section4_問題集

問題集 セクション4:分析のためのデータ準備と使用

Google Cloud「Professional Data Engineer」試験のセクション4対策問題集です。 2024年改訂の試験範囲(埋め込み / Vector Search / RAG の新トピックを含む)に準拠しています。

使い方

問題数・形式


Q1 📘 単一選択

あなたは小売企業のデータアナリストです。チームのために、売上データを手早く可視化する無料のダッシュボードを作りたいと考えています。全社共通の指標定義やバージョン管理されたガバナンスは今回は不要で、まずは素早くレポートを共有することが優先です。最も適したツールはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: Looker Studio(旧 Data Studio)は基本無料で、レポート単位で素早くダッシュボードを作成・共有できる軽量ツールです。「無料」「手早く」「全社ガバナンスは不要」という条件にすべて合致します。

📖 関連:01_基礎.md の「① BIツール:Looker と Looker Studio」


Q2 📘 単一選択

あるグローバル企業では、各部門が独自にダッシュボードを作った結果、「売上」「アクティブユーザー数」などの指標が部門ごとに微妙に異なる定義で計算され、経営会議で数字が食い違う問題が発生しています。指標を一元的に定義し、全社で「信頼できる単一の真実」として共有できるBIプラットフォームはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: Looker は LookML というセマンティックレイヤーで指標(measure/dimension)を一元的にモデル定義します。どのダッシュボードでも同じ計算ロジックが使われるため、全社で一貫した「信頼できる単一の真実」を提供でき、指標の食い違いを解消できます。

📖 関連:03_要点と暗記.md の「Looker vs Looker Studio」


Q3 📘 単一選択

BigQuery 上のデータを参照する Looker Studio ダッシュボードがあります。同じデータに対して多くのユーザーが繰り返し似たクエリを投げており、表示が数秒かかって遅いと不満が出ています。データモデルやクエリ自体は変えずに、透過的にサブ秒応答へ高速化したいです。最も適した手段はどれですか。

▶ 正解と解説

正解:A

解説: BI Engine は BigQuery 専用のインメモリ分析アクセラレータで、よく使うデータをメモリにキャッシュして反復的なBIクエリをサブ秒で返します。クエリやモデルを書き換える必要はなく透過的に効くため、「反復クエリのレイテンシ低減」という要件に最適です。

📖 関連:01_基礎.md の「② BI Engine:BigQuery のインメモリ高速化」


Q4 🔧 単一選択

あるダッシュボードは、数十億行の注文テーブルに対して毎回 GROUP BY で売上を集計しています。集計ロジックは固定で、元テーブルは継続的に新しい行が追記されます。毎回のフルスキャン集計が遅くコストも高いため、再計算を避けつつ最新の集計結果を低コストで返したいです。最も適した打ち手はどれですか。

▶ 正解と解説

正解:C

解説: マテリアライズドビューは集計・結合の結果を事前計算して保存し、ベーステーブルの変更を増分(差分)で自動反映します。「重い集計を繰り返す」「再計算を避けたい」「最新性も保ちたい」という条件にぴったりで、計算量とコストを大きく削減できます。

📖 関連:02_応用.md の「BI高速化の選択:BI Engine vs マテリアライズドビュー vs 事前集計」


Q5 🔧 複数選択(2つ選択)

「BigQuery のダッシュボードが遅い」と相談を受けました。原因切り分けと改善のために、設計判断として適切なものを2つ選んでください。

▶ 正解と解説

正解:A と B

解説: 低速クエリの診断はまず「どこが重いか」を実行グラフや INFORMATION_SCHEMA.JOBS(スキャンバイト数・スロット時間・実行時間)で特定するのが定石です(A)。スキャン過多が原因なら、日付パーティションを設定してパーティション列でフィルタすればスキャン範囲を絞れます(B)。

📖 関連:02_応用.md の「低速クエリのトラブルシューティング(頻出)」


Q6 🔧 単一選択

従業員テーブルには salary(給与)という機密列があります。経理部のメンバーだけがこの列の値を閲覧でき、それ以外のアナリストはこの列にそもそもアクセスできず、クエリに含めるとエラーになるようにしたいです。最も適した仕組みはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:C

解説: 列レベルセキュリティは Dataplex のタクソノミーで定義したポリシータグを列に付与し、権限のないユーザーはその列にアクセスできなくします(クエリに含めるとエラー)。「機密列をそもそも触らせない」という要件に合致します。

📖 関連:02_応用.md の「列レベルセキュリティ vs 動的マスキング の違い」


Q7 🔧 単一選択

顧客テーブルにメールアドレス列があります。BIユーザーには「この列が存在すること」と「ドメイン別の集計」はさせたいのですが、生のメールアドレスの値そのものは見せたくありません。権限のないユーザーがクエリしても列は表示され、値だけがマスクされる状態が理想です。最も適した仕組みはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: 動的データマスキングは、列は見せたまま値だけを *** やハッシュに置き換えます。クエリは成功し列も存在として見えるため、「値は隠すが集計はさせたい」という要件にぴったりです。

📖 関連:03_要点と暗記.md の「可視化/共有のセキュリティ」


Q8 🔧 単一選択

SaaS企業が、過去の契約・利用ログをもとに「今後解約しそうな顧客(Yes/No)」を予測したいと考えています。データはすべて BigQuery にあり、データアナリストがSQLだけで素早くモデルを作って予測したいです。データをBigQueryの外に出すことは避けたいです。最も適したアプローチはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: 「解約する/しない」は二値分類なのでロジスティック回帰が適切です。さらに「データはBQにある」「SQLだけで素早く」「データを外に出したくない」という条件は BigQuery ML の得意領域そのものです。CREATE MODEL でSQLだけで学習・予測が完結します。

📖 関連:02_応用.md の「BigQuery ML を選ぶか Vertex AI を選ぶか」


Q9 🔧 複数選択(2つ選択)

BigQuery ML を使って、用途に応じたモデルを選びます。次の組み合わせのうち、タスクとモデルの対応として適切なものを2つ選んでください。

▶ 正解と解説

正解:A と B

解説: 時系列の将来予測(季節性・休日効果を自動考慮)には ARIMA_PLUS が最適です(A)。正解ラベルのないグループ化は教師なしの k-means が適切です(B)。

📖 関連:02_応用.md の「BigQuery ML モデル選択の決定木(頻出)」


Q10 🔧 単一選択

BigQuery ML でモデルを学習させた際、学習データに対しては良い精度でした。しかし ML.PREDICT の前処理を別途SQLで書き直して運用したところ、本番の予測精度が大きく劣化しました。原因は学習時と予測時の前処理がずれる training-serving skew です。最も適した恒久対策はどれですか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: TRANSFORM 句に前処理を書くと、学習時の変換ロジックがモデル内に保存され、ML.PREDICT 時に同じ変換が自動適用されます。前処理を一元化できるため、学習と推論のズレ(training-serving skew)を構造的に防げます。

📖 関連:02_応用.md の「特徴量エンジニアリングと training-serving skew」


Q11 🎯 単一選択

カスタマーサポート部門が、社内に蓄積された大量の過去問い合わせ文書をもとに、LLM で回答案を自動生成したいと考えています。汎用LLMは社内固有の最新情報を知らず、誤った回答(ハルシネーション)をします。再学習やファインチューニングのコストはかけたくありません。BigQuery 上で実現する最も適したアプローチはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:A

解説: これは RAG(検索拡張生成)の典型シナリオです。BigQuery では ML.GENERATE_EMBEDDING で文書を埋め込みベクトル化し、質問を埋め込んで VECTOR_SEARCH で意味的に近い文書を取得、その文脈を ML.GENERATE_TEXT に渡して回答を生成します。再学習せずに社内知識を反映でき、根拠も提示できます。

📖 関連:01_基礎.md の「④ 非構造化データの埋め込み(Embeddings)と RAG 準備」


Q12 🎯 単一選択

あるECサイトで、ユーザーが入力したフリーテキストの検索クエリに対して、キーワードの完全一致ではなく「意味的に似た」商品説明文を検索したいと考えています。さらに、大量の商品ベクトルに対して低レイテンシのオンライン検索を本番サービングとして提供する必要があります。最も適したアプローチはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: 「意味的に似たものを探す」には埋め込み+ベクトル(近傍)検索が必要です。さらに「低レイテンシのオンライン検索を本番サービング」という要件があるため、大規模・低レイテンシに強い Vertex AI Vector Search が最適です。BQ内で分析的に行うなら VECTOR_SEARCH ですが、オンライン本番サービングでは Vertex AI が有利です。

📖 関連:02_応用.md の「埋め込み・Vector Search・RAG の設計」


Q13 🎯 単一選択

親会社が、分析結果のデータセットを別組織である子会社と共有したいと考えています。データを複製すると同期ズレ・転送コスト・ガバナンス劣化が問題になるため、コピーせずに共有したいです。子会社は自分のプロジェクトから普通にクエリできる必要があります。最も適した仕組みはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:C

解説: Analytics Hub は組織の内外でデータをコピーせずに共有する仕組みです。提供者がリスティングを公開し、利用者(子会社)は自プロジェクトに「リンクされたデータセット」として参照できます。コピー不要で同期ズレがなく、クエリ課金は利用者側になります。組織間共有の定番解答です。

📖 関連:02_応用.md の「共有方法の選択:コピーしないのが原則」


Q14 🎯 複数選択(2つ選択)

大手金融機関のデータプラットフォームで、注文テーブルには顧客のメール・電話などのPIIが含まれます。このデータを社内外で安全に活用するための設計として、適切なものを2つ選んでください。

▶ 正解と解説

正解:A と B

解説: Cloud DLP はPII(氏名・クレカ番号など)の検出・分類・マスキング/トークン化を担い、保護すべき対象を可視化前・共有前に把握できます(A)。承認済みビューは元テーブルへのアクセス権を与えずに、必要な列・行・集計結果だけを共有できる定番手段です(B)。

📖 関連:02_応用.md の「可視化セキュリティの設計(行・列・マスキング)」「Cloud DLP は検出・分類が主」


Q15 🔧 単一選択

ある地域別の販売ダッシュボードを、全国共通のレポートとして1つだけ用意したいです。ただし、各地域のセールスマネージャーがアクセスしたときには、自分の担当地域の行だけが見えるようにしたいです。レポートを地域ごとに複製したくはありません。最も適した仕組みはどれですか。

▶ 正解と解説

正解:B

解説: 行レベルセキュリティは、ユーザーの属性に応じて「どの行を見せるか」を行単位のフィルタで制御します。1つの共通テーブル/レポートのまま、各セールスマネージャーに自地域の行だけを表示でき、レポートの複製も不要です。

📖 関連:02_応用.md の「可視化セキュリティの設計(行・列・マスキング)」


自己採点

難易度 主テーマ 形式 あなたの正誤
Q1 📘 基礎 Looker Studio(手軽・無料) 単一
Q2 📘 基礎 Looker / LookML(全社指標) 単一
Q3 📘 基礎 BI Engine(反復クエリ高速化) 単一
Q4 🔧 応用 マテリアライズドビュー 単一
Q5 🔧 応用 低速クエリ最適化 複数
Q6 🔧 応用 列レベルセキュリティ(ポリシータグ) 単一
Q7 🔧 応用 動的データマスキング 単一
Q8 🔧 応用 BQML(ロジスティック回帰 / Vertex不要) 単一
Q9 🔧 応用 BQML モデル選択 複数
Q10 🔧 応用 TRANSFORM 句 / skew 単一
Q11 🎯 発展 RAG(埋め込み→検索→生成) 単一
Q12 🎯 発展 Vector Search(Vertex AI) 単一
Q13 🎯 発展 Analytics Hub(組織間・コピー不要) 単一
Q14 🎯 発展 DLP / 承認済みビュー(多層防御) 複数
Q15 🔧 応用 行レベルセキュリティ 単一

振り返りメモ