年間の Committed Use Discounts(CUD)で割引を受けたい。
質問: 最適な構成として、必要な要素を 2 つ 選びなさい。
選択肢:
- A. 3 年 Resource-based CUD(特定マシンタイプ)または Spend-based CUD(金額ベース)を購入
- B. すべて On-demand で運用
- C. Sustained Use Discount(自動適用)+ CUD(明示購入)の組み合わせを最大化
- D. すべて Spot VM で運用(本番含む)
- E. CUD は購入しない
解答と解説
正解: A, C
解説:
- A: 3 年 CUD は最大の割引率(最大 70% 程度)。長期稼働ワークロードに最適。
- C: Sustained Use Discount は自動適用、CUD は明示購入。両者は併用可能で最適化。
- B、D、E は最適化されない。
問題 50
シナリオ: ある企業の SRE チームが、ある重要サービスについて「リクエストの 99.9% を 200 ms 以内に応答する」という SLO を運用している。エラーバジェット消費が急速に進む場合、即座にチームへアラートしたい。
質問: 最適な構成はどれか。
選択肢:
- A. Cloud Monitoring SLO で SLI(レイテンシ)を定義し、Burn Rate Alert(短期 / 長期の 2 軸)を設定
- B. 毎週 SRE が手動で計算
- C. Cloud Build でアラート
- D. Cloud Logging のみ
解答と解説
正解: A
解説:
- A が正解。Burn Rate Alert は短期(1 時間)と長期(数日)の 2 軸で監視する SRE 推奨パターン。短期で大幅消費なら即時アラート、長期で持続消費なら計画的対応。Google SRE Book の標準実装。
- B はリアクティブ。
- C、D は別目的。
採点
- 正答数: ____ / 50
- 正答率: ____ %
- 合格ライン: 70 %(35 問以上)
セクション別正答数
問題番号と推奨セクションの対応表(弱点把握用):
| 問題 | セクション | 内容 |
|---|---|---|
| 1, 2, 3, 4, 5 | 1-5 | ケーススタディ: Cymbal Retail(Gen AI、スケール、DB、観測、AI 運用) |
| 6, 7, 8, 9, 10 | 1-5 | ケーススタディ: KnightMotives Automotive(IoT、データローカリティ、API 管理、MLOps、移行) |
| 11, 13, 19, 23, 24, 38 | Section 1 | アーキ設計と計画 |
| 16, 18, 25, 26, 30, 49 | Section 2 | インフラ管理とプロビジョニング |
| 12, 14, 15, 17, 27, 39, 40, 41, 42 | Section 3 | セキュリティとコンプライアンス |
| 21, 22, 29, 31, 33, 36, 46 | Section 4 | 技術ビジネスプロセス分析 |
| 20, 32, 34, 35, 37, 43, 45, 48 | Section 5 | 実装管理 |
| 28, 44, 47, 50 | Section 6 | 運用卓越性 |
セクション別の正答数を集計してください:
- Section 1 (12 問): ___
- Section 2 (8 問): ___
- Section 3 (8 問): ___
- Section 4 (8 問): ___
- Section 5 (7 問): ___
- Section 6 (7 問): ___
弱点別の復習ガイド
- Section 1 で間違い多 →
../02_学習資料/01_アーキ設計と計画/ - Section 2 で間違い多 →
../02_学習資料/02_インフラ管理とプロビジョニング/ - Section 3 で間違い多 →
../02_学習資料/03_セキュリティとコンプライアンス/ - Section 4 で間違い多 →
../02_学習資料/04_技術ビジネスプロセス分析/ - Section 5 で間違い多 →
../02_学習資料/05_実装管理/ - Section 6 で間違い多 →
../02_学習資料/06_運用卓越性/
復習のコツ
- 間違えた問題は当日中に解説を読み直す
- 同じ間違いを繰り返した場合、関連する公式ドキュメントを読む
- 2 週目では時間を計らず、各選択肢の正誤理由を言語化できるか確認
- ケーススタディは要件 → 設計 → 検証の順で何度も読み直す
- 模擬試験 1 と組み合わせて 4 つのケーススタディ(Altostrat / EHR / Cymbal / KnightMotives)すべてに慣れる