02_アジャイル新規事業

ケース2: アジャイル新規事業(モバイルアプリ MVP)

要件不確定・変化対応が必要な新規事業ケース。スクラムを中心とした判断練習。


プロジェクト概要

背景

ステークホルダー

役割 関心
CEO(スポンサー) 売上・市場シェア
PO(プロダクト責任者) 顧客価値・市場適合
投資家 ROI・成長指標
主要顧客(フォーカスグループ) 使いやすさ・価値
マーケティング部 リリース時期・PR

アプローチ


シナリオ1: 役割の混乱

状況

あなたが PM としてアサインされた。キックオフでCEOが「PMが全責任を持って優先度を決めて、開発タスクも割り当ててほしい」と言う。

質問

最適な対応は?

選択肢

A) CEOの指示通りすべて自分で決める B) CEOに対し、スクラムの役割(PO=価値最大化、SM=プロセス、Dev=自己組織化、PMはスクラムでは存在しない)を説明し、自分はサーバント型でPMロールを限定。POを別任命してもらう C) スクラムをやめてPredictiveに切替 D) チームに丸投げ

PMI流解説

正解は B

PMP試験では「PMが全部決める」選択肢は 常に誤答

学習ポイント


シナリオ2: 変化する要件

状況

スプリント2の途中、CEOが「競合がX機能を出した。我々もスプリント中に追加で実装してほしい」と要求。

質問

最適対応は?

選択肢

A) 即時スプリントに追加 B) 拒否 C) POにバックログ化を依頼。POは現スプリントの優先順位と比較して、次スプリントから着手するか、現スプリントゴールを変更すべきか判断。スプリント中の保護は原則だが、スプリントゴールが意味を失うなら早期終了→再計画も選択肢 D) PM一存で変更

PMI流解説

正解は C

学習ポイント


シナリオ3: ベロシティの揺れ

状況

スプリント1: 30pt、スプリント2: 25pt、スプリント3: 18pt と減少傾向。CEO は「予定の機能数が減ってしまう、チームを増員すべき」と要求。

質問

最適対応は?

選択肢

A) 即時増員 B) チーム解雇 C) リトロでベロシティ低下の根本原因(バックログ品質、技術負債、外部依存、チーム疲弊)を分析。Brooks's Lawから安易な増員は逆効果と理解。原因に応じた施策(リファインメント強化、ペアプロ、ストーリー分割改善)を実行 D) ベロシティを目標化してプレッシャーを上げる

PMI流解説

正解は C

学習ポイント


シナリオ4: ステークホルダー対立

状況

PO(マーケ出身)と Dev リード(エンジニア)の意見が技術選定で対立。POは「市場標準のXフレームワークで早く出したい」、Devは「将来の拡張性を考えるとYの方が良い」。

質問

PM/SMの最適対応は?

選択肢

A) PMが裁定 B) PO優先 C) 両者を集めて協働的問題解決(Collaborate)。Trade-off(短期速度 vs 長期保守性)を明示。MVPフェーズの目的(市場検証)を再確認し、技術的負債管理計画も合意。判断はPOがチームの意見を踏まえて行う D) スポンサー裁定

PMI流解説

正解は C

学習ポイント


シナリオ5: 早期検証の結果

状況

MVPリリース後の最初の2週間、ダウンロード数は予想を下回り、UI/UXのフィードバックが多数。一方、想定していなかった機能Xへの要望が予想外に多い。

質問

次のスプリント計画で何を最優先すべきか?

選択肢

A) 当初計画通り進める B) ダウンロード増のためマーケに大投資 C) POが市場フィードバックを分析し、バックログを再優先順位付け(pivot or persevere)。UI/UX改善+機能X追加を優先するなら、当初計画の機能を後回し or 削除する判断。データ駆動で意思決定 D) MVPを撤回

PMI流解説

正解は C

学習ポイント


シナリオ6: 投資家への報告

状況

3ヶ月のMVPフェーズ完了報告で、投資家から「ガントチャートとEVMで進捗を示してほしい」と要求。アジャイルで運営しているのでガントチャートはない。

質問

最適対応は?

選択肢

A) ガントチャートを後付けで作る B) Predictiveに切替 C) Burnup Chart、Velocity Chart、リリースバーンダウンを使い、ステークホルダーが理解できる言葉で進捗・価値・残作業を説明。ハイブリッド報告(マイルストーン+イテレーション)で互換性を確保 D) 報告拒否

PMI流解説

正解は C

学習ポイント


シナリオ7: チーム疲弊

状況

3スプリント連続で残業が増えている。CEOが「もっと早く」と毎週圧力。チームメンバーが「やる気が落ちている」と1on1で漏らす。

質問

PMの優先行動は?

選択肢

A) CEOの圧力に応じてチームを督促 B) スコープ削減を一方的に決定 C) CEO(スポンサー)と1on1で価値・スピード・持続可能性のトレードオフを議論。チームには心理的安全性を確保し、リトロでプロセス改善(WIP制限、技術負債返済、機能カット)を提案。アジャイル原則8(持続可能なペース)を共有 D) チーム解散

PMI流解説

正解は C

学習ポイント


シナリオ8: 解散と次フェーズ

状況

6ヶ月プロジェクト完了。投資家からフェーズ3として継続予算が承認された。チーム3名が「次プロジェクトに行きたい」と話題に。

質問

PMの最適対応は?

選択肢

A) 全員引き止め B) 完全解散 C) レトロスペクティブで全員のキャリア意向を聞き、知識継承計画+新規メンバー受入計画を作成。希望者は次PJへ送り出し、新規メンバーには丁寧なオンボーディング D) 自分が決める

PMI流解説

正解は C

学習ポイント


全体の学び

アジャイル/スクラム特有のPMI流原則

  1. PMは命令者でなくサーバント — 役割を尊重
  2. スプリント保護は原則だが、価値が変化したら再計画OK
  3. ベロシティはコミットメントでない — 予測指標
  4. 対立は対話と協働 — トレードオフ可視化
  5. データ駆動の pivot or persevere
  6. ステークホルダー言語に合わせる — ハイブリッド報告
  7. 持続可能なペース — メンバー消耗禁止
  8. メンバーキャリア支援 — サーバント

Predictive ケース1との対比