PDE 合格対策

セクション4:分析のためのデータ準備と使用

整えたデータを「見える化(BI/可視化)」「予測(AI・ML)」「共有」へとつなげる工程。 Looker / BI Engine / マテリアライズドビュー・BigQuery ML・埋め込み/RAG・Analytics Hub が主役です。 どの要件をどのサービスで満たすか、その判断が本番の設計問題そのものになります。

出題 ~15% 📘 基礎 🔧 実践 🎯 発展
🔑 TL;DR(このセクションの核)

🎯 学習目標チェックリスト

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📖 学習コンテンツ

📘 基礎 BI/可視化・ML準備・データ共有の「概念」と「サービスの役割」を理解することがゴールです。設計判断やトレードオフは「応用」タブで扱います。

4.1 可視化のためのデータ準備

整えたデータをダッシュボードやレポートで「見える化」する工程です。速く・安く・安全に見せることが目的。「BIツールへの接続」「事前計算による高速化」「アクセス制御」が三本柱です。

① BIツール:Looker と Looker Studio

GCPの可視化ツールは大きく2つ。用途と規模で使い分けます(試験頻出の対比)。

観点LookerLooker Studio(旧 Data Studio)
位置づけエンタープライズBIプラットフォーム軽量なダッシュボード/レポートツール
料金有償(ライセンス)基本無料(Studio Pro は有償)
データモデルLookML で一元的にモデル定義(セマンティックレイヤー)レポート単位で個別に接続・定義
指標の一貫性全社で共通定義(信頼できる単一の真実)レポートごとにばらつきやすい
ガバナンス強い(バージョン管理・権限・監査)弱め(手軽さ優先)
典型用途全社共通のメトリクス・組込み分析・データアプリアドホックな可視化・小規模レポート・共有
全社で指標を統一・ガバナンス重視 ──► Looker(LookMLでモデル化) 手軽に無料でダッシュボードを作る ──► Looker Studio
💡 覚え方 Looker は「モデル化された信頼できる指標を全社で」。Looker Studio は「手軽に無料で可視化」。

② BI Engine:BigQuery のインメモリ高速化

BI Engine は BigQuery 専用のインメモリ分析アクセラレータ。よく使うデータをメモリにキャッシュし、ダッシュボードのクエリをサブ秒で返します。

[BIツール] → クエリ → [BigQuery] │ BI Engine が対象データを インメモリにキャッシュ → サブ秒応答

③ マテリアライズドビュー(Materialized View)

集計・結合の結果を事前計算して保存しておくビュー。クエリのたびに再計算しないので速く・安くなります。

種類実体特徴
通常のビュー保存しない(クエリの別名)毎回もとのテーブルを全計算。最新だが遅い/高い
マテリアライズドビュー結果を保存(自動更新)事前計算済みで高速・低コスト。差分のみ自動更新

④ フィールドの事前計算

レポート表示のたびに重い計算をすると遅くなります。あらかじめ計算して持っておくのが基本。

⑤ 可視化のためのセキュリティ

「誰に・どのデータを見せるか」を制御します。BigQuery は段階的な粒度でアクセス制御できます。

レベル仕組み
データセット/テーブルIAM ロールこのデータセットを閲覧できるのは誰か
列レベルポリシータグ(Dataplex のタクソノミー)機密列(給与・SSN)を特定の人にだけ見せる
行レベル行レベルセキュリティ(Row-level security)営業担当者は自分の地域の行だけ見える
値のマスキング動的データマスキング列は見えるが中身は *** やハッシュで隠す

4.2 AI・ML のためのデータ準備

データを「分析」だけでなく「予測」にも使います。GCPではSQLだけでMLできる BigQuery ML と、本格的なMLOpsの Vertex AI の2つが軸です。

① 特徴量エンジニアリング・学習・サービング

MLは「特徴量を作る → 学習する → 予測を提供(サービング)する」の流れ。それぞれの準備を BigQuery で完結できます。

工程内容BigQuery での手段
特徴量エンジニアリング生データを予測に効く形へ加工(正規化・エンコード・集約)SQL変換、TRANSFORM 句、ML.FEATURE_* 関数
学習(Training)モデルを作るCREATE MODEL
評価(Evaluation)精度を測るML.EVALUATE
サービング(Serving / 推論)予測するML.PREDICT(バッチ)、Vertex AI でオンライン推論

② BigQuery ML(BQML):SQLだけで機械学習

SQLの CREATE MODEL 文だけでモデルを作成・予測できる仕組み。データをBigQueryの外に出さずに済みます。主要なモデル種別:

モデル種別タスク典型用途
線形回帰(Linear regression)回帰(数値予測)売上・需要などの連続値予測
ロジスティック回帰(Logistic regression)分類解約予測・スパム判定(2値/多値分類)
k-meansクラスタリング(教師なし)顧客セグメンテーション
行列分解(Matrix factorization)レコメンド商品・コンテンツの推薦
時系列 ARIMA_PLUS時系列予測売上・在庫の将来予測(季節性・休日対応)
Boosted tree(XGBoost)分類/回帰表形式データで高精度が欲しいとき
Random forest分類/回帰表形式データ・頑健な予測
DNN(ディープニューラルネット)分類/回帰非線形で複雑なパターン
AutoML Tables分類/回帰モデル選定を自動化したいとき
インポート/リモートモデル推論TensorFlow等の既存モデルや Vertex AI のモデルを呼ぶ
数値を予測 ─────────────► 線形回帰 Yes/No・カテゴリを分類 ──► ロジスティック回帰 / Boosted tree グループに分ける ────────► k-means 時系列の将来を予測 ──────► ARIMA_PLUS おすすめを出す ──────────► 行列分解(Matrix factorization)
💡 覚え方 「連続値=線形回帰」「分類=ロジスティック回帰/表形式で高精度なら Boosted tree」「教師なしのグループ化=k-means」「時系列=ARIMA_PLUS」「推薦=行列分解」。

③ BigQuery ML と Vertex AI の役割

観点BigQuery MLVertex AI
操作SQLPython/SDK・コンソール・パイプライン
対象者データアナリスト/SQLユーザーMLエンジニア/データサイエンティスト
データ移動不要(BQ内で完結)必要に応じてエクスポート
得意領域表形式データの素早いモデル化本格的なMLOps・カスタム学習・大規模サービング
MLOps限定的パイプライン・モデル管理・モニタリング・Feature Store
SQLで手早く・BQ内で完結 ──────────► BigQuery ML 本格MLOps・カスタムモデル・運用 ──► Vertex AI

④ 非構造化データの埋め込み(Embeddings)と RAG 準備

2024年の改訂で追加された新トピック。テキスト・画像などの非構造化データを「意味のベクトル」に変換(埋め込み=embedding)し、類似検索やLLMの回答補強に使います。

RAG の準備フロー(BigQuery で完結できる): ① 非構造化データ(ドキュメント等)を BigQuery / GCS に取り込む ② ML.GENERATE_EMBEDDING で埋め込みベクトルを生成 (Vertex AI の埋め込みモデルをリモートモデルとして呼ぶ) ③ ベクトルを保存し、必要ならベクトルインデックスを作成 ④ 質問を埋め込み → VECTOR_SEARCH で近いドキュメントを検索 ⑤ 取り出した文脈を LLM(ML.GENERATE_TEXT)に渡して回答生成

4.3 データの共有

作ったデータや分析結果を、社内の別チームや社外パートナーと安全に共有する工程です。「コピーして配る」のではなく「アクセスを許可する」のが現代的。

① 共有ルールの定義

何を・誰に・どこまで共有するかを最初に決めます。

② 承認済みビュー(Authorized View)

もとのテーブルへのアクセス権を与えずに、ビューの結果だけを共有できる仕組み。

[元テーブル(機密)] ← 利用者は直接アクセス不可 │ 承認済みビュー(必要な列・行・集計だけ) │ [利用者] ← ビューだけ見える

③ Analytics Hub:BigQuery のデータ共有

組織の内外でデータをコピーせずに共有するための仕組み。データ提供者(Publisher)がリスティングを公開し、利用者(Subscriber)がリンクされたデータセットとして自分のプロジェクトから参照します。

[提供者] データ交換(Exchange)に リスティングを公開(元データはコピーされない) │ サブスクライブ ▼ [利用者] 自プロジェクトに「リンクされたデータセット」が出現 → 自分のクエリから普通に参照(課金は利用者側のクエリに)

④ レポート・可視化の共有

📌 このセクションの基礎まとめ
  • 可視化は Looker(全社モデル)/ Looker Studio(手軽)BI Engine(インメモリ高速化)/ マテリアライズドビュー(事前計算)
  • セキュリティは列(ポリシータグ)・行(行レベル)・値(マスキング)・PII(DLP)の多層
  • ML準備は BigQuery ML(SQLで完結)vs Vertex AI(本格MLOps)。モデル種別を用途で選ぶ
  • 埋め込み・Vector SearchRAG は2024改訂の新トピック(ML.GENERATE_EMBEDDINGVECTOR_SEARCH
  • 共有はコピーしない承認済みビュー(社内委譲)と Analytics Hub(組織間)

🔧 実践(中堅) 🎯 発展(シニア)「どう設計判断するか」「トレードオフは何か」「試験のひっかけ」に焦点を当てます。基礎概念は「基礎」タブを参照。

4.1 可視化のためのデータ準備の設計判断

🔧 BI高速化の選択:BI Engine vs マテリアライズドビュー vs 事前集計

ダッシュボードが遅い/高い場合の打ち手は複数あり、原因に応じて使い分けます。

打ち手効くケース仕組みコスト
BI Engine同じデータへの反復クエリ(BIダッシュボード)透過的なインメモリキャッシュ確保メモリに課金
マテリアライズドビュー重い集計/GROUP BYを繰り返す結果を事前計算・増分自動更新ストレージ+更新分
スケジュールドクエリで集計テーブル日次などの定期的な集計で十分定期実行でサマリテーブル生成実行クエリ分
パーティション/クラスタリングスキャン量が多いスキャン範囲を絞る削減(後述)
ダッシュボードのレイテンシを下げたい ─► まず BI Engine 重い集計を毎回している ─────────────► マテリアライズドビュー 最新性は日次でよい定期集計 ─────────► スケジュールドクエリ
⚠️ 併用可能 BI Engine と マテリアライズドビューは併用可能。BI Engineは「アクセスの高速化」、マテビューは「計算の削減」と役割が違う。

🎯 低速クエリのトラブルシューティング(頻出)

「クエリが遅い・高い」原因の切り分けは試験でも実務でも重要。クエリプラン(実行詳細)/ INFORMATION_SCHEMA で原因を特定します。

まず確認するもの

主な原因と対策

症状原因対策
スキャン量が膨大フルスキャン(パーティション未活用)パーティション列でフィルタSELECT * をやめ列を絞る
特定の値に処理が偏るデータスキュー(偏り)クラスタリング、結合キーの見直し、近似関数
シャッフルが多い大きなテーブル同士のJOIN非正規化(ネスト/STRUCT)、小テーブルを先にフィルタ
重複した重い計算同じ集計を繰り返すマテリアライズドビュー
ORDER BY が重い全体ソート不要なソートを削除、LIMIT と併用

避けるべきアンチパターン

低速クエリ診断フロー: 実行グラフで重いステージを特定 → スキャン過多? → パーティション/クラスタ + 列を絞る → JOINのシャッフル? → 非正規化(STRUCT/ARRAY) or 小テーブル先行フィルタ → 偏り(スキュー)? → 結合キー見直し / 近似集計関数 → 繰り返し集計? → マテリアライズドビュー / BI Engine
⚠️ パーティション vs クラスタリング パーティショニングはスキャン量(コスト)削減、クラスタリングはフィルタ/集計の高速化。「日付で絞る→パーティション、特定カラムで頻繁にフィルタ→クラスタ」。

🎯 可視化セキュリティの設計(行・列・マスキング)

「同じダッシュボードを役職で出し分けたい」「アナリストにPIIを見せたくない」が定番。もとデータを複製せずに制御するのが正解の型。

要件解決策
部署/地域ごとに見える行を変える行レベルセキュリティ(フィルタを行に適用)
機密を一部の人にだけ見せるポリシータグ(列レベルセキュリティ)
列は見せるが中身を隠す***/ハッシュ)動的データマスキング(ポリシータグ+マスキングルール)
PIIの発見・分類そのものCloud DLP(スキャンして機密度を判定)
もとテーブルを触らせず結果だけ承認済みビュー

列レベルセキュリティ vs 動的マスキング の違い

⚠️ 使い分け 「列の存在は見せたいが値だけ隠したい/集計はさせたい」→ 動的データマスキング。「機密列はそもそも触らせない」→ 列レベルセキュリティ
⚠️ DLP の役割を混同しない Cloud DLP は検出・分類が主役。アクセス制御そのものは IAM/ポリシータグ/行レベルセキュリティが担う。

🔧 ツール接続の勘所

4.2 AI・ML のためのデータ準備の設計判断

🔧 BigQuery ML モデル選択の決定木(頻出)

問題文のタスク種別とデータ形状からモデルを選びます。

予測したいものは何? 連続的な数値(売上額・気温) ─────────► 線形回帰 (Linear regression) カテゴリ/Yes-No(解約する?) ─────────► ロジスティック回帰 └ 表形式で高精度が欲しい ───────► Boosted tree (XGBoost) / Random forest └ 非線形で複雑 ────────────────► DNN ラベルなしでグループ分け ─────────────► k-means(教師なし) 時間とともに変化する値の将来 ─────────► ARIMA_PLUS(季節性・休日も自動考慮) ユーザーへのおすすめ ─────────────────► 行列分解 (Matrix factorization) どのモデルが良いか自動で選びたい ─────► AutoML Tables
⚠️ ひっかけ三連
  • 需要予測/売上予測で時系列」と来たら ARIMA_PLUS(線形回帰と迷わせる。時系列なら ARIMA_PLUS)。
  • 顧客をセグメント化(ラベルなし)」→ k-means(ロジスティック回帰は教師ありの分類なので不可)。
  • 「表形式データでとにかく高精度」→ Boosted tree

🔧 BigQuery ML を選ぶか Vertex AI を選ぶか

状況選択
データがBigQueryにあり、SQLで素早く試したいBigQuery ML
アナリスト中心・前処理〜学習〜予測をSQLでBigQuery ML
カスタムモデル(PyTorch/TF)・大規模分散学習Vertex AI(カスタム学習)
本番MLOps(パイプライン・監視・再学習・低レイテンシ推論)Vertex AI
特徴量を学習/推論で一貫管理・再利用したいVertex AI Feature Store
⚠️ 選択の軸データ移動を避けたい&SQLだけ」→ BQML。「MLOps/モデルレジストリ/オンライン推論」→ Vertex AI。BQMLで学習 → Vertex AIに登録してサービング、という橋渡しも出題されうる。

🎯 特徴量エンジニアリングと training-serving skew

⚠️ 二重管理に注意 「予測時に前処理を書き直したらズレた」→ 原因は前処理の二重管理。TRANSFORMで一元化するのが正解。

🎯 埋め込み・Vector Search・RAG の設計

RAGの準備は「取り込み → 埋め込み生成 → ベクトル保存/索引 → 検索 → 生成」。どこをどのサービスで実現するかの判断がポイント。

判断軸BigQuery で完結Vertex AI Vector Search
データの所在データがBQにあるどこでも
操作SQL(ML.GENERATE_EMBEDDING / VECTOR_SEARCHSDK・エンドポイント
レイテンシ分析・バッチ寄り低レイテンシのオンライン検索に強い
規模/運用手軽に開始大規模・本番サービング
RAG構築の流れ(BigQueryネイティブ): ドキュメント取込(GCS/BQ) → ML.GENERATE_EMBEDDING(Vertexの埋め込みモデルをリモート呼び出し) → ベクトルを列に保存 → CREATE VECTOR INDEX(高速化) → 質問を埋め込み → VECTOR_SEARCH で近傍ドキュメント取得 → ML.GENERATE_TEXT に文脈として渡して回答生成
⚠️ RAG 周りのひっかけ
  • 「LLMが社内固有の最新情報を知らない/ハルシネーションする」→ RAG(再学習やファインチューニングより手軽で、根拠を提示できる)。
  • 意味が似た文書/商品を探す」→ 埋め込み+Vector Search(キーワード一致ではなく意味的類似)。
  • 「低レイテンシで大量のオンラインベクトル検索」→ Vertex AI Vector Search。「BQ内でSQLで分析的に」→ BigQuery の VECTOR_SEARCH

4.3 データの共有の設計判断

🔧 共有方法の選択:コピーしないのが原則

要件解決策理由
もとテーブルを触らせず結果だけ社内共有承認済みビュー権限委譲、列/行を絞れる
組織内のドメイン間/社外でデータセット共有Analytics Hubコピー不要・同期ズレなし
一般公開データの配布Analytics Hub の公開リスティングスケーラブルに配布
単発で一部だけ閲覧許可IAMで該当データセット/ビューに付与シンプル
⚠️ アンチパターン
  • 「データをコピーして各部署に配る」は同期ズレ・コスト・ガバナンス劣化を招く。Analytics Hub(参照型共有)が正解。
  • 社外パートナーとBQデータを共有」→ Analytics Hub(リスティングをサブスクライブ)。エクスポートして渡す、ではない。

🎯 Analytics Hub の運用ポイント

🎯 統合シナリオ演習(考え方の練習)

シナリオ:あるEC企業
  • ① 経営層に全社共通の指標でリアルタイム性の高いダッシュボードを提供したい。ダッシュボードが現在遅い
  • ② 注文テーブルには顧客のメール/電話(PII)が含まれ、アナリストには集計だけ見せたい。地域マネージャーには自地域の行だけ見せたい。
  • 解約しそうな顧客を予測してマーケに渡したい。SQLで素早く回したい。
  • ④ サポート用に過去の問い合わせ文書を検索し、LLMで回答案を作りたい。
  • ⑤ 分析結果を子会社(別組織)ともコピーせず共有したい。

設計の骨子(解答例)

  1. 指標の一貫性+ガバナンス → Looker(LookMLで全社モデル)。遅さ対策は BI Engine でダッシュボードを高速化し、重い集計は マテリアライズドビュー で事前計算。スキャン削減に注文テーブルを日付パーティション+顧客IDクラスタリング
  2. アナリストには 承認済みビュー(PII列を除外/マスク)。PIIは Cloud DLP で検出・分類し、必要列に 動的データマスキング または 列レベルセキュリティ(ポリシータグ)。地域出し分けは 行レベルセキュリティ
  3. 解約予測は二値分類 → BigQuery ML のロジスティック回帰(高精度が欲しければ Boosted tree)。前処理は TRANSFORMでモデルに内包し skew を防止。ML.PREDICT で対象顧客を抽出。
  4. RAG:問い合わせ文書を取り込み、ML.GENERATE_EMBEDDING で埋め込み → CREATE VECTOR INDEXVECTOR_SEARCH で類似文書を取得 → ML.GENERATE_TEXT で回答案生成。低レイテンシ要件が強ければ Vertex AI Vector Search
  5. 子会社との共有は Analytics Hub(リスティング公開 → リンクされたデータセット)。コピー不要で同期ズレなし。提供範囲は承認済みビューで限定。
💡 本番の設計問題そのもの この「各要件を最適サービスに割り当てる」思考が本番の設計問題そのものです。
📌 まとめ:このセクションの設計判断の型
  • 可視化高速化は原因で選ぶ:反復クエリ→BI Engine、重い集計→マテビュー、スキャン過多→パーティション/クラスタ
  • セキュリティはコピーせず制御:行レベル/列レベル(ポリシータグ)/動的マスキング/DLP(検出)の役割分担
  • BQMLはタスクでモデル選択、本格運用は Vertex AI。前処理は TRANSFORM で skew 回避
  • 埋め込み→Vector Search→RAG の流れ。BQ内SQL vs Vertex AI Vector Search を要件で選ぶ
  • 共有は承認済みビュー(社内委譲)と Analytics Hub(組織間・コピー不要)

🎯 試験直前の総ざらい用。暗記すべき表一問一答でセクション4を固めます。

🔑 暗記必須テーブル

Looker vs Looker Studio

観点LookerLooker Studio
位置づけエンタープライズBI軽量レポート/ダッシュボード
料金有償基本無料
モデルLookML(全社共通の指標)レポート単位
キーワードガバナンス・一貫した指標・組込み分析手軽・無料・アドホック

BI高速化の打ち手

打ち手役割効くケース
BI Engineインメモリ高速化BIダッシュボードの反復クエリ
マテリアライズドビュー集計の事前計算・増分自動更新重い集計の繰り返し
パーティションスキャン量(コスト)削減日付等で絞れる
クラスタリングフィルタ/集計の高速化特定列で頻繁にフィルタ

可視化/共有のセキュリティ

課題解決策
見える行を制御行レベルセキュリティ
機密列を非表示(アクセス不可)列レベルセキュリティ(ポリシータグ)
列は見せ値だけ隠す/集計可動的データマスキング
PIIの検出・分類Cloud DLP
元テーブル非公開で結果共有承認済みビュー
組織間でコピーせず共有Analytics Hub

BigQuery ML モデル選択

タスクモデル
数値予測(回帰)線形回帰
分類(Yes/No・カテゴリ)ロジスティック回帰
表形式で高精度Boosted tree / Random forest
非線形で複雑DNN
ラベルなしのグループ化k-means
時系列の将来予測ARIMA_PLUS
レコメンド行列分解(Matrix factorization)
モデル選定を自動化AutoML Tables

BQML vs Vertex AI

観点BigQuery MLVertex AI
操作SQLPython/SDK・パイプライン
データ移動不要(BQ内完結)必要に応じて
強み素早いモデル化本格MLOps・カスタム・サービング
特徴量管理TRANSFORM句Feature Store

RAG関連のSQL関数(BigQuery)

関数役割
ML.GENERATE_EMBEDDINGテキスト/画像を埋め込みベクトル化
CREATE VECTOR INDEXベクトル検索を高速化する索引
VECTOR_SEARCH近傍(意味的に類似)検索
ML.GENERATE_TEXTLLMで生成(文脈を渡して回答)

✅ 一問一答(確認テスト)

Q1. 全社で指標定義を統一し、ガバナンスを効かせたBIを構築したい。LookerとLooker Studioのどちら?

A. Looker(LookMLでセマンティックレイヤーを一元定義。Looker Studioはレポート単位で指標がばらつきやすい)

Q2. BigQueryのダッシュボードのレイテンシをサブ秒に下げたい。反復的なクエリが多い。使う機能は?

A. BI Engine(インメモリで反復クエリを高速化。透過的に効く)

Q3. 重い集計(GROUP BY)を何度も実行しており、毎回の再計算を避けたい。使う機能は?

A. マテリアライズドビュー(結果を事前計算・保存し、差分を自動更新)

Q4. クエリが遅くスキャンバイト数が膨大。日付で絞れるテーブル。まず何をする?

A. パーティショニング(日付列)+パーティション列でのフィルタ。あわせて SELECT * をやめ列を絞る。頻繁にフィルタする列はクラスタリング。

Q5. 列は見せて集計はさせたいが、生のメールアドレスの値だけは隠したい。使うのは?

A. 動的データマスキング(列レベルセキュリティだと列ごとアクセス不可になり集計もできない。値だけ隠すならマスキング)

Q6. アナリストに集計結果だけ見せ、PIIを含む元テーブルには直接アクセスさせたくない。使うのは?

A. 承認済みビュー(Authorized View)。列はポリシータグ、行は行レベルセキュリティで併用。

Q7. 顧客を購買傾向でグループ分けしたい(正解ラベルなし)。BQMLのモデルは?

A. k-means(教師なしクラスタリング。ロジスティック回帰は教師ありの分類なので不適)

Q8. 季節性のある日次売上の将来3か月を予測したい。BQMLのモデルは?

A. ARIMA_PLUS(時系列予測。季節性・休日効果も自動考慮。線形回帰と迷わせるひっかけ)

Q9. データはBigQueryにあり、SQLだけで素早く解約予測モデルを作りたい。何を使う?

A. BigQuery MLCREATE MODEL でロジスティック回帰。高精度ならBoosted tree。データ移動不要)

Q10. 学習時の前処理と予測時の前処理がずれてしまう(training-serving skew)。BQMLでの対策は?

A. TRANSFORM 句に前処理を記述。学習時の変換がモデルに保存され、ML.PREDICT 時に自動適用される。

Q11. LLMが社内固有の最新情報を知らず、誤った回答をする。再学習せずに精度を上げたい。手法は?

A. RAG(検索拡張生成)。関連文書を検索してLLMに文脈として渡す。BQなら ML.GENERATE_EMBEDDINGVECTOR_SEARCHML.GENERATE_TEXT

Q12. キーワード一致ではなく「意味が似た」商品/文書を検索したい。何を使う?

A. 埋め込み(Embeddings)+ベクトル検索(Vector Search)。意味の近さをベクトルの近さで測る。

Q13. 別組織(子会社)とBigQueryのデータを、コピーせず・同期ズレなしで共有したい。使うのは?

A. Analytics Hub(リスティングを公開 → 利用者はリンクされたデータセットで参照。クエリ課金は利用者側)

Q14. Cloud DLP の主な役割は? アクセス制御も担う?

A. PIIの検出・分類・マスキング/トークン化が主役。アクセス制御そのものはIAM/ポリシータグ/行レベルセキュリティが担う(混同に注意)。

Q15. 低レイテンシで大量のベクトル検索をオンライン提供したい。BQのVECTOR_SEARCHかVertex AIか?

A. Vertex AI Vector Search(オンライン・大規模・低レイテンシに強い)。BQ内で分析的に行うなら BigQuery の VECTOR_SEARCH

🎯 ひっかけ注意ポイント

❌ 混同しやすい論点
  • Looker ⇔ Looker Studio:ガバナンス・全社指標なら Looker、手軽・無料なら Looker Studio
  • BI Engine ⇔ マテリアライズドビュー:前者は「アクセス高速化」、後者は「計算の事前削減」。併用可
  • 列レベルセキュリティ ⇔ 動的マスキング:前者は列ごとアクセス不可、後者は値だけ隠す(集計可)
  • 時系列予測ARIMA_PLUS(線形回帰と迷わせる)。ラベルなしグループ化k-means(分類のロジスティック回帰ではない)
  • Cloud DLP は検出・分類が主でアクセス制御ではない
  • 共有はコピーしない:社内委譲=承認済みビュー、組織間=Analytics Hub。「エクスポートして配る」はアンチパターン
  • パーティション=コスト(スキャン)削減クラスタリング=速度。パーティション列を関数で加工するとプルーニングが効かない
  • BQML ⇔ Vertex AI:SQLで完結・データ移動回避=BQML、MLOps/カスタム/オンライン推論=Vertex AI

📝 セルフチェック

  • ☐ 暗記テーブル(Looker比較・BI高速化・セキュリティ・BQMLモデル・RAG関数)を白紙から再現できる
  • ☐ 一問一答を全問即答できる
  • ☐ BQMLのモデル選択の決定木を描ける
  • 問題集セクション4 で80%以上取れた
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S3 データの保存

ストレージ選定の意思決定ツリー・BigQuery設計・Bigtable行キー。

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S5 保守と自動化

コスト最適化・Editions/予約・Composer DAG・監視・耐障害性。

PRACTICE

セクション4 問題集

このセクションの理解度を問題で確認(Markdown版)。