問題集 セクション1:データ処理システムの設計
Google Cloud Professional Data Engineer(2024年改訂試験範囲準拠)のセクション1「データ処理システムの設計」を、本番同様のシナリオ形式で固める問題集です。
使い方
- 全 15問。本番に近いシナリオ形式(企業の状況・要件から最適なサービス/構成を選ぶ)が中心です。
- 形式:単一選択(4択)12問 + 複数選択(2つ選べ)3問。
- 各問に難易度アイコン(📘基礎 / 🔧応用 / 🎯発展)を付けています。
- まず自力で解答 →
▶ 正解と解説を開いて答え合わせ。 - 解説の「なぜ他の選択肢がダメか(❌)」まで必ず読むこと。 ここに学習価値の核があります。正解を当てるより「誤答を消せる理由」を言語化できるかが本番の合否を分けます。
- 目標正答率:80%(15問中12問)以上。
難易度内訳
- 📘 基礎:Q1・Q5・Q9・Q13(4問)
- 🔧 応用:Q2・Q3・Q6・Q8・Q11・Q12・Q14(7問)
- 🎯 発展:Q4・Q7・Q10・Q15(4問)
Q1 📘 単一選択
スタートアップのデータチームが BigQuery を導入した。当初はオーナー権限を全エンジニアに付与していたが、本番運用に向けてアクセス制御を見直すことになった。Google が推奨する IAM のベストプラクティスとして最も適切なものはどれか。
- A. 全員に基本ロール(オーナー/編集者)を付与し、運用速度を優先する
- B. 個人ユーザーごとに事前定義ロールを直接付与し、必要に応じて随時追加する
- C. Google グループに対して、必要最小限の事前定義ロールを付与する
- D. 各エンジニアにサービスアカウントの鍵ファイルを配布し、その鍵で操作させる
▶ 正解と解説
正解:C
解説: IAM のベストプラクティスは「最小権限の原則」と「個人ではなく Google グループへ付与」の組み合わせ。グループに事前定義ロールを付与すれば、異動・入退社時はグループのメンバー変更だけで権限管理が完結し、付与漏れ・剥奪漏れを防げます。
- ❌ A:基本ロール(オーナー/編集者/閲覧者)は権限が広すぎ、本番では非推奨。最小権限に反する。
- ❌ B:個人へ直接付与すると人数分の管理が発生し、退職・異動時の剥奪漏れが起きやすい。グループ付与が推奨。
- ❌ D:サービスアカウント鍵ファイルの配布は鍵漏洩リスクが高く、そもそも人間の操作には使わない。鍵配布は避け Workload Identity 連携が推奨。
Q2 🔧 単一選択
ある金融サービス企業は、BigQuery に保存した取引データへのアクセスを roles/bigquery.dataViewer で必要なアナリストだけに限定し、最小権限を徹底している。しかしセキュリティ監査で「正規の認証情報が漏洩した場合、または内部者が認証情報を悪用した場合、データが社外に持ち出される経路が塞げていない」と指摘された。この指摘に直接対応するために追加すべき構成はどれか。
- A. すべてのデータセットを CMEK で暗号化する
- B. VPC Service Controls でサービス境界を作成し、境界外へのデータ移動をブロックする
- C. アナリストのロールを
roles/bigquery.dataViewerからカスタムロールに変更する - D. Cloud DLP で取引データ内の PII をマスキングする
▶ 正解と解説
正解:B
解説: これは試験頻出パターンです。IAM は「誰が・何を」できるかを制御しますが、正規権限を持つ主体や漏洩した認証情報による持ち出しは防げません。VPC Service Controls はサービス境界(perimeter)を作り、境界外(許可していない VPC やインターネット)へのデータ移動そのものをブロックするため、認証情報漏洩・内部不正による持ち出しに直接対応できます。
- ❌ A:CMEK は鍵管理を顧客が制御する暗号化。保存データの保護であり、正規アクセスによる持ち出し経路は塞げない。
- ❌ C:カスタムロールも IAM の枠内であり、権限の粒度を変えるだけ。漏洩した認証情報の持ち出しは防げない。
- ❌ D:DLP は PII のマスキング/トークン化。データの中身の機密度を下げるが、データ持ち出しの境界制御ではない。
📖 関連:02_応用.md の「VPC Service Controls」(⚠️試験頻出)
Q3 🔧 単一選択
医療系 SaaS 企業のコンプライアンス要件で、「暗号鍵を Google Cloud 内のシステムに一切預けてはならず、鍵は自社のオンプレ HSM で生成・保持する」と定められた。BigQuery / Cloud Storage で扱うデータの暗号化方式として要件を満たすものはどれか。
- A. Google が管理するデフォルト暗号化
- B. CMEK(Cloud KMS で鍵を管理)
- C. CSEK(顧客提供暗号鍵)
- D. アプリケーション側で独自に暗号化してから保存する
▶ 正解と解説
正解:C
解説: CSEK(Customer-Supplied Encryption Key/顧客提供暗号鍵) は、顧客が自分で生成・保持する鍵を持ち込み、鍵を Google Cloud に保管させない方式。「鍵を GCP に一切預けない厳格な要件」というキーワードは CSEK を指します。
- ❌ A:デフォルト暗号化は Google が鍵を管理するため、「鍵を預けない」要件に反する。
- ❌ B:CMEK は顧客が鍵を制御できるが、鍵は Cloud KMS(GCP 内) に保管される。「GCP に一切預けない」要件は満たせない。CMEK と CSEK の違いを突くひっかけ。
- ❌ D:独自暗号化はマネージドな鍵管理を放棄する運用負荷の高い実装で、Google が用意した正解の型ではない。要件は持ち込み鍵方式(CSEK)で満たせる。
📖 関連:03_要点と暗記.md の「暗号化の3方式」/02_応用.md の「CMEK vs CSEK」
Q4 🎯 単一選択
ある企業では、顧客の氏名・電話番号・クレジットカード番号を含む生データを BigQuery に取り込んでいる。データアナリストには地域別の集計レポートだけを見せ、個人情報(PII)そのものは一切見せたくない。一方で、データ品質チームは取り込み時点で生 PII を BigQuery に保存すること自体を避けたいと考えている。この2つの要件を同時に満たす設計として最も適切なものはどれか。
- A. 生データをそのまま BigQuery に保存し、アナリストには閲覧者ロールのみ付与する
- B. 取り込み時に Cloud DLP で PII をトークン化/マスキングしてから BigQuery へ格納し、アナリストには集計を返す承認済みビュー経由でアクセスさせる
- C. PII 列を含むテーブルを CMEK で暗号化し、アナリストには復号鍵を渡さない
- D. アナリスト用に別プロジェクトを作成し、生データテーブルをそのままコピーする
▶ 正解と解説
正解:B
解説: 2つの要件を別々のサービスに割り当てる典型的な設計問題です。①「生 PII を保存しない」→ 取り込み時に Cloud DLP でトークン化/マスキングしてから格納。②「アナリストに集計だけ見せ、元テーブルへの直接権限を与えない」→ 承認済みビュー(Authorized View)。承認済みビューは、元テーブルへの直接アクセス権を与えずにビューの結果だけを参照させられます(必要なら列レベルのポリシータグも併用)。
- ❌ A:生データをそのまま保存しており「生 PII を保存しない」要件に反する。閲覧者ロールでもテーブル内容(PII)は見えてしまう。
- ❌ C:CMEK の鍵を渡さなくても、テーブルへの読み取り権限があれば BigQuery は自動復号して内容を返す。CMEK はアナリストからの列マスキング手段ではない。
- ❌ D:生データのコピーは PII を複製して拡散させるだけで、両要件のどちらも満たさない。
📖 関連:02_応用.md の「PII 保護の設計パターン」(承認済みビュー+列レベルセキュリティ)
Q5 📘 単一選択
EU 圏の顧客データを扱う企業が、「EU の顧客データは EU 域内に保存しなければならない」というデータ主権(Data Sovereignty)要件に対応している。BigQuery を使う際、設計段階で最も注意すべき点はどれか。
- A. BigQuery データセットのロケーションは作成後に変更できないため、最初に EU リージョン/マルチリージョンで作成する
- B. データセット作成後でも、いつでも UI からロケーションを EU に変更できる
- C. データ主権はネットワーク設定の問題であり、保存ロケーションとは無関係である
- D. EU 要件はテーブル単位でロケーションを指定すればよく、データセットのロケーションは任意でよい
▶ 正解と解説
正解:A
解説: BigQuery のデータセットはロケーションが作成後に変更できません。そのため、データ主権要件がある場合は設計段階で EU リージョン/マルチリージョンを確定させる必要があります。これは試験頻出の「後戻りできないロケーション選定」のひっかけです。
- ❌ B:データセットのロケーションは後から変更不可。誤った認識を突く誤答。
- ❌ C:データ主権はまさに「データの保存・処理ロケーション」の問題。ネットワーク設定とは別軸。
- ❌ D:テーブルは所属するデータセットのロケーションに従う。データセット単位でロケーションが決まるため、データセットのロケーション選定が本質。
📖 関連:01_基礎.md の「1.1 ⑤ リージョン考慮(データ主権)」
Q6 🔧 単一選択
グローバル展開する配車サービスが、世界中の複数リージョンから同時に書き込まれる決済トランザクションを処理する基盤を設計している。要件は「グローバル規模で水平スケールしつつ、強整合性のある ACID トランザクションを保証すること」。最適なストレージはどれか。
- A. Cloud Bigtable
- B. Cloud Spanner
- C. Firestore
- D. Cloud SQL(単一リージョン、高可用性構成)
▶ 正解と解説
正解:B
解説: 「グローバル分散 + 強整合 + 水平スケール + ACID トランザクション」という組み合わせは、ほぼ Cloud Spanner 一択です。Spanner はグローバルに分散しながら強整合なトランザクションと無停止スケールを両立する唯一のサービスです。
- ❌ A:Bigtable は超低レイテンシ・大量書き込み向けだが結果整合性寄りで、複数行にまたがる ACID トランザクションには不向き。
- ❌ C:Firestore はドキュメント型でモバイル同期に強いが、グローバル規模の高スループット決済トランザクション基盤の主役ではない。
- ❌ D:Cloud SQL は強整合な RDB だが単一リージョン中心で、グローバル規模の水平スケール要件を満たさない。HA 構成でも対象はリージョン内の可用性。
📖 関連:02_応用.md の「ストレージの ACID/整合性選定」/03_要点と暗記.md の「整合性とストレージ」
Q7 🎯 単一選択
産業 IoT 企業が、数十万台のセンサーから毎秒数百万件の時系列データを書き込み、ダッシュボードでは直近データをミリ秒単位で読み取る基盤を必要としている。トランザクションの強整合性は不要で、結果整合性で問題ない。最適なストレージはどれか。
- A. Cloud Spanner
- B. Cloud SQL
- C. Cloud Bigtable
- D. BigQuery(ストリーミング挿入)
▶ 正解と解説
正解:C
解説: 「ペタバイト級の時系列・毎秒数百万件の書き込み・ミリ秒読み取り・結果整合性で可」という条件は Cloud Bigtable の典型的なユースケースです。高スループットの大量書き込みと低レイテンシ読み取りに最適化された NoSQL ワイドカラムストアです。
- ❌ A:Spanner は強整合・グローバル分散が必要な場合に選ぶ。ここでは強整合不要で、コスト・スループット面で Bigtable が適切。
- ❌ B:Cloud SQL は汎用 RDB で、毎秒数百万件規模の書き込みスループットには向かない。
- ❌ D:BigQuery は分析(OLAP)向け DWH。ストリーミング挿入は可能だが、ミリ秒の個別キー読み取りや超高スループットの運用系ワークロードには Bigtable が適する。
📖 関連:02_応用.md の「ストレージの ACID/整合性選定」(⚠️「ペタバイト級の時系列、ミリ秒読み取り」→ Bigtable)
Q8 🔧 単一選択
ある企業がオンプレミスの MySQL データベースを Cloud SQL for MySQL へ移行する。本番稼働中のためダウンタイムを最小化したく、移行中も継続的にソースの変更を反映させたい。最適な移行サービスはどれか。
- A. Database Migration Service(DMS)
- B. BigQuery Data Transfer Service
- C. Transfer Appliance
- D. Storage Transfer Service
▶ 正解と解説
正解:A
解説: 「DB そのものを移す + ダウンタイム最小化 + 継続レプリケーション」は Database Migration Service(DMS) の典型ユースケースです。DMS は MySQL/PostgreSQL などを Cloud SQL/AlloyDB へ移行し、継続レプリケーションで差分を反映してカットオーバー時のダウンタイムを最小化します。
- ❌ B:BigQuery Data Transfer Service は他 DWH/SaaS から BigQuery への定期取り込み用。Cloud SQL への DB 移行ではない。
- ❌ C:Transfer Appliance は数十 TB〜PB のオフライン物理転送用。継続的な DB レプリケーション移行の手段ではない。
- ❌ D:Storage Transfer Service は S3/オンプレのファイルを GCS へ転送するサービス。DB 移行ではない。
📖 関連:01_基礎.md の「1.4 ② 移行サービスの使い分け」/02_応用.md の「移行サービス選定(決定木)」
Q9 📘 単一選択
データチームが、オンプレの Oracle データベースで日々発生する変更(INSERT/UPDATE/DELETE)を、リアルタイムに近い形で継続的に BigQuery へ複製し、分析に使いたいと考えている。サーバーレスで CDC(変更データキャプチャ)を実現するサービスはどれか。
- A. Datastream
- B. Cloud Composer
- C. Transfer Appliance
- D. Dataform
▶ 正解と解説
正解:A
解説: Datastream はサーバーレスの CDC(Change Data Capture) サービスで、ソース DB の変更を継続的にキャプチャして BigQuery や Cloud Storage へリアルタイムに近い形で複製します。「DB の変更を継続的に流す」というキーワードは Datastream を指します。
- ❌ B:Cloud Composer はマネージド Airflow で、パイプラインのオーケストレーション(依存関係に沿った実行・スケジューリング)を担う。CDC レプリケーション自体は行わない。
- ❌ C:Transfer Appliance は一度きりの巨大データのオフライン物理転送用で、継続的な変更複製には使わない。
- ❌ D:Dataform は BigQuery 内の SQL 変換(ELT) をバージョン管理・テストするツール。ソース DB からの CDC 複製ではない。
📖 関連:01_基礎.md の「1.4 ② 移行サービスの使い分け」(Datastream)
Q10 🎯 単一選択
ある製造業が、オンプレのデータセンターに蓄積した約 800 TB の履歴データを Google Cloud へ移行したい。社内ネットワークの上り帯域は限られており、オンラインでの転送では数か月を要すると試算された。最適な移行手段はどれか。
- A. Storage Transfer Service でオンラインアップロードする
- B. gsutil(gcloud storage)で並列アップロードする
- C. Transfer Appliance を取り寄せ、データを書き込んで返送するオフライン転送
- D. Datastream で継続的に GCS へ複製する
▶ 正解と解説
正解:C
解説: 「数十 TB〜PB 級 + ネットワーク帯域が限られ、オンライン転送が非現実的」という条件は Transfer Appliance の典型ユースケースです。物理アプライアンスにデータを書き込んで Google へ返送し、オフラインで GCS に取り込みます。800 TB を限られた帯域で送る本問はこれに該当します。
- ❌ A:Storage Transfer Service はオンライン転送が現実的な場合に有効。帯域が限られ数か月かかる本問では不適。
- ❌ B:gsutil/gcloud storage の並列アップロードもネットワーク依存で、帯域不足の根本問題を解決しない。
- ❌ D:Datastream は DB の継続的 CDC 用。800 TB の一括履歴移行の手段ではない。
📖 関連:03_要点と暗記.md の Q5(Transfer Appliance)/ひっかけ「大量データを通常のネットワークで転送 → Transfer Appliance」
Q11 🔧 複数選択(2つ選べ)
多国籍企業が、自社データを Google Cloud に移動・コピーすることなく、AWS S3 上に保持したまま BigQuery で分析したい。データ移動に伴う転送コストとデータ主権上の越境を避けることが目的である。この要件に合致する選択肢を 2つ 選べ。
- A. BigQuery Omni
- B. Cloud SQL のクロスリージョンレプリカ
- C. オープンフォーマット(Parquet/Iceberg)と BigLake を組み合わせ、ストレージとコンピュートを分離する
- D. すべての S3 データを Storage Transfer Service で GCS にコピーしてから分析する
- E. Cloud Composer で毎晩 S3 から BigQuery へバッチコピーする
▶ 正解と解説
正解:A・C
解説: 「データを移動・コピーせずマルチクラウドで分析」は BigQuery Omni と BigLake が答えです。BigQuery Omni は AWS S3/Azure 上のデータを移動させずその場で分析でき、越境やデータ移動コストを回避します。BigLake はオープンフォーマット(Parquet/Iceberg)でストレージとコンピュートを分離し、ロックインを軽減しつつ外部データを統一的に扱えます。
- ❌ B:Cloud SQL のクロスリージョンレプリカは DB の可用性/DR 向けで、S3 データを移動せず分析する話とは無関係。
- ❌ D:S3 を GCS へコピーするのは「データを移動・コピーしない」要件に真っ向から反する。
- ❌ E:毎晩のバッチコピーもデータ複製であり、転送コスト・越境を避ける要件に反する。
📖 関連:02_応用.md の「マルチクラウド戦略」(⚠️「データをコピーせずマルチクラウドで分析」→ BigQuery Omni / BigLake)
Q12 🔧 複数選択(2つ選べ)
ストリーミングパイプラインを運用するチームが、データの信頼性と忠実性を高めたい。具体的には「①取り込んだデータが期待どおりか(NULL・一意性・参照整合性)を宣言的に検証する」「②パイプライン中の不正レコードで処理全体が止まらないようにする」の2点。これらを実現する手段として適切なものを 2つ 選べ。
- A. Dataform のアサーションで NULL/一意性/参照整合性を宣言的にテストする
- B. パイプラインにデッドレターキューを設け、不正レコードを隔離して処理を継続する
- C. すべてのレコードを CMEK で暗号化する
- D. BigQuery のタイムトラベルを 7 日から 30 日に延長する
- E. IAM の基本ロールをすべてのユーザーに付与する
▶ 正解と解説
正解:A・B
解説: ①データ検証は Dataform のアサーションで NULL/一意性/参照整合性を宣言的にテストできます。②不正レコードで処理を止めないためには デッドレターキュー(DLQ) を設け、処理できないレコードを隔離して本流の処理を継続させます。この2つはデータ品質設計の定番です。
- ❌ C:CMEK は暗号化(データ保護)であり、データ検証や不正レコード隔離とは無関係。
- ❌ D:タイムトラベルは論理破損からの復旧(DR/リカバリ)に有効だが、取り込み時のデータ検証や不正レコードの隔離手段ではない。なお BigQuery のタイムトラベルは既定 7 日で、本問の目的とは別軸。
- ❌ E:基本ロールの全員付与は最小権限に反するアンチパターンで、信頼性向上とは無関係。
Q13 📘 単一選択
データガバナンスの一環として、社内に散在するデータレイク/ウェアハウスを横断的に管理し、「どこに・どんなデータがあるか」を検索・発見可能にして、シャドーデータ(管理外データ)を減らしたい。中心となるサービスはどれか。
- A. Dataplex(および Dataplex Catalog)
- B. Cloud Monitoring
- C. Cloud KMS
- D. Cloud Composer
▶ 正解と解説
正解:A
解説: Dataplex はデータレイク/ウェアハウスを横断する統合データ管理サービスで、ドメイン(レイク/ゾーン)を定義して品質・セキュリティを横断適用します。Dataplex Catalog はメタデータカタログとして「どこに・何のデータがあるか」を検索・発見・タグ付けでき、シャドーデータの削減に有効です。
- ❌ B:Cloud Monitoring はメトリクス監視(可観測性)であり、データカタログ/ガバナンスではない。
- ❌ C:Cloud KMS は暗号鍵の管理。データの発見・カタログ化とは無関係。
- ❌ D:Cloud Composer はパイプラインのオーケストレーション(Airflow)。データ資産の検索・発見が役割ではない。
📖 関連:01_基礎.md の「1.3 ③ ステージング・カタログ化・ディスカバリ」/02_応用.md の「ガバナンスの設計」
Q14 🔧 単一選択
ある企業の DR(災害復旧)要件は「リージョン障害が起きてもデータ損失(RPO)と復旧時間(RTO)をほぼゼロに抑える」こと。グローバルな決済トランザクションを保持する RDB の構成として、この要件に最も適うものはどれか。
- A. 単一リージョンの Cloud SQL を毎日 GCS にエクスポートしてバックアップする
- B. Cloud Spanner のマルチリージョン構成を採用する
- C. Bigtable の単一クラスタにすべての書き込みを集約する
- D. BigQuery のタイムトラベル(7 日)だけに依存する
▶ 正解と解説
正解:B
解説: 「RPO/RTO ほぼゼロ + グローバル + トランザクション RDB」という要件には、Cloud Spanner のマルチリージョン構成が適します。Spanner マルチリージョンは複数リージョンに同期レプリケーションし、リージョン障害時もデータ損失をほぼゼロに保ったまま可用性を維持します(応用資料でも RPO/RTO 厳しい場合の構成例として挙げられています)。
- ❌ A:1 日 1 回のエクスポートでは最大 1 日分のデータ損失が発生し、RPO ほぼゼロを満たさない。コスト優先・RPO 数時間許容のケース向け。
- ❌ C:Bigtable 単一クラスタはリージョン/ゾーン障害に弱く、強整合なトランザクション RDB 要件にも合わない。
- ❌ D:タイムトラベルは論理破損からの復旧手段であり、リージョン障害時の RPO/RTO ゼロを保証する仕組みではない。また BigQuery は分析用途で本問の RDB トランザクション要件と別軸。
📖 関連:02_応用.md の「DR 戦略(RPO/RTO で構成を変える)」
Q15 🎯 単一選択
多国籍小売企業が次の要件を持つ。①各国の購買データ(PII 含む)を扱う、②EU データは EU 域内保存が必須、③分析者には PII を見せない、④認証情報漏洩でもデータが社外へ持ち出されない境界が必要。アーキテクチャ設計として、各要件への割り当てが最も適切な組み合わせはどれか。
- A. ②EU 用にロケーションを EU に固定したデータセットを分離+組織ポリシーで誤配置防止、③取り込み時 DLP でトークン化+承認済みビュー、④VPC Service Controls で境界設定
- B. ②全データを単一の US マルチリージョンに集約、③閲覧者ロールのみ付与、④CMEK で暗号化
- C. ②データセット作成後に EU へロケーション変更、③アナリストに生データをコピー、④IAM の最小権限のみ
- D. ②EU データもグローバルに複製、③DLP は使わず列を削除、④Cloud Monitoring でアクセス監視
▶ 正解と解説
正解:A
解説: これは複数要件を各サービスへ割り当てる統合シナリオ(本番の設計問題そのもの)です。正しい割り当ては——②データ主権:EU ロケーションに固定したデータセットを分離し、組織ポリシーで誤配置を防止、③PII 非開示:取り込み時に DLP でトークン化+承認済みビュー経由でアクセス、④持ち出し防止:VPC Service Controls で境界設定。すべて応用資料の統合シナリオの骨子と一致します。
- ❌ B:全データ US 集約は EU データ主権に違反。閲覧者ロールでは PII が見えてしまい、CMEK は持ち出し境界の手段でもない。
- ❌ C:BigQuery データセットのロケーションは作成後変更不可(誤り)。生データのコピーは PII を拡散。IAM 最小権限だけでは漏洩時の持ち出しを防げない。
- ❌ D:EU データのグローバル複製は主権違反。Cloud Monitoring は監視であり持ち出しの境界制御ではない。
📖 関連:02_応用.md の「統合シナリオ演習」(データ主権・DLP・承認済みビュー・VPC SC の組み合わせ)
自己採点
採点して、正答数を記録しましょう。
| 項目 | 記録 |
|---|---|
| 正答数 | ___ / 15 |
| 正答率 | ___ % |
| 受験日 | ____ / ____ / ____ |
- 正答率 80%(12/15)以上:合格ライン。間違えた問題の「❌ なぜ他の選択肢がダメか」を再読し、関連トピックを確認しておきましょう。
- 正答率 80% 未満:学習資料に戻って復習を。特に間違えたトピックを重点的に。
- 仕上げに 03_要点と暗記.md の暗記テーブルと一問一答を白紙から再現できるか確認しましょう。