section1_問題集

問題集 セクション1:データ処理システムの設計

Google Cloud Professional Data Engineer(2024年改訂試験範囲準拠)のセクション1「データ処理システムの設計」を、本番同様のシナリオ形式で固める問題集です。

使い方

難易度内訳


Q1 📘 単一選択

スタートアップのデータチームが BigQuery を導入した。当初はオーナー権限を全エンジニアに付与していたが、本番運用に向けてアクセス制御を見直すことになった。Google が推奨する IAM のベストプラクティスとして最も適切なものはどれか。

▶ 正解と解説

正解:C

解説: IAM のベストプラクティスは「最小権限の原則」と「個人ではなく Google グループへ付与」の組み合わせ。グループに事前定義ロールを付与すれば、異動・入退社時はグループのメンバー変更だけで権限管理が完結し、付与漏れ・剥奪漏れを防げます。

📖 関連:01_基礎.md の「1.1 ① IAM」/02_応用.md の「IAM 設計のベストプラクティス」


Q2 🔧 単一選択

ある金融サービス企業は、BigQuery に保存した取引データへのアクセスを roles/bigquery.dataViewer で必要なアナリストだけに限定し、最小権限を徹底している。しかしセキュリティ監査で「正規の認証情報が漏洩した場合、または内部者が認証情報を悪用した場合、データが社外に持ち出される経路が塞げていない」と指摘された。この指摘に直接対応するために追加すべき構成はどれか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: これは試験頻出パターンです。IAM は「誰が・何を」できるかを制御しますが、正規権限を持つ主体や漏洩した認証情報による持ち出しは防げませんVPC Service Controls はサービス境界(perimeter)を作り、境界外(許可していない VPC やインターネット)へのデータ移動そのものをブロックするため、認証情報漏洩・内部不正による持ち出しに直接対応できます。

📖 関連:02_応用.md の「VPC Service Controls」(⚠️試験頻出)


Q3 🔧 単一選択

医療系 SaaS 企業のコンプライアンス要件で、「暗号鍵を Google Cloud 内のシステムに一切預けてはならず、鍵は自社のオンプレ HSM で生成・保持する」と定められた。BigQuery / Cloud Storage で扱うデータの暗号化方式として要件を満たすものはどれか。

▶ 正解と解説

正解:C

解説: CSEK(Customer-Supplied Encryption Key/顧客提供暗号鍵) は、顧客が自分で生成・保持する鍵を持ち込み、鍵を Google Cloud に保管させない方式。「鍵を GCP に一切預けない厳格な要件」というキーワードは CSEK を指します。

📖 関連:03_要点と暗記.md の「暗号化の3方式」/02_応用.md の「CMEK vs CSEK」


Q4 🎯 単一選択

ある企業では、顧客の氏名・電話番号・クレジットカード番号を含む生データを BigQuery に取り込んでいる。データアナリストには地域別の集計レポートだけを見せ、個人情報(PII)そのものは一切見せたくない。一方で、データ品質チームは取り込み時点で生 PII を BigQuery に保存すること自体を避けたいと考えている。この2つの要件を同時に満たす設計として最も適切なものはどれか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: 2つの要件を別々のサービスに割り当てる典型的な設計問題です。①「生 PII を保存しない」→ 取り込み時に Cloud DLP でトークン化/マスキングしてから格納。②「アナリストに集計だけ見せ、元テーブルへの直接権限を与えない」→ 承認済みビュー(Authorized View)。承認済みビューは、元テーブルへの直接アクセス権を与えずにビューの結果だけを参照させられます(必要なら列レベルのポリシータグも併用)。

📖 関連:02_応用.md の「PII 保護の設計パターン」(承認済みビュー+列レベルセキュリティ)


Q5 📘 単一選択

EU 圏の顧客データを扱う企業が、「EU の顧客データは EU 域内に保存しなければならない」というデータ主権(Data Sovereignty)要件に対応している。BigQuery を使う際、設計段階で最も注意すべき点はどれか。

▶ 正解と解説

正解:A

解説: BigQuery のデータセットはロケーションが作成後に変更できません。そのため、データ主権要件がある場合は設計段階で EU リージョン/マルチリージョンを確定させる必要があります。これは試験頻出の「後戻りできないロケーション選定」のひっかけです。

📖 関連:01_基礎.md の「1.1 ⑤ リージョン考慮(データ主権)」


Q6 🔧 単一選択

グローバル展開する配車サービスが、世界中の複数リージョンから同時に書き込まれる決済トランザクションを処理する基盤を設計している。要件は「グローバル規模で水平スケールしつつ、強整合性のある ACID トランザクションを保証すること」。最適なストレージはどれか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説:グローバル分散 + 強整合 + 水平スケール + ACID トランザクション」という組み合わせは、ほぼ Cloud Spanner 一択です。Spanner はグローバルに分散しながら強整合なトランザクションと無停止スケールを両立する唯一のサービスです。

📖 関連:02_応用.md の「ストレージの ACID/整合性選定」/03_要点と暗記.md の「整合性とストレージ」


Q7 🎯 単一選択

産業 IoT 企業が、数十万台のセンサーから毎秒数百万件の時系列データを書き込み、ダッシュボードでは直近データをミリ秒単位で読み取る基盤を必要としている。トランザクションの強整合性は不要で、結果整合性で問題ない。最適なストレージはどれか。

▶ 正解と解説

正解:C

解説:ペタバイト級の時系列・毎秒数百万件の書き込み・ミリ秒読み取り・結果整合性で可」という条件は Cloud Bigtable の典型的なユースケースです。高スループットの大量書き込みと低レイテンシ読み取りに最適化された NoSQL ワイドカラムストアです。

📖 関連:02_応用.md の「ストレージの ACID/整合性選定」(⚠️「ペタバイト級の時系列、ミリ秒読み取り」→ Bigtable)


Q8 🔧 単一選択

ある企業がオンプレミスの MySQL データベースを Cloud SQL for MySQL へ移行する。本番稼働中のためダウンタイムを最小化したく、移行中も継続的にソースの変更を反映させたい。最適な移行サービスはどれか。

▶ 正解と解説

正解:A

解説:DB そのものを移す + ダウンタイム最小化 + 継続レプリケーション」は Database Migration Service(DMS) の典型ユースケースです。DMS は MySQL/PostgreSQL などを Cloud SQL/AlloyDB へ移行し、継続レプリケーションで差分を反映してカットオーバー時のダウンタイムを最小化します。

📖 関連:01_基礎.md の「1.4 ② 移行サービスの使い分け」/02_応用.md の「移行サービス選定(決定木)」


Q9 📘 単一選択

データチームが、オンプレの Oracle データベースで日々発生する変更(INSERT/UPDATE/DELETE)を、リアルタイムに近い形で継続的に BigQuery へ複製し、分析に使いたいと考えている。サーバーレスで CDC(変更データキャプチャ)を実現するサービスはどれか。

▶ 正解と解説

正解:A

解説: Datastream はサーバーレスの CDC(Change Data Capture) サービスで、ソース DB の変更を継続的にキャプチャして BigQuery や Cloud Storage へリアルタイムに近い形で複製します。「DB の変更を継続的に流す」というキーワードは Datastream を指します。

📖 関連:01_基礎.md の「1.4 ② 移行サービスの使い分け」(Datastream)


Q10 🎯 単一選択

ある製造業が、オンプレのデータセンターに蓄積した約 800 TB の履歴データを Google Cloud へ移行したい。社内ネットワークの上り帯域は限られており、オンラインでの転送では数か月を要すると試算された。最適な移行手段はどれか。

▶ 正解と解説

正解:C

解説:数十 TB〜PB 級ネットワーク帯域が限られ、オンライン転送が非現実的」という条件は Transfer Appliance の典型ユースケースです。物理アプライアンスにデータを書き込んで Google へ返送し、オフラインで GCS に取り込みます。800 TB を限られた帯域で送る本問はこれに該当します。

📖 関連:03_要点と暗記.md の Q5(Transfer Appliance)/ひっかけ「大量データを通常のネットワークで転送 → Transfer Appliance」


Q11 🔧 複数選択(2つ選べ)

多国籍企業が、自社データを Google Cloud に移動・コピーすることなく、AWS S3 上に保持したまま BigQuery で分析したい。データ移動に伴う転送コストとデータ主権上の越境を避けることが目的である。この要件に合致する選択肢を 2つ 選べ。

▶ 正解と解説

正解:A・C

解説:データを移動・コピーせずマルチクラウドで分析」は BigQuery OmniBigLake が答えです。BigQuery Omni は AWS S3/Azure 上のデータを移動させずその場で分析でき、越境やデータ移動コストを回避します。BigLake はオープンフォーマット(Parquet/Iceberg)でストレージとコンピュートを分離し、ロックインを軽減しつつ外部データを統一的に扱えます。

📖 関連:02_応用.md の「マルチクラウド戦略」(⚠️「データをコピーせずマルチクラウドで分析」→ BigQuery Omni / BigLake)


Q12 🔧 複数選択(2つ選べ)

ストリーミングパイプラインを運用するチームが、データの信頼性と忠実性を高めたい。具体的には「①取り込んだデータが期待どおりか(NULL・一意性・参照整合性)を宣言的に検証する」「②パイプライン中の不正レコードで処理全体が止まらないようにする」の2点。これらを実現する手段として適切なものを 2つ 選べ。

▶ 正解と解説

正解:A・B

解説: ①データ検証は Dataform のアサーションで NULL/一意性/参照整合性を宣言的にテストできます。②不正レコードで処理を止めないためには デッドレターキュー(DLQ) を設け、処理できないレコードを隔離して本流の処理を継続させます。この2つはデータ品質設計の定番です。

📖 関連:01_基礎.md の「1.2 ⑤ データ検証」/02_応用.md の「データ検証の作り込み」


Q13 📘 単一選択

データガバナンスの一環として、社内に散在するデータレイク/ウェアハウスを横断的に管理し、「どこに・どんなデータがあるか」を検索・発見可能にして、シャドーデータ(管理外データ)を減らしたい。中心となるサービスはどれか。

▶ 正解と解説

正解:A

解説: Dataplex はデータレイク/ウェアハウスを横断する統合データ管理サービスで、ドメイン(レイク/ゾーン)を定義して品質・セキュリティを横断適用します。Dataplex Catalog はメタデータカタログとして「どこに・何のデータがあるか」を検索・発見・タグ付けでき、シャドーデータの削減に有効です。

📖 関連:01_基礎.md の「1.3 ③ ステージング・カタログ化・ディスカバリ」/02_応用.md の「ガバナンスの設計」


Q14 🔧 単一選択

ある企業の DR(災害復旧)要件は「リージョン障害が起きてもデータ損失(RPO)と復旧時間(RTO)をほぼゼロに抑える」こと。グローバルな決済トランザクションを保持する RDB の構成として、この要件に最も適うものはどれか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説:RPO/RTO ほぼゼロ + グローバル + トランザクション RDB」という要件には、Cloud Spanner のマルチリージョン構成が適します。Spanner マルチリージョンは複数リージョンに同期レプリケーションし、リージョン障害時もデータ損失をほぼゼロに保ったまま可用性を維持します(応用資料でも RPO/RTO 厳しい場合の構成例として挙げられています)。

📖 関連:02_応用.md の「DR 戦略(RPO/RTO で構成を変える)」


Q15 🎯 単一選択

多国籍小売企業が次の要件を持つ。①各国の購買データ(PII 含む)を扱う、②EU データは EU 域内保存が必須、③分析者には PII を見せない、④認証情報漏洩でもデータが社外へ持ち出されない境界が必要。アーキテクチャ設計として、各要件への割り当てが最も適切な組み合わせはどれか。

▶ 正解と解説

正解:A

解説: これは複数要件を各サービスへ割り当てる統合シナリオ(本番の設計問題そのもの)です。正しい割り当ては——②データ主権:EU ロケーションに固定したデータセットを分離し、組織ポリシーで誤配置を防止、③PII 非開示:取り込み時に DLP でトークン化+承認済みビュー経由でアクセス、④持ち出し防止:VPC Service Controls で境界設定。すべて応用資料の統合シナリオの骨子と一致します。

📖 関連:02_応用.md の「統合シナリオ演習」(データ主権・DLP・承認済みビュー・VPC SC の組み合わせ)


自己採点

採点して、正答数を記録しましょう。

項目 記録
正答数 ___ / 15
正答率 ___ %
受験日 ____ / ____ / ____