Part 7 SP の特徴 — 複数人チャット型
- Part 7 は全54問(単一文書29問 Q147–175、複数文書25問 Q176–200)、Reading 全体で100問75分(ETS 公開の形式説明に基づく。本セッションでは再取得していないため未確認)。
- 2016年の形式改定で テキストメッセージ/オンラインチャット と 書き手の意図を問う設問(At 9:10 A.M., what does Ms. X mean when she writes, "..."?)が加わった(同上、未確認)。
- なぜ Phase 5 の難所か: 2人のやり取りは「直前への返事」で読める。3〜4人になると話題が並行して流れ、返事が2つ前・3つ前の発言に答えることがある。意図問題の罠は、ほぼ必ず「直前への返事」として読んだときの意味で作られる。
- 今回は5問・6分以内(導出値)。型: NOT(支払先)/意図①(Say no more)/同義語(booked solid)/意図②(交差した話題)/推測
設問チャレンジ(Questions 1–5)
料金(rush service)が出るのは 9:06 で、払う相手は印刷会社。会場が請求する料金は出てこない。A は 9:04「closes at 6 P.M. today」、B は 9:05「The hall seats 70」、D は 9:05「won't be ready until Friday morning」。語の有無ではなく、誰に払う料金か(支払先)まで照合する。Day170 Q1(price はあるが非公開)と同じ型の別バリエーション。
Say no more =「皆まで言うな=分かった、任せて」。直後の「I'll have our designer make the table cards」が確認の手がかり。B は字義どおり「もう話すな」と読んだ罠(拒絶の意味は無い)。C は 9:07 の同伴者の話題に結びつけた罠(Lindqvist は同伴者に一度も触れていない)。D は紙の再交渉で、Lindqvist は紙をやめる案に乗っている。
主語は Their press(印刷会社の印刷機)。「木曜まで予定がぎっしりで急ぎを入れられない」。A は booked+solid の足し算で、しかも「自社のために確保」は文脈と逆(確保できないから困っている)。C は book=支払いの連想。D は文脈に無い。
I don't see why not は「〜してもいい?」への承諾の決まり文句。9:11 より前の許可を求める疑問は 9:07「two registrants have asked if they can bring a colleague along」だけ。9:12 の「I'll tell both of them their colleagues are welcome.」で確定。人数の裏付け: 58+2=60 ≦ 70席(導出値)。
A は直前(9:09〜9:10)への返事と読んだ罠。QR 案は 9:10 で引き受け済みで話が閉じており、9:09 は疑問文ではない。B は why を字義で読んだ罠。D の急ぎ配送は 9:08 で不可能と決まっている。
9:06 急ぎ配送の提案 → 9:08 不可(印刷機が埋まっている)→ 9:09 QR コード案 → 9:10 引き受け。A は 9:06 の提案を決定と取り違えた罠(9:07 の割り込みで 9:06 と 9:08 が離れているため見落としやすい)。C は全員受け入れと決まっている。D は 70席で足り、本文にも無い。
解法ガイド
- 「誰が・誰に・何を」で読む: 話題は3本。α 人数(9:02→9:04→9:05)、β カタログ(9:05→9:06→9:08→9:09→9:10)、γ 同伴者(9:07→9:11→9:12)。9:07 が β の途中に割り込むので、9:08 と 9:11 は直前に答えていない(上の色分けボタンで確認)。
- 返事の形から問いを逆算: I don't see why not = 許可を求める Yes/No 疑問への承諾。9:09〜9:10 は提案と引き受けで疑問文ではない → 9:07 を探し当てる。
- 直後のメッセージで答え合わせ: 意図問題は後ろの1〜2メッセージに確認の手がかりがあることが多い(9:12)。
- 指示語と所有格で話題を決める: 9:08 の that は 9:07 ではなく 9:06 を指す。決め手は次の Their press。
ヒント
ヒント1(方向性)
発言を「人数」「カタログ」「同伴者」の3話題に分ける。9:07 がどの話題の途中に割り込んでいるかに注目。
ヒント2(解法のキー)
Q4: I don't see why not はどんな形の質問への返事か。その形の質問は 9:11 より前のどこか。答え合わせは 9:12。Q1: fee は出てくるが、誰に払う料金か。
ヒント3(ほぼ答え)
Q2: 直後に「デザイナーに作らせる」=引き受け。Q3: 印刷機が木曜まで「ぎっしり」。Q5: 9:06 の提案への答えは 9:08(不可)→ 9:09〜9:10 の QR コード案。
頻出語彙・表現
| 語彙/表現 | 品詞 | 意味・例文 |
|---|---|---|
| sign up (for) | 動詞句 | (〜に)申し込む・登録する Fifty-eight retailers have signed up for the preview. |
| registrant | 名詞 | 登録者・申込者 Two registrants asked about bringing a guest. |
| preview | 名詞 | 内覧会・先行公開イベント The spring line preview is on Thursday. |
| seat | 動詞 | (人数を)収容する The hall seats 70. |
| rush service | 名詞句 | 特急対応(追加料金あり) We paid for rush service to meet the deadline. |
| press | 名詞 | 印刷機(文脈により「報道機関」) The press is running another job. |
| booked solid | 形容詞句 | 予定がぎっしり埋まっている The caterer is booked solid in December. |
| go digital | 動詞句 | 紙をやめて電子化する Let's go digital and skip the handouts. |
| Say no more. | 慣用表現 | 皆まで言うな=分かった、任せて "We need cards by Thursday." "Say no more." |
| I don't see why not. | 慣用表現 | いいと思いますよ(許可・承諾) "Can I leave early?" "I don't see why not." |
| bring ... along | 動詞句 | 〜を連れてくる You're welcome to bring a colleague along. |
| final count | 名詞句 | 確定人数 Please send the final count by Friday. |
| catering order | 名詞句 | 料理・飲食の手配の注文 I'll update the catering order tonight. |
弱点パターンと設計の記録
| 型 | 設問 | 落ちる原因 | 定着ポイント |
|---|---|---|---|
| NOT(支払先) | Q1 | fee があるだけで「書いてあった」 | 誰に払う・誰の、まで照合 |
| 意図(慣用句) | Q2 | Say no more を字義で読む | 直後の行動(I'll ...)で意味を確定 |
| 慣用句の語義 | Q3 | booked+solid の足し算 | 主語(印刷機)と文脈から決める |
| 意図(交差した話題) | Q4 | 直前への返事として読む | 返事の形から問いを逆算し、直後で確認 |
| 提案と決定 | Q5 | 9:06 の提案を事実にする | 提案 → 回答 → 代替案 を最後まで追う |
Phase 5 の要点: 2人チャットの意図問題は「直前への返事」で解ける。複数人では割り込み1つで返事と問いの位置がずれる。今回は 9:07 の割り込みで 9:08 と 9:11 の2か所がずれている。
迷った他案と採らなかった理由
| 案 | 採否 | 理由 |
|---|---|---|
| 4人チャット・話題の交差(本案) | 採用 | state.md の持ち越し「10/13 は意図問題候補」に沿う。SP のチャットは Day091(2人・Phase 2)以来。割り込みで返事の位置がずれる罠は複数人でしか作れない |
| 2人のテキストメッセージ | 却下 | 交互に進むので直前への返事で解けてしまい、Phase 5 の難度にならない |
| Part 3 型の「話者の意図」 | 却下 | 明日の Part 3 と同じ技能。今回は時刻つきで並ぶ書かれた発言の「どれへの返事か」に絞る |
| 文挿入問題を入れる | 却下 | 本番のチャット形式では出ない。Day170 で扱った |
| 計算問題 | 却下 | Day164・Day175 で扱った。58+2≦70 は意図問題の裏付けとしてだけ使う |
前提が変わったら: Phase 6 では返事を条件付き承諾(As long as we stay under 70.)ややんわりした断り(I wouldn't count on it.)に替え、肯定か否定かの極性まで問う(10/17 Part 2 の条件付き承諾につながる)。
よくある日本人のミス
| ミス | 原因 | 正しいアプローチ |
|---|---|---|
| Q4 で A を選ぶ | 直前への返事として読む | 返事の形から問いを逆算し、9:12 で確認 |
| Say no more を「もう黙って」と訳す | 単語ごとに直訳 | 直後の I'll ... で「任せて」と分かる |
| Q1 で C を外す | 料金の話があったので「書いてあった」 | 支払先(印刷会社か会場か)まで照合 |
| booked solid を「確保できた」と読む | 日本語の「予約済み」に引きずられる | 主語が予約を受ける側なら「埋まって受けられない」 |
| Q5 で A を選ぶ | 9:06 と 9:08 の間の割り込みで回答を見落とす | 提案 → 回答 → 代替案を同じ話題の線でつなぐ |
扱わなかった範囲と理由
- 文挿入問題: チャット形式では本番に出ないため入れていない
- 2人チャット: Day091 で扱った
- 否定・条件付きの返事(I wouldn't count on it / As long as ...): Phase 6 の発展と 10/17 Part 2 に回した
- 設問数: 本番のチャットは2〜4問。精度を見るため5問(目安6分)
- 語数・人数: 本文は約190語・4人。本番の分布を本セッションで実測したものではない
数値の出所: 58人/70席/6 P.M./金曜朝は仮定値。58+2=60 ≦ 70 は導出値。企業名・人名・会場名は架空。次回: 水曜 Part 3。